王都捜査網
今回は、全て三人称で書いてます。
貴族の家が建ち並ぶ区画。大きい家の多いその区画は人通りも少なく閑静な街並みだ。その物静かな一角にあるリッツバーグ伯爵邸に警備局捜査官であるオルト=リッカーマンが訪れていた。リッツバーグ伯爵への事情聴取の為だ。
リッツバーグ邸の応接室で、オルトとラッセルは向かい合っていた。
「奥様はどうされました?」
「ああ……あれは心労から寝込んでいる。自分の息子が魔人になり、挙げ句に殺されたのだからな。私も寝込めるものなら寝込みたいよ」
「……心中お察しします」
「いや、気を使わんでくれ。カートがああなったのは私達に責任があるのだから」
「その事なのですが……息子さんは昔から横柄な性格だったのでしょうか?」
「馬鹿な事を言うな!!」
思わずラッセルが声を荒げる。その事に自分でハッとなり、大声を出した事を詫びた。
「ス、スマン……つい感情が昂ってしまった……」
「いえ、無理もない事です。そして失礼を承知で再度お訊ね致します。息子さんは昔から横柄な性格をしていたのでしょうか?」
「いや……知っての通り我が国は国民第一の国だ。貴族は国民の為に、王族は貴族も含めた全国民の為に、国民は国の宝であり第一に守るべき対象となる。カートには幼い頃からこの教えを説いてきた。多少気位は高かったが、民は守るものという意識は持っていたはずだ」
「今まで、そういった言動は無かったと?」
「……私も四六時中カートを見ている訳ではないからな……妻や使用人に聞けば分かるかもしれんが……」
「それは後で確認しましょう。では彼があのような態度を取ったのは?」
「先日が初めてだ」
「そうですか……」
高等魔法学院での評判と全く違う。しかし、中等学院での評判と一致する。
高等魔法学院では『横柄な態度を取る愚か者』。
中等学院では『気位は高いが民の事を考える貴族』。
中等学院と高等魔法学院でこうも違う評判になるものだろうか?まるで別人だ。
中等学院時代は、王国貴族らしい貴族。
そして、高等魔法学院時代は……。
「帝国貴族……」
「何?」
「いや……中等学院時代の息子さんは王国貴族らしい貴族だったようですが、高等魔法学院に入った後の息子さんは……」
「……帝国貴族のようだと?」
「あくまで私が受けた印象ですが」
「……確かに、帝国貴族は国民を搾取の対象と見、貴族でない者は人間では無いと嘯く輩だからな……」
アールスハイド王国とブルースフィア帝国では貴族の在り方が全く違う。
アールスハイド王国では、貴族は国民を守る為に存在し、彼らが居てこそ自分達が繁栄出来ると考えるのが一般的だ。国王ディセウムがマーリンに言った貴族の意識改革とはこの事である。
何世代にも渡って改革を続け、ようやく根付いた考えで、事実この意識改革後アールスハイド王国国民の生活は向上し、生産性も上がり、結果税収が増えて領地や国が繁栄している。
変わってブルースフィア帝国では平民は貴族の為に存在していると考えるのが一般的だ。平民は非常に重い税に苦しみ、生産性も上がらず、平民の暮らしは王国に比べて相当に水準が低い。
王国では十五歳以下の子供は等しく教育を受ける権利を要し、半ば義務教育となっている。なので識字率も高く、計算も速い。
ところが帝国では、学校とは貴族、もしくは一部裕福な商人の子供が通うものであり、平民が学校に通える事はまず無い。余計な知識を与えられず、搾取される側に産まれた者は、搾取される立場から抜け出す事が出来ない。
その知識を持っていないからだ。
平民は貴族の為に存在し、利益をもたらす者。
カートの言い放った言葉は、まさしくその帝国貴族の口振りだった。
「これは……帝国関係者の洗脳を受けた可能性もあるのか?」
「帝国の洗脳だと!?」
