第十三話「こんな終わり方で終わらせてたまるかよぉぉぉ!!!!」
バグで現れたモンスターは見えない速度で移動する。
「くそっ...どうしてこんな事になったんだよ...」
弱音を吐いていれば殺される。
だから全力で、死ぬ気で戦うしかない。
とにかく今は集中...
「はっ!!」
とある事が頭の中にぱっと思いついた。
(魔法を使えば出来るかもしれない!!)
そう思い、メニューを開く。
「!!??」
自分の目の前に表示されたメニューはいつもと違う。
文字が読めない。
「濡 ..,ッ美枝雄...」
これは文字化けだ。
バグった時などにある現象の一つ。
まさかここで発生してしまえばどうしようもない...
何とか頑張ってアイコンを頼りに選ぼうと思い、タッチするが、
反応しない。
完全に固まってる。
つまりこの先は進めない。
もう自分の実力だけで戦う事になるのか...
メニューを閉じ、背中に刺していた剣を抜こうとした瞬間。
「グルルル...」
後ろからモンスターの声が聞こえる。
そして次の瞬間にモンスターはうめき声をあげ、俺に襲いかかる。
「やばい..死ぬ...」
ドーン!!!
大きな一撃を食らい、体力がかなり削られ、黄色ゲージになる。
(完全に隙を狙われてたか...)
気づかなかった自分を責めようとするが今はそんな時間はない。
「一分でも早くここから抜け出していつもの生活に戻らなければ...」
今の生活を失いたくない。
今が楽しいお陰で今の自分がある。
ならば恩返しといってはなんだが、俺の周りの人間に有り難うの気持ちを分けてやる!!
絶対に、死にやしない!!!
一歩踏み出すと、猛烈な速さで移動し、相手が戸惑っている所を狙う。
(よし...なんとかHPは削れてるな...)
今の調子ならいける。
相手に読まれないように、パターンを変えていく。
今の状況で攻撃を食らえば終わりだ。
今の生活とさらばになる。
嫌だ、嫌だ嫌だ!!!
せっかく出来た友達、仲間、恋人、そして家族!!
決して失ってたまるものか!!!
先程より、目にも止まらぬ速さで攻撃する。
バグで強化したモンスターの何倍もの速度で移動し、攻撃する。
相手のゲージがついに赤に到達する。
また回復するのか?...
いや、その前に攻撃して...
森の木と木の間から出てきて、大きく剣を振りかざす。
「あっ...」
ついに相手に姿を見られ、体が一瞬固まる。
その隙をとられ、大きな手で捕まえられ、力強く握られる。
もう俺のゲージはさっきの大ダメージで黄色。
つまり次の攻撃で俺は死ぬ。
こんな距離で攻撃されれば間違いなく終わるだろう。
死を覚悟し、俺は目を瞑る。
するとモンスターは大きく口を開け、喉奥からは火の玉が見える。
もう今更抵抗したって無駄だ。
皆、有り難う...
俺は情けない気持ちでいっぱいで涙が流れる。
「俺は皆ともっとずっと一緒に居たかった!!だけど今日お前のせいで全てが終了する!!だったら!!皆に有り難うだけ言わせてくれないか?...」
目が熱くなり、意識がだんだんと消えていくような感じがしてきた。
「どうしてこんな終わり方で終わらなきゃいけないんだよ!!どうして...」
もう下を向いて泣き叫ぶことしか今出来ることはない。
そしてモンスターの喉奥の火の玉が大きくなり、今にも出てきそうになると、俺は前を向き、泣きながら言った。
「最後はせめて皆の顔を見てから終わりたかったな...」
放たれ、体中が暑くなり、もう最後の一粒の涙を流す。
そして俺は目を強く閉じる。
すると、辺り一面が白い背景にへと変わる。
「あれ..ここは一体?...」
辺りを見渡し、一歩足を踏み出すと、また始まりの地の場所に戻っていた。
三人とも俺と同じようなくしゃくしゃな顔。
三人とも同じ出来事が起こってたのか...
「あれ?...皆?...」
零奈が二人の顔を見る。
二人の頬を触ると膝を落とし、泣き崩れる。
「皆...生きてたんだ...良かった...ものすごく.....嬉しいよぉぉぉ」
零奈は大きな声で泣き始める。
「ま、まぁ...落ち着いて?...生きて帰れたんだし...」
俺がなんとか周りの雰囲気を変えようとする。
「う..うん...ぐすっ..」
なんとか零奈は泣き止むと俺に抱きついた。
なんだかとても暖かくなれた気がする。
そして目の前にメッセージが表示された。
ー[運営からのお知らせ]
この度は【始まりのダンジョン】にて突然謎のマップにテレポートしてしまうバグが発生してしまった事をお詫び申し上げます。
バグが発生してしまったプレイヤーには【経験値+1000000XP】をプレゼントさせていただきます。
そう書かれたメッセージを閉じるとレベルアップの音が流れる。
自分のレベルが102になっていた。
「さて、美味しい経験値も稼げたし、帰るか、」
俺は零奈を背負い、東上とは横に並んで一緒に帰る。
「相変わらず、二人の仲は恨むほどいいな」
「なんだよ、お前だって学校のクラスのトップじゃねぇか」
「そんなのより、二人の仲の方がよっぽどいいと思うがな」
「それはありがとな」
「どういたしまして」
こんな生活、絶対にやめなんかしない。
いや、
ーさせてたまるものかよ。
そして俺は夕暮れの中、三人で仲良く帰っていった。
今回はずっと足が痺れながらの執筆で疲れました((
足に置いて痺れ太股に置いて痺れを無くしてまた足に置いて現在も痺れた状態ですよとほほ...(
今回は感動系に仕上がりました!!
自分も最初こんな感じを書こうとは思ってなかったのですが気がついたら本文のように...()
次回はまたいつもの生活に戻ります!!
今回の話が面白かったらレビューや感想等お願いします!!
次回もまた会いましょう!!




