進化論の可能性
現在はミトコンドリアDNAの研究により、単一起源説が主流であり、およそ6万年前にアフリカから出発した100名程度のホモ・サピエンスが世界中に広がったと考えられています。
無論、アフリカだけでなく世界中あらゆる地域で、現生人類が独自の進化をとげており、その中には、ホモ・サピエンスと同等かそれ以上の集団社会を形成し、高度な石器を使い、肉体的にも大きく上回る能力を有している種族も存在したのですが、ホモ・サピエンスの生息地域拡大と共に衰退し絶滅していったのです。
なぜ、我々人類が、彼らとの生存競争に勝てたのでしょうか?
長らく人類の高い知能のためであると考えられてきましたが、そうではなかったのです。
DNAの研究により、ヨーロッパやアフリカ北部に住む人類に2%ほど、ネアンデルタール人のDNAが混ざっている事が分かりました。人類の生息地域が拡大すると共に、絶滅した種族と交配が行われていたという事実です。これにより、ネアンデルタール人も人類の祖先とされることになったのですが、このDANの混ざり物を調べて行くと、ヨーロッパ、中東から東南アジア、中国からロシアと、いくつかのグループに分かれている事が分かりました。人類は、絶滅した現生人類と交配していたのです。
血液型についてご存知でしょうか?
A,B,AB,Oに分けられるABO型の他に、Rh因子によるプラスとマイナス血液型が存在します。
Rh+である場合は、両方の血液を輸血する事が出来ますが、Rh-であった場合、プラスの血液を輸血すれば命に係わり、Rh-の女性がRh+の胎児を妊娠すれば、病気や流産の原因になるとされています。
つまりは、同じ人類でありながら血液型の差違により、マイナス側だけが一方的に不利益を被る関係なのです。
何故人間が、この様な構造に進化したのか。
各地の現生人類が生息地域を拡大するにつれて様々な人類と交配していった結果、他種族を一方的に駆逐してしまうホモ・サピエンスだけが生き残っていったのではないでしょうか。
力でも知恵でも他の人類に及ばなかった現生人類の唯一の取りえは性行為であり、そして妊娠・出産をする女性が最も危険にさらされるために、女性から遺伝するミトコンドリアDANがミトコンドリアイブまでさかのぼれると言うのも、そこに起因するのかもしれません。
交配しても絶滅しなかった種族や突然変異体が居なかったとは言いきれず、各地の神話に残る神々との混血や性に関する悪魔といった記述は、私達人類の事であるのかもしれません。