4月。
桜の舞い散る季節に恋に落ちた。
きっとこれからも、ずっと、ずっとお前に恋し続ける。
たとえ途中で見失うことがあったとしても、必ず見つけ出してみせる。
だから……ねえ?
オレのことだけ、見ていて。
オレのことだけ、求めて。
お前しか愛せないから。
必ず、手に入れてみせる!
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その日は快晴だった。
春の気持ち良い風の吹く中、初々しい高校1年生たちが新品の制服を身にまとい新しい学園生活に心を躍らせながら登校してきた。
まだ中学生のようなあどけなさを残した少年、少女の多い中でかなり目立っている男がいた。
周りの男子生徒より頭一つ分ほど抜き出た長身に、王子様のような甘いルックス。
明るめの茶色い髪はさらさらのストレートで彼を大人びてみさせている。
そしてまた、自分のそんな容姿が周りに影響が強いということを自負している自信に満ちた強い瞳。
同じ一年生の多くの女子たちもほんのり頬を染めながら少し眠そうな表情の彼を見つめていた。
いつものことだ、と慣れた様子の彼、葉月洸はふと視線を巡らせた。
その時、視界に飛び込んできたのははにかんだ笑顔。
……可愛い。
それは、初めての衝撃。
一目惚れ。
それが、長い長い洸の恋物語……愛物語の始まりだった。