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Tomorrow Hunt  作者: hiro
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校長

寮に帰還するまでの道のりは校長のテレパシーによる誘導があったにもかかわらず、軽いパニック状態だった。


なんせ、あの天才レイジがぶっ飛ばされてきたんだ。関係者なら相手の強大さも想像できるだろう。


モコモやセルネも今頃退屈してるだろうな。


スリーマンセルでの行動を基本とする学園の教えにより、学園時代は入学時に意気投合したセルネ,モコモと班を組んでいた。


モコモも同じ寮生だが、早起きすぎるために通学を共にしたことはほとんどない。


彼は名前からは想像できない大柄な男で、裏表がなく優しい最も親しい友人のもう1人だ。


ハンターになった後も学園の班員同士でチームを組み活動するのが普通だが、学園生活最後の記念に3人で写真でも撮りたかった。


ベッドの上で寝返りを打つ


ふぁぁぁ、、、


『『ライ=トーラス君、証書を受け取りに今から校舎に来てください。』』


急に校長のテレパシーが頭に流れて、感じ始めていた眠気と引き換えに重要なことを思い出した。


『忘れてた、卒業証書。』


ジリリリリ


ガチャ


『校長から証書を受け取りに校舎に戻るので外出許可をください。』


『校長先生からお話伺いました。もう行って構いませんよ。』


お世話になった寮母さんとの会話はこれで何回目か、意識しなければ気づかない程度の彼女の声の震えに少し寂しさを感じた。


結局、さっきの騒動から4時間後の現在17時まで、警報が街を恐怖に陥れることは無かった。


国は国民に対し、今年度まともに行えなかった国葬の代わりに本日黙祷を行うという名目で、外出禁止令を敷き、どうにか事態の悪化を防いでいる。


詳しいことは分からないが校長が、まだハンターでも無い俺を1人で呼び出すってことはとりあえず安静なんだろう。


ほっ、と落ち着いている自分に気づいた。


B級が来ないことはもちろん、証書を受け取れることに安堵していた。


卒業式の次の日には最初のハンター試験があり、受験資格としてハン学の卒業証書が必要になる。


このまま受け取り延期になんてなったら他の2人と大きな差が開いてしまう。


ただでさえ、セルネは双竜の1人、モコモは虎位7位と現時点で大きな差があるのにこれ以上の遅れを取る訳には行かないからな。


『『校長室まで来なさい』』


学園に着くとすぐに校長から案内を受け、進んだ。


とにかく大きい学園の校舎だが、正面玄関から校長室に向かうまでの道のりで、職員室からの音を能力により聞き取ることが出来る。


校長室じゃなくても、教室に向かう途中にも聞こえてしまい、以前筆記や実技のテストの内容や範囲が聞こえてくることもあったが、それは意識して聞こえないようにしていた。


しかし、ほんの出来心で聞き耳を立てていると会議でもしているのか神妙な様子で話し声が聞こえた。


''B級は'魔法使い'だ。魔女、魔人絡みかもしれない''


''しかしマルクから出てこないのであれば、手間はかかるが別の狩場を開拓すべきなのでは?''


魔女?魔人?そんなの実際するのか?


ふと、頭の中にある言葉が浮かんだ。


「あんたらみたいな一般人には開示できない情報がこの世界にはわんさかあるんだよ。」


マキア先生から階級のシステムを聞いた時、こうも言っていた。


自分に不釣り合いなことはしないのが俺のモットーであり、それに従いこの話は聞かなかったことにしようと決めた。


『失礼します。』


『よく来たね。式では災難だったね。』


『はい。』


『改めて卒業おめでとう。』


『ありがとうございます。』


校長室に入ると、余計なことを喋る隙もなく、あっという間に証書を渡され噛み締める間もなく校長室をあとにしようとすると、校長から予想外の一言が飛びだした。


『ここで聞いた事、他言はしないようにね。』


『僕の能力の範囲はそんなに広くありませんよ。』


校長の能力は一方的にテレパシーを飛ばす能力であり、こちらの感情は知ることが出来ないはずだが、校長にも隠している能力があるのだろう。


俺も、本気を出せば半径100メートルまで音を飛ばしたり、捉えることが出来るが、念の為に20mやそこらだという認識を外部には持たせるようにしている。


冷静に返答し、校長室を出た。


だが心を読む能力がもしあるとしたら、他人の能力を全て知ることができるし、モンスターの思考も理解出来るため攻撃回避が容易になったりと、強力すぎるため校長という役職に収まっているのが勿体なく感じてしまう。


まぁ色々考えても無駄だろう。セルネと一緒だな。


宿に着く頃には辺りは暗くなっていた。


部屋に戻り明日に向けて準備を済ませると、少しの間、職員室での会話を思い出していたが忘れなければならないと目を閉じる。




、、、ガチャ


玄関が開く音が聞こえる。


ん?こんな遅くに誰だ?


起き上がるのが面倒なので、能力を使い足音を聞きわける。セルネやモコモなら足音が判別できるからだ。


これは、セルネ?でもなんでまた、


しかし、襲いかかる眠気と明日のことを考えると、聞き違いのような気がして再び眠りについた。


ただただ先の展開が自分で楽しみです笑笑


技術アップに務めたいと思いますm(__)m

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