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右手に剣を左手に恋を  作者: 28号
□騎士の出勤編□【登場人物紹介】
85/139

朝食は二人より一人で【キアラ=サヴィーナ】

キャラクター紹介小説キアラ編です。

外見とか年齢とか性格とか、そう言うのを羅列した物でも良かったんですが、

これはこれでひとつの読み物だったら面白いかなぁ……と思って作ってみました。

基本的な設定描写は1話内に一通り入っていますが、

他のキャラとリンクもしているので、全部読むとキャラの人となりがほぼわかる感じになっています。

本編には関係ないので、読まなくても差し支えはありません。

※騎士の休日編までのネタバレ含みます

【午前7時】

 鏡の前で歯ブラシを持つことから、私の朝ははじまる。

 昨晩はロクに髪を乾かさずに寝てしまったため、肩まで伸びた茜色の髪は所々跳ねてしまっていた。

 同室のレナス隊長が、酔った勢いでドライヤーを粉砕したのが原因である。

 隊長は本当に良く物を壊す。普段は、フロレンティアを守る『ガリレオ治安維持騎士団』の第4小隊隊長として素晴らしい活躍を見せるのに、酔っぱらった隊長は騎士と言うより破壊神だ。

 副官として何とかせねばと思うが、破壊神と化した隊長を扱えるのは彼女と同期のヒューズ隊長くらいである。



【午前7時5分】

 ようやく寝癖が直る。日頃から化粧もせず、休日でさえ男物の服ばかり着ている所為で外見を気にしない女子だと思われているが、これでも身だしなみには気をつかっている。

 勿論それは最近出来た恋人のためではなく、騎士としてだらしない格好は出来ないという職業意識から来る物である。別に寝癖をからかわれたとかではない。断じてない。



【午前7時10分】

 きちっとアイロンがかけられた制服を、鍵付きのクローゼットから取り出し、今日も一日よろしくと心の中で声をかける。

 私達ガリレオ治安維持騎士団の制服は全部で3種類あり、私が手に取ったのは「勤務服」と呼ばれる物だ。

 式典などで使う礼装、大規模戦闘などの時に使用する特殊戦闘服が他にあるが、一番着る機会が多いのはこの勤務服で、街行くガリレオの騎士は皆この服を着用している。

 残念ながら、有名デザイナーが作ったガラハドの制服に比べると、この勤務服は決して格好が良い物ではない。しかし私は、むしろそこが気に入っている。

 丈夫さだけが取り柄のえんじ色と黒を基調とした制服は、元々男性用にデザインされた物なので女性が着ると体のラインが出ず少し不格好だが、私のような体格…認めたくはないがまな板と称される胸が目立たないのがいい。凄くいい。

 また動きやすさを重視するために、ステイツの警察騎士団で使われている制服デザインを取り入れているのだが、ここがなにより私の好みなのである。

 今思うと、昔好きだった警察騎士団を舞台にした映画の衣装にそっくりだ。私はあの映画が大好きで、父にせがんで4回も見に行った。

 ……まさか、それがきっかけでこのデザインを採用したのではと思ってしまうのは、親ばかな私の父こそがガリレオ騎士団の団長だからである。

 しかしさすがにそれは………ないと言い切りたいが、ありそうでこまる。



【午前7時12分】

 嫌な想像を振り払い、さっそく着替えを開始する。

 ズボンの裾を無骨なアーミーブーツにしまい、紐を結んでまずは一息。

 ブーツは女用の細身の物もあるが、私は格好いいのでこちらを使っている。

 それから色気がないとレナス隊長にからかわれるスポーツ用の下着を着け、その上からタンクトップ、シャツ、上着を重ねていく。

 シャツ及び上着のボタンを全て留め、最後に騎士団に入団した記念に父から貰った剣と、それを差すベルトを右肩から斜めがけに装着すれば、ガリレオの騎士の完成だ。


 

