第八話「和司~会いたかったよぉ~(^_^)/」
前回のあらすじ。
俺は女の子になっていた。
以上。
俺は女の子になった体を見渡す。
この体完全にロリじゃん...
ん?待てよ?
ここである事が引っかかった。
この体って確かあのゲームで設定したよな...
っていうことは、向こうの世界で設定すれば現実の方でも変わるって事か?
だとすれば、メニューが開けるんじゃね?
右手で人差し指を立て、上から下にへとなで下ろす。
そう、俺の目にはあのゲームのメニュー画面が出てきていた。
「どういうことだよこれ...」
メニュー画面にはステータス、装備、キャラ設定、オプションなどの項目があった。
「これか?」
項目にあるキャラ設定をタッチし、元の体という項目をタッチした。
すると、目の前が眩しい光で包まれた。
目を開けると、元の自分の体に戻っていた。
ふと、時計を見る。
現在の時刻は7時32分。学校が始まるのが8時10分。
これはほぼ遅刻だ。
「うおぉぉ!!!やべぇ!!」
慌てて朝の支度をした。
自分の体が女の子になって、驚いていた時間を後悔した。
マンションの部屋の中でドタバタという音が鳴り響く。
そして、急いで部屋を出て、鍵を閉め、エレベーターを降り、駐輪場へ行って、チャリを出して、通勤を始める。
まだ8月中だというのに、日本は勉強不足か何だか知らないが、夏休みが少し少なくなっているため、この猛暑日の中、学校に行かなければならない。
ほんと、どこのどいつがそんなことしやがったんだ...?
そんな事を思いながら通勤をする。
ガラガラ。
クラスのドアを開け、余裕感を出してクラスに入る。
時刻は8時7分。超ギリギリだった。
スッと席に座ると、背もたれをする。
「ハァァァ...」
大きなため息をつき、授業を受ける。
そして、昼休み。
俺は、屋上に行って、昼飯を食べる。
もちろん、朝急いで作ったおにぎり弁当。
誰もいない広い屋上の所でふと思いついた。
(ここで女の子の姿になってご飯を食べてたら誰か気がつくかな...)
人差し指を立て、上から下へなで下ろし、メニュー画面を開く。
キャラ設定で女の子に変える。
眩しい光を放ち、体が女の子になる。
弁当箱を開け、おにぎりを食べ始める。
俺の今座っている位置は屋上の出入り口の反対側。
屋上にはほとんど物が無いため、来ようと思えば誰でも簡単に行ける。
あぁ、女の子の姿って何故かすがすがしくなるなぁ...
ガチャ。
屋上の出入り口の扉が開く音がした。
トコトコ。
二人位の人数が歩く音がしている。
ピコーンピコーン。
頭の中でそんな音が聞こえた。
メニュー画面を開くと、マップという項目がオレンジ色に光っていた。
タッチをすると、そこにはプレイヤーの名前が書かれていた。
という事はこの二人もあのゲームのプレイヤーという事になる。
(こっちに来るのかなぁ...)
と思い、待っていると来た。
「あっ、こんな所にいたのかよ」
えっ?俺は今女の子の姿をしている。
なのに、プレイヤーである女の子にバレた。
「えっ、えーっと、どちら様でしょうか?」
とりあえず、話しかけてみる。
「あれ、もう忘れたのかよ。俺だよ俺。東上雅人だよ。」
「えぇ~!?」
本日二回目の驚きが出た。
そしてその横にいるのはあの津軽零奈がいた。
「なら、俺が東上雅人という証をみせようか?」
彼はメニュー画面を開き、女の子の設定を男子に変える。
すると、彼は元の姿に変わった。
「なるほど、お前も女プレイヤーだったのか...」
「おいおい、何故落ち込む。お前だってそうじゃねぇかよ」
(仕方がない、元の姿に戻るか...)
そう思い、元の姿に戻る。
ん?確か零奈もプレイヤー表示だったはず...ということは零奈もSOQを持っているという事か?
「和司~会いたかったよぉ~(^_^)/」
そんな言葉が俺の頭の中で起こる。いや、違う。これはメッセージだ。
という事は...
おい待て、どういう状況だ?
小説なら伝わりにくいかもしれないが、今、零奈が俺の方向に向かって笑顔を抱きつくポーズをし、こちらに向かっている。俺はこの時どうすればいいんだ?
このまま受け止めるべきか、それとも避けるか。
どっちかの選択が俺の頭をよぎる。
そこで、ふと雅人の顔を見る。
彼は、左手を腰に当て、仕方ねぇなぁ...と言わんばかりの顔をしている。
仕方ない、受け止めるしかないかぁ...
そう思い、驚いたリアクションをする。もちろん最初の顔。
「ぐはぁっ!!」
零奈が俺に抱きつき、その衝撃で俺が倒れる。今、この状況はR18になるのか。それともギリセーフなのか分からない。
零奈が俺を押し倒し、零奈は腰を犬が興奮したときのように振り笑顔で俺の体に顔を擦りつけてくる。
一方俺は、最初の驚いた顔のまんまだ。
(あれっ?俺と零奈の関係ってただのクラスメイトじゃないのか?)
そんな事を思う。
零奈は顔をこっちに向けキスの顔をし、こちらに顔を寄せてくる。
これは、下手すればR18レベルになる。
俺はR18になることを防ぐため零奈の方を掴んだ。そして、左に転がす。
「きゃあ!!」
何で俺が加害者みたいな声を出すんだ...
「もしかして、和司ってSなの?」
頬を赤くして、こっちを見てくる。
「よし分かったよく聞いてくれ。俺とお前の関係はただのクラスメイトだ。しかも出会って10回も経っていない。俺に抱きつくのであれば俺と仲の良い関係を築きあげてからさっきの行動をしてくれ。」
もう、何言いたいか分からねぇ...
零奈に長話をしたところで昼休み終了のチャイムが鳴る。
「あっ、次の授業って確か、あの数学の先生の授業だぞ。急ぐか。」
あの先生とは、もう完全にロリだろなんてツッコミを入れてしまいそうに鳴る先生だ。小さい小柄なのに俺らより頭が良いのは少し気が引ける。
仕方ない、教室に戻ろう。
そう思い、屋上の出入り口に向かう。すると、零奈は俺の腕にくっつく。
(はぁ...こいつ、言われても諦めないタイプだったのかぁ...)
どうも!わくさんです!
本日は少々長くしました!いつもは短いのでw
女の子に抱きつかれるとか現実じゃ考え切れません!w
次回はSOQの中で三人が合流し、いよいよ本番スタート!という感じです!
では、またお会いしましょう!