第九話「まぁ、いいか...」
「これはきっと夢なんだ...」
俺はどこまでも続くフロアで一人泣き叫ぶ。
「どうして、俺は友達一人も守ることができないんだ...」
俺の前には零奈が死んだ姿がある。
零奈の頭の上には文字がある。
ーDEADーと。
つまり、死んだ。体力が無くなって。
「あの時、どうして俺はカバってやることができないんだ...」
「だったら、だったら.....」
「俺が先に死ねば良かったんだ!!!!どうして俺なんかが生き残った!!!どうして俺なんだよぉぉぉぉぉ!!!!!!」
どこまでも続くステージの中で俺の声がどこまでも響いている。
そう、俺は仲間を守りきれず、助けてあげられなかったんだ。
何故、そんなことになったのか。
時は数時間前に戻る。
「和司~!おっまたっせ~!」
「おっ、来たか!」
零奈がこちらに手を振りながら笑顔で走ってくる。
今日はSOQの最新のイベント。
あの有名なお方の作品のような体験が出来る。つまり、デスゲームを実際に体験できるということ。
それだったら、蘇るんだし、デスゲームとは言わなくね?って話になるだろう。
HSVRは精神などを取り込んでいるため、相手の心なんて簡単に変えられる。
つまり、デスゲームのような記憶を突っ込めるということだ。
もちろん、イベント中はあのデスゲームそっくり、ログアウトボタンがない。つまり、クリアするまではこのイベントを終了することが出来なくなる。そして、死んだらチームが全滅か、クリアするまでは復活できないのだ。
今日は零奈と俺の二人っきり。
雅人は親と飯行ってくる。と言って、いない。
つまり今からこのイベントに二人で参加するということだ。
「さて、始めるか。」
緊張する雰囲気の中、参加するというボタンをタッチする。
そう、これが俺の最悪の出来事を起こすことになる。
ボタンをタッチすると、眩しい光が俺と零奈を包む。
シュゥゥゥ...という音と共に光は消え、どこまでも続くステージが目に入る。
このゲームはどうすれば、クリアなのか。それは、この奥が見えないほど暗い道を敵を倒しながら、進んでいくことでクリアとなる。
ガチ勢の奴らならばおそらく、50分程度でクリアできる。
そう、このステージはものすごく長いということだ。
「さて、進むか...」
「うん...」
そういって一歩を踏む。
すると、頭の中が一気に変わるような感覚になった。そう、これは記憶を書き換えているのだ。
これにより、相手の思考は変わる。仲間を、自分を守りたいという気持ちになるのだ。体力が無くなれば、「死ぬ」からだ。
俺は記憶を書き換えられ、先に進む。その気持ちはさっきとは全くと言っていいほど変わった。
進んでいくうちに敵の声が聞こえた。
俺は背中に背負っていた剣を抜き、敵のいる方向に剣を向ける。
すると、敵が現れた。
ゴブリン、大男などのちょっとした雑魚モンスターだ。
俺のレベルは現在29。零奈は24だ。
防御、攻撃のステータスを重視にしているため、バランスが良い。
さて、片づけるか。
俺は全力で走り、ボムを投げ、そして、剣を振る。
「残念だったな。お前の来る場所はここじゃねぇんだ。」
すると、ボムが爆発、さっき発動させた技により、敵が消えていく。
俺の選んだ職業はソード。主に剣を扱う職業だ。
零奈は魔法使い。主に魔法を扱う職業だ。魔法重視のため、MPが他の職業とほぼ2倍になっている。
進んで行くに連れ、敵は強くなっていく。
情報によれば、クリア前に出てくる敵のレベルは80。
俺じゃ勝てやしないレベルだ。
だが、俺はクリアしてみせる。
気がつけば、ステージは半分を過ぎていた。
「キェエエエエエ!!!!!」
中間ボスが叫ぶ声だ。
敵は暗闇の中から姿を現す。
敵のレベルは40。
そして俺のレベルは32。
頑張れば倒せる。
俺は全力で走る。そして、剣を抜き、頭を狙い、切る。
ザクッと音が鳴る。
俺は全力で切り続ける。これは技である、「シリッシュ」だ。
連続で切り刻んでいく内に相手のHPは減り、最後に必殺技。「フラッシュボム」だ。
相手を光でくらませ、目が見えない時に大きな爆発をして、一気に相手を倒せるかなり良い技だ。