「リッツバーグ伯爵、おかしいと思いませんか? つい先日まで王国貴族らしい、民を守る思考をしていた者が、ある日突然貴族を選ばれた民だと、平民と同列にされるのが我慢出来ないと、そう言うものでしょうか?」
「だから私も妻も混乱しているのだ……」
「息子さんが帝国の者、もしくは元帝国の者と接触していた事はありますか?」
「……ああ、そういえば……」
「あるのですか?」
「カートが通っていた中等学院の教師だ。元帝国の人間で両目に眼帯をしている。相当な魔法の使い手なので帝国で何かトラブルを起こして王国に来たのではないかと言われていたな」
「その教師と息子さんが接触していた?」
「ああ、カートはその教師の開いていた研究会に参加していた。高等魔法学院を受ける際も、一時家庭教師に来ていたな」
「帝国出身の教師……」
怪しい。誰が聞いても怪しい。
そこでオルトは使用人にも話を聞いた。
「シュトローム先生ですか? 良い方ですよ。帝国出身と聞いていたので平民への差別意識が強いのかと思ったら、全然そんな事なくて。私達使用人にも分け隔てなく接して頂きました」
使用人達からの証言は概ねこのような結果だった。
問題無いのか?いやしかし、その教師は一年前から中等学院で教員になった。そして、受け持っていたカートが魔人になった。
一年前。
つい最近知らされた事柄と時期が一致する。加えて自身の生徒が魔人化した。
証言では怪しい所は無い。が、行動の全てが怪しい。そして……。
「若様があんな事になった日も来て下さって」
「それは何時頃?」
「確か……午前中だったと思います」
午前中という事は魔人化する前。しかも訪れた後、カートは部屋を抜け出した。
証拠は何も無い。しかし明らかに怪しい。
オルトはその足でカートが通っていた、そして今もシュトロームが教鞭を振るっている中等学院に行ってみる事にした。
万が一に備え、警備隊詰所に戻り、若い隊員を一人同行させた。
二人が訪れた学院は貴族や裕福な商人が通う学院だけあって他の学院より豪華な建物だった。その学院の一室に研究室を借りているオリバー=シュトロームはいた。
「お忙しい所すいませんシュトローム先生」
「お邪魔します」
「いえ、良いですよ。紅茶でも飲みますか?」
「いえ、お構い無く」
オルトは油断なくシュトロームを観察した。両目を眼帯で覆っているというのにその動きには全く迷いが感じられない。おそらく感知系の魔法を使っているのだろうが、何をしているのかは全く分からない。
観察しているだけでは埒が明かないとオルトは質問をする事にした。
「シュトローム先生は帝国の出身だとか。不躾な質問で失礼しますが、どういった経緯で我が国に来られたのか、教えて頂いてもよろしいですか?」
「私が王国に来た理由ですか……それが恥ずかしい話でしてね。私は帝国の貴族の家に産まれたのですが……」
帝国貴族……その言葉にオルトの体が一瞬強張る。
「実家の跡目争いに敗れましてね……私を亡き者にしようとする親族から命からがら逃げ出したのですよ。その結果帝国には居られなくなりましてね。王国へ亡命してきたのですよ。この目もその時の襲撃で傷を負ってしまって……」
「なるほど、そうでしたか。いや、失礼な事を聞いてしまってすいません」
「いえ、それが貴方のお仕事ですからね。お気になさらずに」
当たり障りの無いやり取り。しかし、シュトロームの言っている事が本当だとは限らない。どこまでが本当でどこまでが嘘なのか? 若い隊員は隣で話のメモを取っている。記録は彼に任せ、更に質問を続けた。
「そういえば、シュトローム先生はこの学院で魔法の才能のある子に研究会へ参加させ、非常に優秀な魔法使いを育成しているとか。どうしてこのような? 今の職場とはいえ元は敵国でしょう? 帝国への意趣返しですか?」
