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賢者の孫  作者: 吉岡剛
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城門を開きました

前回までのあらすじ


恐竜の魔物を倒した


魔人が現れた


オーグが煽った

「ガキがぁ……調子に乗りやがってぇ……」

「調子に乗る? これは妙なことを言うな。これがゲームだと言ったのはお前たちだぞ?」

「グッ、グギギギ……」

「ここは帝都……いや、魔都の城門。そこを守るお前たちを倒して先へ進む。簡単なゲームだ!」


 オーグはそう言うと、城門に向かって特大の炎の魔法を撃ち出した。


「くっ!」


 その威力に、城壁の上にいた魔人たちは思わず飛びのいた。


 結果、魔法は大音量をあげて城門に炸裂。


 城門はものの見事に吹き飛んだ。


「じ、城門が!」

「ふむ。これで私たちが有利になったな」

「なに!?」


 地上に降りてきた魔人たちが吹き飛ばされた城門を見て驚くが、オーグの言葉にこちらを振り返った。


「私たちはわざわざお前たちと律儀に戦わなくても、城門を抜ければいいわけだ。それに引き換え、お前たちは私たちを一人たりとも通してはいけない。随分なハンデではないか」


 まあ、その通りだな。


 俺たちは、一人でも城門を抜けて……最悪俺一人がシュトロームのもとに辿り着ければゲームは半分勝ちだ。


 それに引き換え、魔人たちは俺たちを絶対通しちゃいけない。


 これは魔人たちにとって非常に都合が悪い。


 そしてこれには、もう一つの効果もあるな。


(これで、魔人共は城壁の前に集まるだろ。囲まれなくていい)

(やっぱり、それも狙いか)

(まあな)


 魔人たちに聞こえないように小声で話すオーグ。


 確かに、俺たちが十三人なのに対して相手は三十人ちょっといる。


 囲まれたら面倒だもんな。


「くそっ! 絶対奴らを通すなよ! シュトローム様やゼスト隊長の信頼に応えるんだ!」

『おおっ!』


 案の定、魔人たちは城門の前に集まって、絶対に俺たちを通さない構えだ。


 まさに、オーグの思う壺だな。


「さて、それでは……」


 ずっとこの場の主導権を握っていたオーグが、両手に魔力を集め出した。


「戦闘開始だ!」


 オーグはそう言うと、真っ先に魔人に向かって突撃していった。


「私たちも続くわよ!」

「お、おう!」


 突撃するオーグを見て、マリアとミランダも二人一緒に突撃していく。


「自分たちも行きますよ!」

「合点承知!」


 それに続いてトールとユリウスのコンビ。


「さっきので身体も温まったことだし、僕も行くよ!」

「私もいくわよぉ!」

「俺も行くッス!」

「わ、私も!」


 そして、ソロの予定のトニー、ユーリ、マークと、皆をサポートする予定のオリビアも続く。


 俺は、そんな突撃していく皆を見て動かなかった。


「シン君は行かないんですか?」

「ん?」


 気になったのか、シシリーが訊ねてくる。


「あー、危なくなったら行くよ。けど、今回はオーグたちのリベンジでもあるし、最初は皆にやってもらおうかと思って」


 そう、前回、コイツらとは別の魔人とやり合ったとき、オーグたちは決めてに欠け勝負がつかなかった。


 それに対抗するために色々と策を講じてきた訳だし、まずは皆に任せようと思っていた。


 皆の対策なら十分に対処可能だとも思ったしな。


「ふふ」

「どうした?」


 そんなことを説明すると、シシリーが笑った。


 なんで?


「いえ。シン君、皆さんのこと信頼してるんだなあって思って」


 ……そういえば、去年の夏にそんな話をしたような覚えがある。


 自分一人で全部背負いこまなくていいって、シシリーに言われたんだっけな。


「ああ、信頼してるよ。それと……」

「はい?」

「シシリーの治癒魔法もね」

「シン君……」

「戦闘服の付与魔法は、強力だけど無敵じゃない。不意を突かれたりカウンターには弱い。これだけの人数の魔人相手だと、思わぬ負傷をするかもしれない。その時はシシリー、頼んだよ?」


 俺がそう言うと、シシリーは一瞬嬉しそうな顔をした後、きゅっと顔を引き締めた。


「が、頑張ります!」

「うん」


 さて、俺は皆の援護、シシリーは援護と治癒のためにその場に残り、戦況を見つめた。


 その視線の先では……。


「キューティーレッド!」

「キューティーブルー」

「「キューティーツイン!」」

「ふ、ふざけやがってえっ!!」


「「……」」


 本当にふざけたシーン、見ちゃったよ。


 戦闘中になにやってんの!?



更新が遅くて本当にすみません。


活動報告も更新しました。

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別作品、始めました


魔法少女と呼ばないで
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