大きな爆発が起き、敵は塵となって消えた。
進むと、敵が現れる。
しかし、今までのパターンと違う。
高いレベルのモンスターが大量に襲いかかってくるのだ。
俺のHPはMAX。だが、MPは少なく、あまり役に立たない技しか発動することが出来ない。ここからは、自分のスタミナが重要になってくる。
一方の零奈はHPがおよそ6分の1でMPはあまりない。つまり、もう杖でつつくなどの攻撃しか出来ないという事になる。
もう全力で行くしかない。
俺は真剣な顔で全力で挑む。
すると、敵はすばやく俺たちを囲んだ。
そして、一斉にかかる。
俺は近い奴から切って倒していく。
「やめて!来ないでよ!!」
零奈の声がした。
零奈は敵に迫られている。そして、切られHPが減っていく。
俺は急いで助けに行く。しかし、背後をとられ、敵の剣が振り降ろされる。
「ぐはぁっ!!」
背中にダメージが当たり、俺は倒れる。
HPはもう少なく、敵から攻撃を食らえば、
ー死ぬ。
敵が剣を上から下にへと振り降ろす。
もう覚悟をして、目をしっかりと閉じる。
すると、前に零奈が走ってきた。
そして大の字になって俺を庇い、ダメージを食らった。
零奈は後ろに顔を向け、俺に泣きながら笑顔で
ーーー「ありがとう、今まで一緒にいて楽しかった」
そして、零奈は倒れる。
俺はあまりの悔しさのあまり、
「くそっ...許さねぇぞ...てめぇらぁ...零奈の仇は俺が取る!!!」
そして、敵をどんどん倒し、零奈の側に行った。
そして、
「くそっ!!どうして俺なんかを庇ったんだよ!!!!!」
俺は大声を出して泣き叫ぶ。
「どうして俺を庇ったんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
死んだ零奈の前で泣き叫ぶ。
もう零奈には会えない。
この世界で死ねば、向こうでも死ぬ。
俺は泣くことしか出来なかった。
そして、零奈の体は塵となって消えていく。
「安心しろ。すぐに仇は取ってやる。お前の気が済むまでな!!」
俺は全力でクリアの方へと走る。
敵を倒し、ついにラスボスが現れる。巨大な体がこちらを襲ってくる。
情報通り、相手のレベルは80。俺のレベルは48。
いちかばちかやるしかなかった。
「俺はお前等を許しはしねぇ.....零奈がどれだけ苦しんだか、てめぇらにはっきりと教えてやんよぉぉぉぉ!!!!」
敵は剣、魔法、銃を使い、攻撃してきた。だが、俺には通用しない。
そんな物で俺を倒せる思ったら大間違いだ。
剣を振り降ろす。
そして、敵は倒れ、塵となった。
そう、新しい究極必殺技。
「クロスタイム」だ。
時間を止め、相手に攻撃を与えられる技。持続できるのは最大で5分。つまり5分以内にラスボスが倒せる程のダメージを与えた。
そして、ミッションコンプリート!!!と文字が目の前にある画面に映し出される。それと同時に俺は元に戻り、デスゲームの記憶ではなくなり、元に戻った。
そして、俺の部屋にへと、場所が変わる。
「和司~~~~!!!!!大好き!!!!!」
「えっ?はっ?」
俺はあまりの動揺につい思っている事が口に出てしまった。
零奈は俺に抱きつき、強くを俺を抱き締める。
「痛い痛い!!苦しいって!!!」
俺は零奈を離す。
「画面から見てたんだ!!和司が泣いてて、私のために頑張ってくれてるところ!!」
「えっ?マジで...?」
「死んだ後、目の前が明るくなってここに来たんだ。そして和司がどんなのかなぁって画面から見てたの!!」
「ええっ!?うわ、なんかすごく恥ずかしいんだけど!!」
「私和司の事が大好きになった!!」
そして、もう一度零奈は俺に強く抱きしめる。
まぁ、いいか...そう思い、零奈の頭を撫でる...
どうも!わくさんです!
今回はあのマジで有名な方の作品をイベントとして、話を書かせていただきました!!!
なんかすみませんでした!!m(__)m
いやぁ、書いてて楽しかったでしたw
また、こういうようなイベントを作って、話しにしていこうとおもいますので、よろしくお願いしますw(*^ω^*)
ここまでご愛読していただき、ありがとうございました!
ではまた次回お会いしましょう!