「そう思われるのも無理はありません。しかし私にそんなつもりはありません。もっと単純な理由ですよ」
「と言うと?」
「私は元帝国貴族で新任の教師ですからね。結構風当たりが強いんですよ。私をこの学院で認めさせるには目に見える功績が欲しかった」
「それが貴方の研究会だと」
「そういう事です。お陰様で私の研究会に所属した子供達は皆魔法の実力を伸ばしてくれました。高等魔法学院に合格した子もいて、私はこの学院での地位を確立したのですよ」
特別崇高な理由等ではなく、あくまで自らの身の保身の為の行動であるという。人間が行動する上で最も自然な理由。
今の会話におかしい所は無い。顔を見るが、眼帯のせいで表情が分かり難い。オルトは舌打ちをしたい気持ちを抑え、更に続けた。
「しかし、そうなると今回の事は残念でしたね」
「そうですね、カートはさっき言った、私が教えて高等魔法学院に合格した生徒なんですよ。それがこんな事になるとは……」
「シュトローム先生の経歴に傷が付くと?」
するとシュトロームは少しムッとして反論した。
「そういう事を言っているのではありません! カートは私の可愛い生徒なんですよ!? そんなカートがこんな事になってしまって悲しいと言っているのです!」
「これは失礼しました。失言でした」
「分かって頂ければ良いですよ……」
一瞬興奮したかに見えたシュトロームだがすぐに落ち着きを取り戻す。これも本心なのか、それとも演技なのか……それならば……。
「シュトローム先生、一つお願いを聞いて頂いてもよろしいですか?」
「なんでしょうか?」
「実は、魔人化した彼の遺体について確認して頂きたい事があるのです」
「確認したい事?」
「ええ、今関係各所から専門家を集めて検分をしているところなのですが、シュトローム先生はお話を聞く限り相当高位な魔法使いでいらっしゃる。シュトローム先生の意見も聞かせて頂きたいのです」
「教え子の遺体を検分するというのはどうも気が進みませんが……」
「そこを何とかお願いします。これは人類の為になることです」
「……はぁ、分かりました。伺いましょう」
「ありがとうございます。早速ですが、この後お時間大丈夫ですか?」
「本当に早速ですね……大丈夫ですよ。今日は研究会もありませんし」
「ありがとうございます。それでは参りましょう」
オルトはそう言うと若い隊員に合図をして立ち上がった。
「有益な話が聞ける事を期待していますよ」
「勝手に期待されても困りますよ」
そう言いながら警備隊の詰所に向かった。
一方その頃、王都周辺の草原や森では軍務局による調査が行われていた。
「局長、ご報告致します」
「聞かせてくれ」
「はい、やはり魔物の数が相当増えていますね。兎や栗鼠等の小動物から、野犬、山犬、狼、猪といった中型の動物、果ては熊等の大型動物まで魔物化しています」
「気付かなかったのは何故だと思う?」
「恐らく小動物が多いですので、さほど脅威に感じなかったのでしょう。中型、大型の魔物と言っても、劇的に増えていたり、複数で現れたりしていないので、隊列を組み魔法師団と協力すれば、割と簡単に討伐出来ます。虎や獅子といった災害級の魔物がいなかったのもその要因でしょう」
「そうか……」
「おい、ドミニク」
「……ここでは局長と言え、ルーパー」
「はっ! 局長なんて順番にやってるだけじゃねえか。俺は前の局長だし、次の局長も俺だ」
軍務局長であるドミニクに声を掛けてきた男はルーパー=オルグラン。魔法師団長であり前任の軍務局長である。
茶色い目と髪をしており、魔法師団長用のローブを若干着崩している。チョイ悪オヤジという言葉がピッタリ嵌まる男である。
「下の者に示しが付かんだろう」
