幻想小説の象徴的表現
創作物には、様々な作者の潜在意識・無意識化の象徴的表現が含まれております。
どのような小説にでも登場する当たり前の単語に、時代や文化を超えた恒常的な固定的意味があるのです。
第一回として、ファンタジー世界に登場する様々な武器について、話してみたいと思います。
代表的な武器として、剣・槍・刀・弓・銃などがありますが、これらは突起のある形状、体内に侵入をして傷つけるなどの特徴から、神話の時代より男性器を象徴しているのです。
それは、伊邪那美と伊邪那岐の国生みの話で鉾で海をかき回すと言う描写からも分かるでしょう。
世界に影響を与える手段として、自らの武器としての男性器を使うのですが、その使い方や形状によって作者の無意識化の自己顕示欲がはっきりと形づけられているのです。
種類が、銃や木の棒、ビームサーベルといった違いは、物語の時代設定次第なので違いはありませんが、それが通常のサイズや能力とどう違うかが判断基準になります。
大きさについて詳しく述べてみると、主人公の使う武器が、身長より大きいや指よりも小さいなどの描写があれば、大きさに対するコンプレックスが読み取れますが、通常のサイズとして描かれればロングソードだろうと短剣だろうと、大した違いはありません。短剣でも実際の男性器より大きいと言う事もありますが、ここで重要なのは、特別な大きさに対する描写がないと言う事です。巨大な短剣など矛盾した表現の物もなくはないので。
通常のサイズであれば、使い方や武器の能力の特徴が重要になります。
武器をメインの攻撃手段にするなら、男性器に対する自信があり、武器自体に特殊な魔力や、通常では考えられない強度、特殊な素材でできているなどで、さらに自分自身の男性器に特別性を持たせたりもするのです。
逆に、武器は持っているもののあまり使わなかったり、簡単に折れる、量産品、などの特徴があれば、男性器に対する自信の無さがうかがえます。戦闘中に折れるなどが容易に不能を連想させるのは理解できるでしょう。付け加えると、特別な能力があっても使用回数制限をつけたり、弾数制限を設けるのは、年齢によって減っていった回数、つまり、作者自身の精力の減退を意味しております。
銃の場合はリアルな性能の弾数がありますが、リロードの回数、頻度や、ピンチになった時、後何発打てるなどが、必殺技の使用回数と同じ意味を持つでしょう。
武器に固有の名前を付けた場合も、エクスカリバーなどの名前は、特別性や自信を求めてであり、マッチ棒などやギャグ的な名前を付ける場合は自信の無さをより強調するでしょう。他にもヒロインの名前を付ける場合は、一途さ。使用者の名前を付ける場合のナルシスト傾向などの性癖がわかります。
主人公の多様性によって、武器を持たない、使用頻度が異常に低い主人公も見られます。
主人公自体が、鎧や盾で防御に徹する場合。
代表的な物として、メデューサとの戦いがあります。
メデューサは頭に蛇の生えた女性型のモンスターとして描かれ、目が見に借りた盾を持った英雄が戦います。蛇はその形状から男性器を現し、盾は女性器を現わすため、男性器を持った女性と女性器を持った男性を象徴しますが、当然、実際に異性の性器を持っているわけではないので、同性愛者を意味するのです。
男性主人公の持つ楯は、尻であり消化器官を象徴し、その特徴として捕食と排泄を行ないます。敵の攻撃を吸収したり、相手に跳ね返す能力を持つのは、当然のことと言えるでしょう。デザインで顔や口がついている物があるのも納得できます。
女性主人公が盾を持つ場合は、防御力イコール貞操観念なのですが、主人公の性別をそのまま受け取れるかどうかは、別の問題となりますので、判断には注意が必要です。
また、ペットや仲間が攻撃する場合。
主人公と同姓であれば、別の面の自分、複数の理想の自分の中から選んだ一つであるのですが、異性である場合は、性行為に置いて相手にリードしてもらいたい欲求を現します。攻撃力の強さや、活躍度によって、どのようなリードを求めているかが細かく分かるのは、自分が主体的に行動するのではなく、相手に求める欲求のため、より細かく表現する必要があるからです。
飛行能力やジャンプ力は、勃起を意味し、ドラゴンに乗って天高く跳ぶは、精力絶倫の象徴でありますが、ドラゴンが普段女性になる場合は、勃起するのに女性の手助けが必要であるや、メインで武器を振るキャラと別に飛行能力のあるキャラがいる場合は、性行為中に別の女性を思い浮かべて勃起しているという表現の象徴になります。
この様な意味を踏まえたうえで、作者の願望だけでなく主人公のキャラ付けに武器の大きさで男らしさを強調したり、女性の持つ武器や能力の種類でハーレム内の順位を表したりしているのです。
次回は、魔法や属性について読み解いてみようと思います。