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右手に剣を左手に恋を  作者: 28号
■男達の秘め事編■
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Episode03-2 怒りの火種はゴシップ誌

 町中をずんずん歩いていくキアラを追いかけながら、レナスは持ってきてしまったゴシップ誌にもう一度目を走らせた。

 写真に写った男はどこからどう見てもヴィンセントだった。この手の雑誌は記事のねつ造も多いが、そう言う場合はこんなはっきりした写真は載せない。

 となればやはりこれは本人だ。しかしキアラにご執心な彼が、違う女に手を出すはずがないとレナスは確信している。

 不気味なくらい本心が読み取れない背中に目を戻し、レナスはキアラにどう声をかけようかと思考を巡らせる。

 そのとき、キアラの足が唐突に止まった。そこはゴシップ誌でヴィンセントの背後に写っていたバールである。

 開店準備中のそこに、キアラは躊躇いもなく入った。

 何をするつもりかとレナスが尋ねようとした次の瞬間、キアラが剣を抜いた。

「ガリレオ騎士団だ! 店の責任者をだせ!」

 突然の抜刀に店員が息を呑む。もちろんレナスもだ。

「わ、私が店長です!」

 奥から出てきた老年の男に、キアラが剣を向ける。

「昨日、ヴィンセント王子がここに来たか?」

「は…はい」

「一緒にいたのは誰だ!」

「き、貴族のご令嬢のようでした。お名前は存じませんが、今日も会うお約束をされていたようでした」

 そうか。と短く答えて、キアラは抜き身の剣を持ったまま店を出て行った。

 その一連の様子に、レナスは薄ら寒い物を覚える。

 あれは、確実に怒っている。それも、今すぐヴィンセントとその相手を斬り殺しそうなほど。

「お騒がせしました」

 愛想笑いを浮かべつつ、レナスは耳に付けているイヤリング型の通信機の周波数を、ヒューズの通信機の物にあわせた。


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