【午前7時15分】

 鏡の前で最後の服装チェック。いつ見ても自分の背の低さがきになる。

 156という身長は騎士としては低い。

 これであと5センチ背が高かったらと思いつつ、牛乳を冷蔵庫から取り出す。

 まだ18になったばかりだし、レナス隊長は今も背が伸びていると言っていたので、きっと希望はあるはずだ。



【午前7時半20分】

 朝食用にと買っておいたサンドイッチをレナス隊長の夜食にされてしまったためシリアルで代用。

 そこでようやくレナス隊長が起きてくるがソファーの上でまた寝た。

 多分今日も遅刻だと思うが、隊長を起こす技術はまだないので放置する。



【午前8時】

 ちょっと早めに家を出る。入れ違いでヒューズ隊長がレナス隊長をおこしにやってくる。

 今日もお疲れ様である。



【午前8時10分】

 シリアルだけではお腹が減ったので、朝からあいているバールに入る。

 パニーニを5個とピザを1ホールとサラダを買って外に出る。



【午前8時半】

 騎士団近くの広場で朝食を取ろうとしたら、巡回中のヴィンセント様と鉢合わせしてしまった。

 朝食の量を見られてしまった。恥ずかしくて死にたくなる。



【午前8時40分】

 ヴィンセント様が巡回に戻らない。

 朝食を食べるのに忙しいと言っているのに、今日も無駄に私を混乱させる世辞ばかりいう。

 エメラルド色の瞳が素敵だという褒め言葉は今日だけで3度目である。3度目なのにドキドキする。

 始めて合コンで遭遇したときから思っていたが、どうしてこの人は心拍数を上げる言葉ばかりを口にするのだろう。

 王子と名の付く生き物はそういう物なのだろうか。

 でもこの人は元マフィアだし、人種的にはヴァンパイアでもある。

 …でもよくよく考えると、どれも女の人に甘い言葉を囁くイメージだ。

 よりにもよってそれを3つもあわせているなんて、恋愛初心者の自分では勝てる気がしない。

 初めての彼氏はもっと地味な人でも良かった気がする。



【午前8時45分】

 朝食を終えると、ようやくヴィンセント様が騎士団に戻ると言い出す。側にいられると落ち着かないが、いなくなるとそれはそれで寂しいと思ってしまう。

 そんな少女的思考回路が働いてしまった所為だろう。

 ヴィンセント様が突然、騎士団まで送ると言い出した。

 恋人同士で出勤なんて恥ずかしくて今度こそ死んでしまう。

 慌てて拒否すると、変わりにキスを要求された。

 悩みに悩んだが、結局頬へのキスで許して貰う。朝から、体力がかなり減った気がする。



【午前8時50分】

 事務局の前で騎士団長のヴィートがなにやら叱られているが無視する。

 しかし目ざとく気付かれる。

 ふと今朝の疑問を思い出し尋ねたところ、「ついに気付いてくれたか!かっこいいだろう!」と言わんばかりの笑顔で変なポーズ(多分カッコつけている)を取られた。

 考えが透けているのもそうだが、職場でも馴れ馴れしすぎるのは騎士団長としてどうかと思う。



【午前8時55分】

 机の上に花束が置かれていた。またヴンセント様かと思ったら祖父ノンノからだった。

 ちょっと嬉しいとおもったが、祖父ノンノが変なポーズ(多分カッコつけている)をしているポストカードが10枚もついていた。正直こんなにいらない。



【午前9時】

 就業時間開始。レナス隊長どころか誰も来ない。

 しかし時間を守らないのはフロレンティア人の義務のようなものなので待つしかない。



【午前9時10分】

 まだ誰も来ない。しかしこれもいつものことだ。

 基本的に、有事と合コンの時だけやる気を出すのが、この小隊の特性である。

 他の隊とは違い、第4小隊は戦闘技術に特化した女性だけで構成されている。

 故に重要視されるのは血の気の多さと戦闘センスであり、それがあれば多少変人でもレナス隊長が構わず連れてきてしまうのである。

 それは隣の第5小隊も同じで、この二つの班はガリレオ騎士団の珍獣部隊とも言われているらしい。

 その中に入れられているのは少々納得がいかないが、得意の剣術を生かす機会が多いのはありがたいので文句は言わない。

 …言わないが、やはり一人で皆を待つのは寂しいので早く来て欲しいところではある。



【午前9時15分】

 レナス隊長を除き、何とか全員集合する。隊長のことはヒューズ隊長に探しに行かせる。



【午前9時25分】

 レナス隊長がヒューズ隊長に担がれながら出勤。

 二日酔いが酷くて、近くの公園で寝ていたらしい。

 噂ではまた合コンで失敗したそうだ。これはたぶん、今日一日荒れる。



【午前9時30分】

 朝の朝礼を開始。予定の確認と点呼を行いようやくの業務開始。

わかりにくいよ!

と自分でも軽く思っているので、ツッコミ等があればお気軽にどうぞ。

普通がいい…というご要望が在れば、別途制作しますので。

※08/12誤字修正しました(ご指摘ありがとうございました)

※11/4誤字修正しました(ご指摘ありがとうございます)

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