第十話「アッー♂」
「♪~」
俺の横で楽しそうに鼻歌を歌っているのは零奈。
俺は零奈と付き合うことにした。(9話参照)
そして今日がいきなりというものなのか、初デート日だ。
まさかのSOQの中で。
「おいおい、初デートなら普通リアルでするもんじゃないのか?」
「だってリアルは町までかなり時間がかかるでしょ?だからここってわけ♪」
あぁ、なるほど。
つまりこいつ面倒くさがり屋か。
まぁ別にいいけど。
俺と零奈が恋人繋ぎをして歩いているのが「商店街エリア」だ。
名前と意味は変わらず、レベル関係なしに誰とでも行ける場所だ。
俺らは前回の戦いでかなりの経験値を得たため、強そうな武器が買えるようになっている。
俺と零奈は町中にあるショッピングセンターに入る。
「ハッ!!」
零奈が叫びかけた口を強く手で押さえる。
そこには、服、武器の他に髪型、アクセサリー、キーホルダーなどが販売されていた。
零奈は服の方に走ったり、アクセサリーや可愛いグッズなどをキラキラした目で見ている。
一方の俺は武器。
銃、剣、弓、杖など、とにかく威力重視に見た。
ひとまず、買い物を終え、このショッピングセンターのマップを確認する。
この建物は3階建てで、武器、アイテム、ゲームセンターの3つに分かれている。
もちろん、次に向かったのが2階のアイテム。
回復ポーション、強化ポーションの他に普通の料理などが低価格で売られている。
実はこのショッピングセンターは今回のアプデにより、追加された場所なのだ。
そのため、開店セールのおかげで低価格で商品が売られているという訳だ。
「んー、ねぇ、和司はどんな食べ物が好きなの?」
零奈が食材の所で悩んでいる。
「んー、そうだなぁ...普通にカレーとかかな。」
「へぇ~意外。てっきり海苔弁が好きなんだと思った。」
「どうしてだよ?」
「だって、和司、いっつも食堂で海苔弁食べてたから...」
海苔弁を食っていたのはいろいろな事を節約するために一番低価格でおいしいから食っていた。
っていうか、いつの間に見てたんだ?
「ん?待て、俺は確かにいつも海苔弁を食べているが、今までお前の姿は見たこと無かったぞ?」
「え?私いっつも和司の近くで食べてたんだけど...」
嘘、だろ...?
確かに食堂にはいつも女の子がいた。しかし、零奈の姿を知っているのにも関わらず俺は気づいていなかったというのか!?
俺はあまりの鈍感さにorz見たいなポーズになる。
「ちょ、大丈夫!?」
「あっ、あぁ、大丈夫。」
零奈が手を差し伸べると俺はその手に捕まり、ゆっくりと立ち上がる。
「今日の晩ご飯どうしたい?」
「んー、じゃあカレーかな。」
零奈はうん!分かった!!と言ってカレーの食材を買う。
(俺ってこんな子と付き合ってるんだなぁ...)
そう思い、次は3階のゲームセンターに向かう。
「ねぇねぇ!!あれやろうよ!!」
目を光らせ、指を指しているのは、リアルのゲームセンターにもある「リズムの達人」だ。
名前の通り、曲のリズムに沿って、流れてくる音符をしていされた場所に叩くというかなり簡単なゲームだ。
実はこのゲーム、俺がかなり昔からやっているゲームで、腕前もそこそこだ。
200W(このゲームの単価)を投入し、ゲームを始める。
モードは対戦、協力の二つに分かれている。
「ふふ~ん、実は私このゲームのガチ勢なんだ♪」
「へぇ~、そうなのか。俺は前に少しやったくらいだからあまり上手くはないが...」
「じゃあさ!対決しようよ!勝った方が何でも言うことを一つだけ聞く。で、いいかな?」
「おいおい、お前がガチ勢だったら俺が負けるに決まってるんじゃん。」
「いや、ガチ勢って言っても最近始めたばっかだから鬼も出来ないの。」
あぁ、なるほど。これはすぐに決着つくパターンだな。まぁいい、やってやるか...
