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屍に抗いて  作者: アンデス山脈
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僕が、俺になり、ぼくになる物語






人は、生物は、死んだ時どうなるのだろうか。極楽浄土に逝くのだろうか。それとも、地獄に堕ちてしまうのだろうか。そのどちらにも行くこともなく、存在が消えてしまうだけなのだろうか。



そのどれもが、間違っていた。そんな世界に僕は存在するのだ。

生命活動が停止したと同時に、原因は全くわからないのだが、動く屍となってしまう。そして、動く屍となってから消滅する。


ずっとずっと昔、伝承されてきた昔話では、生物は死すれば動くことがなかった時代があったと云われていた。


それに、動く屍に咬まれたならば、低確率で生きていたとしても動く屍のようになってしまう場合もあり、そういったものは屍落ち(むくろおち)と呼ばれるようになり、普通の動く屍よりも厄介な存在とされている。


動く屍は、基本的には腐臭がし耐久性は高いが身体能力はそこまで高いわけではなく、何故かわからない怪力以外に小学生レベルを超える場合はとても珍しいと言われている。そして、太陽が出ている時間には太陽によって照らされている場所、地上に居ることが出来ないのだ。その為、夜太陽が沈みだし、世界が翳り出す頃に動き始める。


しかし、生物から直接動く屍のようになってしまった生物の場合は違う。死んでいないために、腐臭など全くせず、身体能力は常人よりも高く感情はないようなのだが、感情を理解したように狡猾な面を持っている個体が多く見られる。


そして、最も厄介とされているのが、生きている生物と全くもって見極めがつかないところである。夜、太陽が翳っていない時間帯以外でも活動することが出来ることが、見極めずらくさせている最たる由縁でもある。

それ以外にも血液が流れており、呼吸も行っているなど、生物が行う生理的行動をほとんど行うのだが、そのどれもが不必要であり、血液がどれほど流れても動きになんら関係はなく、呼吸ができなかろうとて行動が阻害されることすらない。

もっとも、個体数が少ないのが、不幸中の幸いとでも言えるのだが、それでも圧倒的強者として存在が確立されていることは説明せずとも誰もがわかることだろう。



そんな世界でも、逞しく生きるために僕達は命を削りながら生きている。



ーーーー



「むかしむかし創世の時代には、創世神フランジ・フュード・エードル・ランス・フォードレン・ジガスュ・タンドルド様により四柱神が生み出されることになった。

その四柱は第一神フェリドフュール、第二神ジンジルドーフュ、第三神ユグランドルヒ、第四神ウスュークヒィルドにより担われた。


第一神フェリドフュールは、氷と炎を操り雷を操ることが出来た。

第二神ジンジルドーフュは、豊穣を操ることが出来た。

第三神ユグランドルヒは、天災を操ることことが出来た。

第四神ウスュークヒィルドは、治癒を操ることが出来た。


此四柱は、四柱が四柱とも自身を信仰する存在を得ることを望み始めた。

初めは、少しずつ創世神に強請っていたのだが、なかなか信仰する存在を作り出してくれることがなかった。その為に、四柱は自身ができる限りの創世神を本気で怒らせない程度の災害を起こす事にし始める。



そんな事が、数百年数千年と続いてしまったがため、創世神が折れ四柱にそれぞれ10体の属神を生み出すことにし、それぞれ属神は、主とする神に冠することを操ることが出来る能力を持つように生み出された。



その数十年後属神たちのために、四柱それぞれに繁殖力の強い生物を従属種として、生み出した。


第一神の従属種は、炎を操ることや、金属を加工することに特化した生物として生み出され、

第二神の従属種は、緑を操ることに特化した静物として生み出され、

第三神の従属種は、異質な姿形をしているが、身体能力に特化した生物として生み出され、

第四神の従属種は、能力は平均的で狡猾な生物として生み出された。



そのまま、平和な時がいく百年と流れていく。

だが、その平穏もある時を境に変貌して言ったのだ。

その原因となったこと。それは、神々の喪失と生物の能力の低下が原因であった。


神々への信仰に対する恩恵は存在しているが、実際に見ることが出来ていた存在の突如としての喪失により、世界は弱体化が生じていた。

そして、数十年のうちに数千数万の生物が発生し、従属種の四種族はその種族のみの国家を生み出し繁栄し始め、その100数十年後生物は、永遠に救われることがなくなり、死すれば動く屍になっていた。


