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まだ魔王討伐に行くのは優秀な幼なじみ達だけだと思っているごく普通の少年の日記【連載】  作者: 日暮キルハ
まだ魔王討伐に行くのは優秀な幼なじみ達だけだと思っているごく普通の少年の日記
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五日目

 開かねえよ。どんだけ前向きに考えたって道は開かねえよ。もう終わりだよ。つーか、誰だよ前向きに考えれば道は開くとか言った奴。ぶっ殺すぞ。


 どうにも国の想定以上に幼なじみ達は異常だったらしい。

 早速あいつら一人残らずめちゃくちゃしてくれやがった。


 まずユーリ。結論から言うと、こいつ自分の指導係を半殺しにしやがった。

 なんでも実力を確かめる為に模擬戦をやったらしい。相手はこれから師となるはずだった騎士の中でも指折りの実力者だった。で、その騎士様はお互いに本気でやろうって言ったらしい。たぶんユーリは色々やらかしてるからお灸を据える的な意味合いもあったのだろう。けど、結果はこれ。本気でやろうって言われて本気で殺しにいく奴がどこにいるよ。こいつ頭おかしいんじゃねーの?魔物でももうちょっとまともな倫理観持ってるわ。


 次にレイン。こいつの指導係は現役の冒険者で、レインはその冒険者の下着を上下盗んだ。

 聞いた話によると、修行内容は師匠が身に隠した宝石をどんな手を使ってもいいから探し当てて盗むというものだったらしい。で、レインは宝石には目もくれず下着を盗んだ。しかも上下。話を本人に聞いたら「俺にとっての宝石を盗んだだけだ」と言っていた。意味分かんないから死ねば良いのに。


 次にメリッサ。事故で城の一部が空間ごと消し飛んだ。

 基本的な魔法属性に関してはもはや何も教えることがないため、予定を早めて異なる魔法属性を複合させ、強力な魔法属性に昇華させる複合魔法の修行をしていたらしい。ほんの好奇心で全ての魔法属性を複合させた結果、周囲を空間ごと喰らう『何か』を産み出してしまったらしい。きちんと本人が責任を持って片付けたらしいけど、好奇心にあっさり敗北してしまう理性の修行の方が先決だろこれ。


 最後にアリス。指導係が奇声をあげながら部屋に閉じ籠ったきり出てこなくなってしまったらしい。

 指導の様子を見ていた者の証言によると、順調に進んでいたはずが急に指導係が奇声を発して走りだしていってしまったらしい。

 分からないの一点張りだったようだが、念のためにアリスに話を聞いてみた。彼女曰く、最初に最も好きなものを聞かれたらしい。それにアリスは俺の作るご飯だと答えた。すると指導係はあらゆる面で高水準の才能を持っているのは良いことだが、それが忍耐力の成長の阻害になっていると言った。そして、忍耐力を鍛えるためにアリスが一番好きなものを、俺の作る食事をこれから一年は食べてはならないと言った。だから、分からせてやったらしい。


 ……分からせてやったって何ですか?

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