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Tomorrow Hunt  作者: hiro
6/14

面接

5


会場は試験の3時間前だというのに既に受付が行われていた。


受付を済ませ、番号札を受け取る。


『135番か、モコモは何番だ?』


『僕は136番だんよ』


どうやら番号は受付順らしい。既に130人以上集まっているのか。


ほかの受験生もどうやらこの日を心待ちにしていたらしい。


会場には、ハンター試験用の特設ホールが設置されており、そこに受験生がゾロゾロと入場していく。


中を見渡してもセルネはまだ来ていなかった。


『時間まで外で待っていよう。』


『うん。そういえんば、卒業証書は結局受け取れたんの?』


『俺がそんなうっかりをおかすわけないだろう。』


『だよんね。』


結局、時間になってもセルネは姿を現さなかった。


ホール内は見渡す限り200人くらいいるだろうか、指定された席に着くと、シュッと明かりが消え、ステージ上にいつの間にか立っている人物にスポットライトが当てられる。


『私はネピノル、このハンター試験では進行役を務めさせて頂きます。』


『本試験は面接と戦闘の二方面からハンターを選抜します。では早速、面接を行うので自分の番号が呼ばれたら奥の面接室まで来てください。』


それから10人ずつ呼ばれていき、そろそろ俺たちの番になろうとしていた。


『セルネはどうするのかんな。』


心配そうに呟くモコモは汗をかいている。


『あいつの事だ、後で何とかするだろう。とりあえず俺たちは俺たちの試験に集中するんだ。まずは受かることだけ考えよう。』


モコモはしばらく目を閉じると、深く頷いた。


『131~140番の受験生は面接室に入室してください』


よしっ。


面接室に入るとそこからまた10の部屋に別れていた。


各部屋の扉には1から10の番号が表記されている。


『じゃあ後で。』


『うん。』


コンコン


『入れ』


ゾワァーー


ドアノブを掴んだ瞬間、ものすごいプレッシャーに襲われた。


この先に一体どれほど強大な生物がいるのだろう。想像が追いつかない。しかし湧き出るこの感情は、恐怖ではなく期待のような、、


自分でも驚きだが、ワクワクしているんだ。


呼吸を落ち着かせ扉を、開けると目の前に飛び込んできた人物はとんでもない大物だった。


『失礼します。』


挨拶できた自分を今すぐ賞賛したい。


言葉を発することに対して臆病になってしまうぐらい、その男は大きかった。


『よろしく。俺はガイダーだ。数少ないBランクハンターだから知ってるよな?』


いつの間にか能力のリミットが外れ、普段聞こえないようにしている自分の体から聞こえる音、そして相手の体の音まで聞こえてくる。


あれ、彼から聞こえてくる心音は、、


『おいおい、無視か?はっはっ。まぁ気にするな。それではライ=トーラス、面接を始める。』


慌てつつも直ぐに、能力の制限をかけ直す。


『も、もちろん知っています。よろしくお願いします。』


『俺からは簡単に3つの質問をさせてもらおう。1つ目になんでハンターになりたいんだ。』


『幼い頃に、当時あなたと同じBランクだったガイアさんに命を救われたことがあって、それが理由です。』


『Bランクの俺を前にしてどう思った。』


『とても大きな存在だと、、。』


『そうだろう。俺はまだ55だ、それにCランクには30歳でなった。世間からは天才と呼ばれてきたが、平凡なお前に俺を越せるのか。』


越えられない。〔少なくとも、今の俺には〕と思うことさえ烏滸がましく、その壁は高すぎる。


『わ、分かりません。』


必死に絞り出した答えがなんとも情けなく、歯を食いしばり、拳を強く握りしめた。


『そうか。まぁ今は仕方ないだろ。俺も元はお前のような平凡な男だったよ。努力して努力して努力して、今の地位まで上ってこれたんだ。今となっては天才としか言われないけどな。はっはっ。』


Bランクになるだけの男は何もかもが大きく、しかし彼が俺に思わせたのは諦めではなく、ハンターへのより強い憧れであった。


『頑張ります。』


『おう。じゃあ次にお前の能力を教えてみろ。』


『音を操る能力です。半径20mまでなら全ての音を拾うことが出来ます。反対にこちらから音を飛ばすことも可能です。』


『音か。俺が知ってる中でも音の能力者は、、うーん、、そういえばソフィーが音だったか?まぁなんにせよ、あまり音使いの前例は無いな。』


『はい。それでも僕は、学園内で最高のチームワークを発揮できたと自負しています。』


『チームか。なるほど。しかし、この先、この俺をも越えるのであれば、常に1人でも戦える前提で修行に励むことだ。』


『はい。』


まぁ、それはそうだな、と軽い気持ちで返事を返す。


『音に関しては自分で100%コントロールできるのか?』


『大体はそうですね。ただ完全では無いためこれから鍛えていきたいと思います。』


『そうか。じゃあこれが最後の質問だ。』


慣れ始めていたこの男のプレッシャーが重く、さらに重くなり、部屋中に緊張が張り巡らされる。


ゴクリと息を飲むと男の口は動いた。


『お前の本当の能力はなんだ?』


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