「それを言うなら、前の局長が陛下以外に頭を下げてる光景も示しが付かねえよ」
「ああ言えばこう言う……はぁもういい。で? なんだ?」
「魔物が増えた理由を魔法的見地から推測しろって言ってたやつなんだが……」
「何か分かったのか?」
「それがな……」
「……」
「サッパリ分からん!」
「はぁ……期待した私が馬鹿だったよ」
「まぁそう言うな、サッパリ分からんのは自然発生する理由だ」
「自然発生?」
「ああ、魔物ってのは魔力が濃い所に長時間いた動物がなりやすい、って言われてるだろ?」
「ああ、そうだな」
「ところが、この近辺では特に魔力が濃い所なんてねえんだよ」
「……と言うとやはり……」
「ああ、お前さんの言っている『魔物の人為的な発生』その可能性が高くなった訳だ」
「他から移動してきたという可能性は?」
「ねえな。それならもっと大変な事になってる。こんな少しずつ増えるなんて事はねえよ。それに、他の街では魔物が増えたという報告は無い」
「これはいよいよ……」
「ああ、どうにもキナ臭いぜ」
そう言って軍務局のトップ二人は神妙な顔を見合わせた。
所変わって、とある城の一室。この城の主の前にある報告を持った男がいた。
「何だと? アールスハイド王国の魔物の数が増えている?」
「はい。軍務局ではその原因を探るべく総出で対策に当たっている模様です」
「そうか。我が国の魔物の状況はどうなっておる?」
「それが、王国と違い逆に少なくなっているという報告がございます」
「なるほど……」
「陛下これは好機なのではありませぬか?」
「そうだな、我が国の魔物の数は減り、王国の魔物の数は増えている。恐らく我が国の魔物が王国に移動したのだろう。そうなると、王国は魔物の対応で手一杯の筈、こちらにまで気を配れまい」
そう言うとその男はその場にいた面々に伝えた。
「これは天が我に世界を統一せよと言っているに違いない。これを逃すは愚の骨頂。故に我はアールスハイド王国へ攻め入る。我も出る。皆、親征の準備を進めよ」
『御意!』
アールスハイド王国への侵攻を決断した男。
ブルースフィア帝国皇帝、ヘラルド=フォン=ブルースフィアである。
話はまたアールスハイド王国王都に戻る。
シュトロームを連れて警備隊詰所にやって来たオルトは、練兵場に来ていた。
「すみませんね先生。無理に連れ出してしまって」
「今更言いますか? もういいですよ」
そう言いながら二人は練兵場の中に入る。
「ここは?」
「ああ、警備隊の練兵場です。ここで検分をしようと思いまして」
「こんな所で?」
「ええ」
そう言って合図をした。
すると、練兵場を囲うように騎士、兵士、魔法使いが現れた。
「貴方の検分をね」
「私の? 何故?」
「ようオルト。調査から戻るなり呼び出し喰らったけどよ、これは一体何なんだ?」
シュトロームの研究室を退出する際、オルトは若い隊員に軍部を集めろと合図を送っていた。
「今から説明しますよルーパー様」
そう言ってシュトロームを見る。
「私は何故このような仕打ちを受けているのでしょうか? オルトさん。やはり元帝国貴族にはこのような仕打ちが相応しいと……」
「そんな理由ではありませんよシュトローム先生。貴方の証言は実に見事でした。証言だけなら疑う理由は無い。しかし、貴方はたった一つだけミスを犯した」
「ミスですか?」
「ええ、ドミニク局長、魔人化したのは誰でしたでしょうか?」
「カート=フォン=リッツバーグだろう。それがどうした?」
「そうです。ここに居る皆は当然知っている」
「それがどうしたのですか?」
「ここに居る皆は知っている。しかし、それ以外は知らない筈なんですよ」
「……ほう?」
