僕と君と神様
季節は、5月~6月くらい。 主人公は中学2年生という設定で。
それでは、短い作品ですが、よろしくお願いします(^^♪
「何、どうしたの?」
「もしかして、傘 忘れたの?」
――僕は下駄箱で、独り空を見上げる君に訊く。
どんよりとした曇り空。 それは、まるで僕の心のよう。
だけど、その曇り空も、君を見ている時だけは光が差し込む。
温かい光。 それは僕の初恋。 それは君という希望。
僕は誰よりも、 何処の誰よりも、君のことが大好きだ。。。
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僕の声は、きっと震えていたんだろう。
それは、寒さからくる震えではなく、緊張からくる震え。
大好きで、とても大好きで。 胸がはち切れそうで、怖かった。
でも、独り佇む君をほったらかして、帰ることはできなかった。
空を見つめる君を見ていたら、無意識に出てしまった声。
きっと、胸のドキドキは雨音よりも大きかったに違いない。
僕「もしかして、 傘・・・忘れたの?」
君「うん、折りたたみ入れたと思ってたんだけど・・・」
そこで、少しの沈黙が起きた。
駄目だ。 静かになったのもあって、さらに心音が大きく聞こえる。
何か話さなきゃ。 だけど、何を話せばいいのか。。。 わかんない。
僕は、とても恥ずかしい人間だ。
無計画に突っ込んで、 今までほとんど話したことがないのに、
急に話題を作ろうとするだなんて、 到底 僕にはできっこない。
『 あぁ、神様。 どうか、助けておくれよ。 』
そうして、僕はどうすることもできず、神様にすがることにした―――