「ところで、難易度はどうするんだ?」
「んー、じゃあ鬼で」
「おいおい、お前さっき鬼出来ないなんて言ってなかったか?」
「いいの!!じゃあ、★9で...」
鬼の★9となると、かなりとまでは言わんが、そこそこ難しい。
そして、対決。
結果はもちろん圧勝。
「うぇーん、和司に負けたぁ...」
近くにあったベンチで零奈がうずくまって泣いている。
「おいおい、所詮はゲームだろ?」
「だってぇ、まさかあの複合でコンボ崩すとは思わなかったんだもん...」
やべぇ、何かすげぇ可愛いんだけど。
「じゃ、ということで何でも言うことを聞く。な?」
「う、うん...」
零奈は顔を上げて、袖で涙を拭う。
「んーとじゃあ...」
やべぇ、さっきまで思いついていた事が一気に真っ白になった。
仕方ない。もうここはあっちに譲るかぁ...
「じゃあ、零奈に譲るよ...全然思いつかないからな...笑」
「え!?いいの?やったぁー!!」
さっきまでの涙が無かったかの表情が変わる。
「じゃあ、キスして!」
は?待て待て、付き合ってまだ一週間も経ってないのにそんなッ!!
俺は零奈に体を押し倒され、キスをする。
「ッ~~!!」
俺はもがくが、全く離れようとしない。
もう俺は頭の中が完全に真っ白になった。
あぁ...女の子ってこんなに良い匂いでこんなに可愛かったんだ...。
いかんいかん!!と、そんな事を思っている自分の心を振り払い、俺は零奈を離す。
「え、もしかして、終わりにするの?...」
零奈は困っている表情をする。
「はぁ...分かった。続きは俺の部屋でしようか...」
んー、これって18禁になるのか?...
俺と零奈は恋人つなぎをして、俺の家の部屋に向かう。
「はぁ...疲れたー。」
俺はベッドに飛び込んでため息をつく。
ガチャ。
俺の部屋の鍵が閉まる音がした。
あれ?この展開ってまさか...
「ねぇ...和司。●な事しy...」
俺は急いで目と耳を閉じる。
この状態が続けば確実に18禁となる。
俺はゆっくりと目を開ける。
「ッ~~!!?」
零奈は完全に全裸。しかし、何とか昼間の日差しのお陰で急所は隠れているが...俺からは完全に全裸状態が見えている。
「えーっと、零奈?お願い事って一つだけじゃ...」
零奈は走って俺に飛びつく。
「これは別にゲーム関係なしなの!!さぁ、私と●な事しよ!!」
零奈は俺のズボンを脱がそうとしている。
いくら何でもこれ以上は...!
「退散や!」
俺は急いでベッドから抜け出し、部屋の鍵を開けて家を出る。
ん?
頭の中からメールの通知音が流れてくる。
零奈からのメールだ。
[和司逃げないでよ!じゃあ、私和司のリアルの部屋に行くから!!]
...。
えぇ~っ!?待て待てどうしよう!?
今はゲームの中、ログアウトをしない限りリアルの体は動かせない。
いやでも、さすがに...
そう思い、メニューを開き、フレンド一覧を見る。
あっ...(察し)
あいつ、ログアウトしてやがる...
リアルじゃ何が起こってるんだ?
俺は恐る恐るログアウトする。
リアルに戻り、ふと体を見る...
「えへへ~、今日は絶対に逃がさないんだからね!!」
あっ、オワタ...\(^o^)/チーン
俺はもう完全にアウト状態だった...
(あぁ...どうしてこんなことに...)
俺は心の中で泣いた。ただひたすら。そして、俺は零奈にやられるだけだった...
アッー♂
続く...
ども!わくさんです!
今回は零奈とデートという事でデートのお話を出させていただきました!
いつもより頑張った気がする...\(^o^)/
ちなみにあの後、完全に和司はチーンという状態になりました(((
何とか18禁にならないようにと...頑張りましたw
無いと思うけどアニメ化されたりしたら完全にアウトだよな...
ちなみに話の途中に出てきたリズムの達人ですが、完全にあのゲームの内容などをパクりました((名前だけ変えた。
主はブルー金五段の腕前ですけど...
あの話、圧勝っていうのは全部フルコンしたということになってます((
ちなみに、海苔弁の所は実は間違えてカツ丼にしてました(テヘペロ★←
今回、二つのヤバいことを話に出させていただきました...((((オイ
次回は久々に雅人を出そうかと...(;^^
お楽しみに!!次回もまた呼んでいただけると幸いです!
良ければ、感想•レビューよろしくお願いしますm(__)m
ここまでのご愛読、どうもありがとうございました!
また次回お会いしましょう!!(この終わり方定番になったようn...((殴