「魔人を討伐したシン=ウォルフォード君から話を聞いた陛下は直ぐ様箝口令を敷かれました。魔人化した人間を口外してはならぬと。今回の魔人出現に幾つか不可解な点があったからです。そのせいで彼の家族が不当な扱いを受けぬように。貴方に会う前にリッツバーグ邸に伺いましたが静かなものでしたよ? 魔人に対し並々ならぬ脅威を感じる国民性から言って、魔人化したのがカート=フォン=リッツバーグだと知れれば人が殺到するでしょうから。箝口令が機能している証拠です」
周りの騎士達もその事に気付き、シュトロームに警戒の目を向け身構える。
「この王都に広まっているのは『高等魔法学院で魔人が出現し、偶々居合わせた英雄の孫、シン=ウォルフォードが魔人を討伐した』という話です。魔人が出現した事は知っている。しかし誰が魔人化したのかまでは知らない。知っているのはここに居る軍部、警備隊の一部、そして高等魔法学院の関係者だけです。さて、貴方はどこからカート=フォン=リッツバーグが魔人化したのを知ったのか教えて頂けませんか? 情報漏洩の罪で罰しなければいけないので」
そうオルトが言うとオリバーは急に大声で笑いだした。
「クックク、アハハ、アハハハハハハ!!!」
「何だ!?」
「気でも触れたか?」
戸惑う軍人や警備隊員を尻目に、オリバーは語り出す。
「まさか箝口令が敷かれているとは思わなかったですねえ。王都中が騒いでいるから皆誰が魔人になったのか知っているとばかり思っていましたよ。そうですか、騒がれているのはウォルフォード君だけですか」
「そういう事です。皆は新しい英雄が生まれた事に騒いでいます。しかも、それが既に英雄とされている方のお孫さんなんですから、騒ぎが大きくなるのは当然です。それに魔人が出現したと脅威に感じても実害は無かった。国民が魔人の正体より英雄の方に目が行っても仕方ないでしょう?」
「そうか、皆魔人より英雄の方に目が行くか」
そう言うと、シュトロームは魔力を纏い始めた。
「舐めてんじゃねえぞ!」
ルーパーが咄嗟に無詠唱で火の矢の魔法を放つ。シュトロームに着弾したと思われた火の矢は魔力障壁によって阻まれた。
「チッ! これを防ぐか。テメエ何モンだ!?」
「フフ、それに答える義務は無いですね」
シュトロームはそう言うと、爆破の魔法を放ち練兵場の壁を壊した。そして浮遊し壊した壁から出て行こうとする。
「絶対に逃がすな!! 奴を逃がせばまた犠牲者が出るぞ!!」
ドミニクの言葉に軍部の人間が一斉に魔法や弓を放つ。しかし、それも全て魔力障壁によって阻まれる。
「さて、ここでの実験は全て済みましたし、そろそろ失礼させて頂くとしますね」
「実験……だと……!」
その言葉にオルトが激しい憤りを見せる。
「カートを実験に使ったというのか! 未来ある少年の命を! 身勝手な目的の為に使ったというのか!!」
「そうですよ? 御愁傷様ですね。まあ、私に目を付けられた時点で運が悪かったと思って下さい」
「運が……悪かった? 彼の家族がどれだけ傷付き苦しんでいるのか分からないのかぁぁぁ!!」
「オルト! よせ!!」
オルトは警備隊に配付されているサーベルを抜きシュトロームに斬り掛かる。
「はぁ、正義漢は鬱陶しいですね……」
シュトロームは斬り掛かって来たオルトを避けその背後から魔法を放とうとする。
「オルト!!」
飛び込んで来たドミニクに横から体当たりを受け、吹っ飛ぶオルトと一緒に転がるドミニク。
そしてその横を魔法が通り過ぎ警備隊の敷地の塀に当たり爆発した。
「おや? 避けられましたか」
飄々とそんな事を言うシュトロームを皆が囲み、どうやって取り抑えるか迷っていた所に……。
「どうわっ! 何だ! こりゃ!?」
少年の声が聞こえた。
皆が振り向いた先にいたのは。
「おお!? 何の騒ぎだこりゃ!?」
シン=ウォルフォードがいた。