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Tomorrow Hunt  作者: hiro
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合格

『さっき話したものが全てです。』


何と答えるのが正解か、もっと考える必要があったとは思う。


しかし、返答に対する後悔はなかった。


『そうか。』


そう言うとガイダーはクイクイと手招きしてみせ、恐る恐る近づくと彼は耳元でこう囁いた。


『あれが能力の全てではないことはわかってるさ。もし全てを話していたのだとしたら正直弱すぎて話にならんからな。』


少しショックを受けたが、そうなのだろうか。


俺は能力の全てを話してはいないが、攻撃力は一切ない。全くの0だ。


彼の言葉にショックを受ける俺を見て、彼は再び高笑いをする。


『はっはっ。まぁお前は合格だな。』


『合格、ですか?』


状況がいまいち掴めない。


『そうだ。話は変わるが、実はこの面接試験でBランクの面接官は俺だけなんだ。』


確かに、この国にいる10人のB級ハンターが一堂に会することなど、本来あってはならない話だ。


『可哀想ではあるが、毎年Bランクに当たった受験生の9割は落ちる。ほかの面接は至って普通の内容だが、本当の能力について聞く試験なんてあってはならないからな。』


『9割ですか、、ちなみに今回ガイダーさんが僕の面接官を務めたのにはなにか理由があるんでしょうか。』


『理由はないさ。今年はたまたま俺が、5番の部屋にいるってだけだ。だからこそ、逆に言えばお前のような平凡な受験生からも可能性を見出すことが出来るわけだ。最後のあの重圧の中で本当の能力を喋らなかったのはなかなか出来ることじゃない。』


すると彼は天井を指さした。


『お前はもう合格したから教えるが、どの部屋にも、ここに盗聴器が取り付けられていてそこから情報が漏洩してしまう。真の能力を知られるということはこの世界では死を意味するほどに危険な事だ。ハンターとして生きていくのは普通であれば無理だろう。』


ということはこの試験に落ちていた場合、ハンターはもう目指せなくなっていたと言うことなのか。


『まぁそれだけに俺に当たって合格した奴は戦闘訓練必要無しの1発合格なわけだ。』


ガタッ


ここに来て足がいうことをきかなくなっで倒れてしまった。


『はっはっ。よく頑張ったぞ。健闘を祈る。』


『あ、ありがとうございます』


どうやら知らずのうちにかなり無理をしていたようだ。


しかし正直、まだ情報の整理がついていない。


整理がつく前に『俺の後ろにある扉の先に進め』と、ガイダーに言われるがままに進み、すると光が差し込む部屋に辿り着いた。


何か不思議な雰囲気のこの部屋は、大きく筒状の形をしており、天井から目が眩むほどの眩い光が差し込んでいる。


『よく来ましたね。』


目を凝らし、上をよく見ると金髪の女性が宙からこちらを見下ろしている。


『あなたは?』


『私はただの試験管ですよ。ここは合格者に説明を行う為の部屋です。今のところ、合格者は、そこの彼とあなたの2人ですね。全ての面接が終わり次第、あなた達に説明を行います。』


『はい。』


2人?


部屋を見渡すと部屋の隅がキラリと光った。


『ふわぁああーー。んー?』


突如、あくびと共にきらりと光っていた空間が崩れ始め、見慣れた大男が現れた。


『あなたは、ボダラ=ポール!』


『んー?お前もガイダーさんの面接クリアしたんか。えーと、、、確かセルネと組んでたやつだっけ。』


やはり俺の認知度はその程度か。分かってはいたが少しショックを受ける。


『はい。それよりもボダラさん今どこから出てきたんですか?』


『ん?あぁ、俺の岩石能力で壁作って寝てたんだよ。あんま寝てねぇから、ふわぁあ。』


周囲と同化する岩石?そんな能力普通に使ってもいいのか?


恐らく彼もガイダーさんの試験を合格したのだろう。それも含めてさすが双竜の兄だな。


『そうなんですね。』


『あぁ。』


彼は至って俺に無関心な様子を示し、それから時は経過し、結局後には誰も入室してこなかった。

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