最終話 『失敗した選択肢』
本当にごめんなさい(´;ω;`)
こんな終わりにする予定はなかったんです……でも、ちょっと疲れちゃって……
新作のストックは作るので、投稿する時は楽しみにしてくださいね!
眠りについた俺は、また夢を見ていた。
自分で自覚出来るが、これは夢だ。
まるで俺が異世界へと転移した時のような真っ暗な世界だ。
『守人さん。わたしはヴィーナスです。貴方には護る力を与えました』
脳に響くように声が聞こえる。
「はい。転移してもらったのはとても感情してます! あっちの世界での生活も楽しくて!」
『ごめんなさい。あなたをもうあの世界に戻すことは出来ないの。もっと早く忠告すべきでした。悪魔の契約には気を付けてと……』
「ど、どういう事ですか?」
わからない。
俺は悪魔と契約なんてしていない筈だ。
それに、悪魔と契約したら戻れないなんてどういう事だろう。
『貴方なら大丈夫だと思ってたわ。でも、悪魔の誘惑には勝てなかったみたいね。あなたからは力を回収させてもらうわ。ごめんなさい。わたしにはもうどうにも出来ないわ』
俺の中から青い光が消えていく。
光が全て空中へと消えた時、ヴィーナスからの声は消えてしまった。
だが、それと同時に今度はついさっき聞いた声が脳内に響いてきた。
『汝には感謝するよ。これで我はまた人間として生きれる。我が名はアスモデウス。黒の精霊であり、悪魔だ。契約者の力を増幅する代わりに、代償として体を貰う』
「そんなの聞いてないぞ!!」
『言うわけがなかろう。そんな事したら契約出来なくなるだろう? 大丈夫。汝の仲間たちとは仲良く暮らしてみせるから。それに、力のなくなった汝より、力のある我のが良いだろうしな』
高笑いしながら声の主であるアスモデウスは消えていった。
「どうすりゃいいんだよ……」
頭を抱え、悩む。
そんな時俺は気づいてしまった。
段々と体が薄くなっていることに。
「うわぁぁぁ!!やめろ!嫌だ!」
『ごめんなさい。一度死んだあなたをもう一度殺すのはとても罪悪感を感じてしまうわ。でも、これが運命なの。ごめんなさい』
結局のところ、俺は一度現実で死んでから不運な男だったという事だ。
運命というのなら受け入れるしかない。
あれは楽しかった夢と思っておけばいいんだ。
………………もうちょっと生きたかったな。
俺は黒の精霊と契約したことを少しだけ悔やみながら、消えていった。
そして、また新たな転移者が来るまでのあいだ、空間には静寂だけが残り続けた。