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14話 『黒の精霊』

申し訳ありません。

最近どうしてか執筆というものに追われてしまいまして、創作意欲が無くなってきています。


ただ、エタるのは嫌なので、この作品もあと2話程で無理やり完結させます。


続きを考え楽しみにしていた方には本当に本当に申し訳ないことをしていると承知しています。


新作の方もストックを予め大量に作り、少しの間投稿から離れようと思います。


誠に勝手ながらご理解の程よろしくお願いします。

 数十分もの間、目を瞑りただその場に呆然と立っていたメイ。


 もしも、契約に時間が掛かったらずっとこのままなのかもしれない。

 そう思うと、どうしてかメイのことを起こしたくなった。


 だけれど、レイナに止められてしまった。そりゃそうだ。必死に契約しているメイを俺は止めようとしているのだから。


 一度止められてから、俺はずっとメイを見ている事にした。


 そうして、契約が始まってから丁度1時間程度経った時だ。


 メイの目がゆっくりと開き始めた。


「メイ! 大丈夫か!? 無事契約は出来たのか?」


「うん。大丈夫だよ! 精霊の使い方とかはわかんないけど、契約は出来たよ!」


 メイは少しだけ驚きながらも、俺へと笑顔で答えてくれた。


「さすがね。やっぱりメイなら契約出来ると思ってたわ。さ、後は貴方ね。人間だから出来るかは分からないわ。過度には期待しないでちょうだい」


「あ、あぁ。出来たら良いな程度に思っとくよ」


 俺が今度は二人から離れようとした時、メイが俺へとアドバイスしてくれた。


「守人! 精霊の契約はね! ────だよ!!」


「────えっ? なんだって? ごめん。もう一回言ってくれないか?」


 後ろから聞こえたメイのアドバイスは何故か聞き取りずらかった。

 もう一度聞くために、メイの方へと振り向くと、俺はその光景に唖然とした。


「嘘だろ……?」


 まだレイナは俺には何もしていない。

 だからこの状況はおかしい筈だ。さっきまでは風で揺れていた木も、俺へと何かを言おうとしているメイも、レイナも全てが止まっていた。


 それも、止まっただけじゃない。色も失われている。色もあり、動けるのは俺一人。いや、どうしてか俺の前に黒い人形(ひとがた)のモヤが現れていた。


『…………』


 モヤが俺の近くへと徐々に近付いてきている。何かを呟きながら。ただ俺には聴こえなかった。


「なんなんだお前は!」


『我は古来より黒の精霊と呼ばれている。汝を契約者と認め、契約しに来たのだ』


 「はっ?何言ってんだ?」


『済まない。我は汝の記憶を見たのだ。我自身、いきなりここへと引き寄せられたのだからな』


 こいつが精霊ってことは分かった。

 まぁ精霊なら記憶を見ることもあるだろう。契約するためには嘘はつけないと言っていたし、心を探られるということかもしれない。


 「それで、なんで突然時は止まったんだ?」


 こいつが普通の精霊ではないことは俺でも分かった。

 レイナの話によれば、精霊はエルフの女王を介入して契約する筈だ。

 なのに、そのレイナは止まっている。


 という事はこの精霊が時を止めたということだろう。


『ふむ。我ら黒の精霊は普通の精霊より特別に出来ている。本来、精霊はエルフの女王を介しての契約をするのだが、我のような黒、白、まぁ高位の精霊は自分で決めた相手と契約出来るのだ。そして、その契約を誰にも邪魔されないよう、契約時は時を止まる。まぁ仕組みは今の我でも分からぬがな』


 「おっけ。なんとなくは分かった。で、なんで俺なんだ? 選べるなら他のやつでもいいだろ?」


 こいつが高位の精霊ってことは分かった。レイナが居なくても契約が出来る精霊は多分相当少ないのだろう。

 レイナが俺たちに説明してないということを察するに、多分レイナも会ったことない筈。


『我は特別な力を持つものと契約すると決めておったのだ。それで、たまたま森をさまよっていたら汝に引き寄せられたのだ。まぁ、記憶を探り、汝の力は把握出来た。我はその力と汝自身を気に入ったのだ』


 特別な力は多分、護る力だろう。というより、それ以外有り得ない。

 でも、俺なんかのどこを気に入ったんだろうか。分からない。


 「なぁ、俺のどこを気に入ったんだ?」


『汝の本質だな。説明しようがない。我の本能が汝を気に入ってるのだ。それで、契約はどうするのだ? 我と契約すれば汝が力尽きるまで力を貸すことを約束するぞ?』


 今の俺には力が足りない。

 こいつの力はよく分からないが、多分相当強い筈だ。単純に考えれば契約するべきだが、本当にこいつが裏切らないか不安だ。

 精霊に体を乗っ取られたりするかもしれない。


 「精霊は一度契約したら裏切ったりできるのか?」


 返答によっては契約をすることはなくなるだろう。


『無理だ。精霊というものは契約したら契約者が死ぬまでは共に居なければならぬ。裏切れば即消される。それが掟だ』


 「そうか。ちょっと考えさせてくれ」


『済まない。もうその時間はないのだ。あと10秒ほどで我は消えてしまう。即刻決めてもらいたい』


 今こいつと契約しなかったら俺は二度と力を手にすることが出来ないかもしれない。


 そして俺自身、俺なんかを気に入ってくれてるやつを見捨てたくなかった。


 「分かった。契約するよ」


『承った。これより、我は汝の力となり、死ぬまで共にいることを誓おう』


 黒の精霊が俺の体へと入り、俺の意識は朦朧とし始める。


 「これで良かったんだよな……」


 自分の選択に後悔はない。

 俺は失おうとする意識に身を任せ、目を瞑った。

長い前書きごめんなさい(´;ω;`)

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