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まだ魔王討伐に行くのは優秀な幼なじみ達だけだと思っているごく普通の少年の日記【連載】  作者: 日暮キルハ
まだ魔王討伐に行くのは優秀な幼なじみ達だけだと思っているごく普通の少年の日記
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七日目

 ――今、迷宮でこの日記を書いている。あと、また拉致られた。




 目を覚ますとゴブリンの生首がこちらに転がってくるところだった。

 最近、あいつら、ほんとは俺のことが嫌いなんじゃないだろうかと思う。


 だって、おかしいじゃん。

 普通連れてくる?明らかに実力が伴ってない奴連れてくる?

 迷宮で殺して証拠隠滅するつもりだって言われた方がまだしっくりくるわ。


 目を覚まして、血と臓物が飛び散った見覚えのない場所の光景に、おおよその事情を察した俺は叫びたい気持ちをぐっと堪えて頭を抑えた。

 凄い進歩だ。この数日のことで理不尽には抗っても仕方がないと体が学んだのだろう。順調に調教されていると言い換えてもいい。

 ともかく、叫ぶのはぐっと堪えて、それでも収まりきらない怒りをぶつけてやろうと手近なところでゴブリンの首を飛ばしているユーリに侮蔑の視線を向けていると視線を察したユーリがこちらに気づいてパッと笑顔を浮かべたのだ。


「ルーク! やっと起きたんだ、ほんとお寝坊さんだよね! あははっ!」


 こいつぶっ殺してやろうかなって思った。

 いや、もちろん実際行動に移したら一瞬で返り討ちにあうのが目に見えてるからやらないけど。


 メリッサ曰く、朝みんなで起こしに行ったのに俺がぐっすり眠って起きないからそのまま連れてきたらしい。

 朝が弱すぎると怒られた。

 でもね、メリッサ。そもそも俺がここにいること自体がおかしいとは思わない?


 思わないらしい。

 満場一致で俺以外全員首を傾げていた。

 変人しかいない場所での多数決は常識人には分が悪すぎる。そもそも、多数決をするときは少数意見への配慮が何より大事だって知らないの?


 レインに至っては「まだ寝ぼけてるのか?」なんて煽ってくる始末。俺が長男だからよかったものの、もし次男だったら我慢できずにぶちギレて襲いかかって返り討ちにあってるところだっただろう。

 仕方ないから「お前、そんなんだからモテないんじゃない?」って言ってやったら今俺の隣でガチ泣きしてる。


 あと、さっきからアリスが俺にゴブリンの死体押し付けて「……照り焼き」って言ってくるんだけどどういう意味?

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― 新着の感想 ―
[一言] 迷宮出たら、薬屋で胃薬買ってそう(笑)
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