第十二話「バグ」
数ヶ月以上投稿出来ず、申し訳御座いませんでした。
諸事情により、投稿出来るような状況ではなかったため、投稿するまでに間が空いてしまいました。
楽しみに待ってくれていた方。
本当に申し訳御座いませんでした。
始まりの地を出て、少し歩くと音声で情報が流れ込んできた。
「ここは始まりのダンジョンです。新しいアップデートにより広大な...」
「スキップ」
すると、音声がパッと消えた。
初心者用やらなんやらで[音声ナビ]が追加された。
実はこれも声が変えられるって...俺の学校と何で似てる部分があるんだよ。
試しに森の中を探索しながらマップを見る。
(あれ..おかしい...)
さっきまでは始まりのダンジョンに居たのに何故かマップ外からはみ出てる。
バグか?...
とりあえず辺りを見渡してみるが、気がつけば夜になっていて周りがよく見えない。
「あれ、二人とも?...」
さっきまで一緒に居たと零奈の姿が消えていた。
バグであれば直ぐに運営が気づいてテレポートさせてくれる筈だがなかなか反応がない。
「寒ッ!?...」
急に体温が下がってくるのを感じ、装備からもふもふのジャンパーを着る。
前回言ったとおり、様々な所が現実と似ているため、体温まで感じられるようだ。
寒くなってくるのを感じ、なんとか転移石を使おうとアイテム欄を確認する。
転移石を出し、
「始まりの地へテレポート!!」
…反応が無い。
待てこれ凍死するんじゃないか?...
ガサゴソ...
正面から音が聞こえた。
「人か?!おーい!!助けてくれ...」
人ではなく、モンスターで[ジャイアントクロック]。
簡単に例えるなら雪男だ。
えーっと、これってオワタかな?
今は転移石も使えない。ただ戦って運営が見つけて転送してくれるまで戦い続けるしかなさそうだ。
腰に刺していた剣を抜き、戦う構えを取る。
(とにかくいちかばちか戦うしかない。奇跡的にもバグでおかしくなっているのはマップの位置だけ。
つまりHPやMPがかなり少ない状態とかではないと言うことだ。)
今まで数多くのモンスターを倒してレベルを上げたりして強くなってはいるが、
正直、もしかしたらバグでもの凄く強くなってしまっている可能性がある。
運が悪ければ即死。運が良ければ一桁のダメージ量で済む。
-!!?
普段ならモンスターの上にモンスターの名前とすぐ横にレベルが書いてある筈だ。
しかしバグのせいでレベルが見えない。
それどころか名前すら文字化けしておかしくなっている。
(どうすればいいんだ...)
俺一人とモンスターの空間でどう生きればいいか分からない。
そんな事を考えてぼーっとしていると遂にジャイアントクロックから動き出し、襲いかかってきた。
(はっ!?)
急いで避けると共に有ることを思いついた。
レベルの低いモンスターは地面に攻撃を与えたとしても微動だにしない。
しかし高レベルなモンスターであれば大きな穴が地面に空く。
メキメキ...
どうやら俺が避けてモンスターの持っていた棍棒が地面に当たる。
つまり今のメキメキは地面の地層にヒビが入った。
という事はこいつは40~60レベルのモンスターだと言うことが分かる。
ならば、全力でいけばこの試合、勝てる!!
俺は勢いよく走り出し、右足の爪先でジャンプし、大きく剣を振りかぶる。
見事に頭を切り裂き、大ダメージを与える。
モンスターのHPを見ると減っている。
これなら勝てる!
もう既にモンスターのHPが赤ラインになっている事に気がついた。
(よし、最後は大技で...)
と思い、足を一歩踏み出した瞬間だった。
モンスターのHPが満タンになったのだ。
このモンスターは回復するような物とかは持ってないはず...だとしたらバグだ。
バグは一体なにが起きるか分からない。
ここで死ねばリアルで何が起こるか分からない。
だからここは死ぬ気でも頑張って戦うしかない。
また一歩踏み出すと、モンスターが消えた。
(まさか...速度が上がってる!?)
ジャイアントクロックは名前の通り雪男。
大きい体つきで速度のあるモンスターではない。
なのに...これもバグだっていうのかよ...
もうこんなチートみたいな戦い勝てるはずがない。
圧倒的に相手が有利だ。
俺にも有効なバグがあれば...
俺は勝利を願うことしか今は出来なかったんだ。
実は少しこの話続けようかなと思い、伸びてしまいました((
あとBパートは近日公開させて頂きます!!(唐突
バグってなかなか無いから起こったとき驚くんですよね...(
次回、果たして和志に勝利は訪れるのか!?
ここまで読んで下さった方有り難う御座いました。
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次回もまたあいましょう!