その動く屍から1体の屍の王が誕生した。その屍の王を倒すため4体のうち勇者が立ち上がった。

各従属種から1体ずつ勇者が立ち上がり反発し合うこともあったが、最終的には結束し屍の王を倒すために4体全員が生命と引き換えに倒しきることに成功しました。


そして、世界は勇者たちを讃え英雄として後世に伝えましたとさ。」


「パチパチパチ。おもちろかったぁ!!あぃがと、おにぃちゃん。」


「いいよ。これくらいなら全然。けどほんとうにこの本が好きだよね、ユリアーナは。これでもう今週だけでも6回は読んだと思うよ。」


「ユリアこのほんだいすきなのぉ。それに、おにぃちゃんもだいすきだよぉ。いっつもあそんでくえるおにぃちゃんがだいすきなのぉ。」


「はは。ありがとうな。僕もユリアーナが大好きだよ。どれだけユリアーナが僕のことを嫌いになったとしてもね。


じゃあ、僕は勉強しなくちゃいけないから、少しのあいだ独りでも我慢できるか?」


「うん。ユリアひとりでもだいじょーぶだよぉ。おにぃちゃんもひとりでおべんきょーできるぅ?」


「僕も一人で頑張れるよ。ユリアーナのためにもお勉強は頑張らないとだからね。


あ、そうだ。そろそろ父さんと母さんも帰ってくるだろうから、いい子にして待ってるんだよ。何かあったら僕の部屋まで呼びに来てくれたらいいからね。」


「うん。ユリアがんばるよぉー。だから、おにぃちゃんもがんばってねぇ。」





…………まさか、それが最後の言葉になるとは思いもよらず、僕は妹を、ユリアを一人にしてしまった。




【魔法基礎学-ハワード・ベルモンド- 】


この本を手に取っているということは、魔法について学びたいという意思が少なからずあるという者であることは間違いがないことだろう。


そんな人達の中には魔法について何も知らないという人も居ることを想定して、僕はこの本を綴っている。

だから、魔法について少しでも知っている人は、目次を見て自分の知らないことを綴ったページまで飛ばしてくれて構わない。


この言葉を見てもまだ目次に移っていないということは、君が魔法について何も知らない、もしくは知っているが読み続けているという粋狂なのか、知識欲が人よりも多いということだろう。


さて、そろそろ魔法について綴っていきたいと思うのだが、魔法とは、魔力と呼ばれている体内生産型魔法基礎物質、又は魔素と呼ばれる体外発生型魔法基礎物質を用いて事象を人工的に引き起こすための技術の事を指している。


魔法についてよりも先に、魔力と魔素の違いについてを説明しておいた方がより理解しやすいかと僕は思うので、説明させてもらう。


魔力とは、正式名称である体内生産型魔法基礎物質の事であり、魔素と呼ばれる体外発生型魔法基礎物質を体内に吸収することにより、視認することは出来ないが存在すると言われている臓器である魔力生成炉を用いて、魔素を変換させた時に生成される物質のことを指し、個体としての最大魔力量というのは大まかに決まっている。


魔素とは、正式名称は体外発生型魔法基礎物質である、魔力に変換される前の物質のことであり、発生原理は解明されていないが、創世神により創造されたものの1種であり基本的には世界からなくなることはないと言われている。一時的に減少することは過去を見ると数度だけあったと伝えられているが、ここ三百年間の間には大規模なものは確認されていない。

ごく少量全くもってなんの影響のないレベルで減少したことは数年前に1度確認されているが、魔法学研究所により百年に一度程度の周期で起こる誤差という見解が発表されている。



これで魔力と魔素についても理解していただけたと思うので、本題である魔法についての説明をしていきたいと思う。



と言っても手短に説明すると、はじめの方に説明したように、魔力や魔素を用いて事象を人工的に引き起こすための技術であり、それ以上でも以下でもない。


とても簡単なものと思うかもしれないが、世界中に存在する、第二階位以降の魔法を使うことの出来る所謂、魔法士と呼ばれる存在の数の少なさが魔法の難しさを物語っているであろう。

どれほど難しいかと言うと、魔法学研究所による魔法士の公式発表数は二百人に一人か二人であると発表されている。

だが、これはすべての魔法士の数であり、その中でも魔法士としてのみで生きていけると言われているのはほんの1割程度であり、殆どの魔法士は兼業することでようやく生きるていくことが出来ていると言われている。


そして、一番の難題というのは魔法士以外でも魔力を持っているのだが、魔法という技術を扱うセンスが無ければどれほど努力しようとも、魔法を知っていようとも魔法は使うことが出来ないことだろう。

こればかりは、生まれ持ったセンスというものにより左右される問題であり、教えられるものではない。


そして、魔法を扱えるか扱えないかの、謂わば魔法適正と言われるものを調べることができる道具がある。

これについては、一定の年齢を超えたものは魔法学研究所と提携している教会により調べることが出来る。その教会において、水晶玉のようなものに利き手をかざし少しの間その状態を保つことで調べることが出来るため、まだ、調べていない者は調べに行ってくるといいだろう。



さて、前振りが長くなってしまったが、魔法についての説明をさせてもらおう。

魔法には、複数種類の魔法が存在している。それは、属性と階級により分類されており、属性は、基本属性と呼ばれる火属性、水属性、木属性、風属性、土属性の五つが基盤として存在し、そこからの派生属性と亜属性の大別としては三つに分けることが出来る。


説明したように、基本属性は五つの属性のことを呼んでいる。詳しい説明はを知りたい者は目次に移ってくれ。


派生属性については、基本属性の掛け合わせなどによる属性の事であり、これについても詳しくは目次に移ってくれ。


最後の亜属性とは、基本属性とは異なる事象を発生させる属性のことであり、白属性、黒属性、無属性の三種類と、固有属性の四属性の事を呼んでいる。

また、これについても詳しくは目次に移ってくれ。


魔法についての説明は、これで大抵のことは説明しきったので、初歩知識である魔法について

の章は、閉じさせてもらう。


ここまで読んで、飽きてしまったものや理解できないものには魔法は向かないだろうことが推測されるので潔く諦めるなり何なりとすることを推奨しよう。


では、より詳しいことを綴った章でまたお会いしましょう。







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