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右手に剣を左手に恋を  作者: 28号
■隊長達の受難編■
32/139

Episode04-3 第四小隊隊長レナス=マクスウェル

「さあ、あとはお前だけだ!」

 側に倒れているガリレオの騎士をかばうように剣を構えながら、アルベールは目の前に立つ騎士をにらむ。

 騎士はガラハドの服を着ていたが、その顔に見覚えはない。

 敵はガリレオだけでなく、ガラハドの騎士にも化けていたのだ。そしてそれに気づかず接近を許してしまい、アルベールもまた肩に傷を負っていた。

「さあ、お前にはここで死んでもらうぜ」

「貴様等のようなやつに、やられる僕ではない」

 そう言って剣を薙ぐアルベール。手応えは十分だった。

 だが……

「そんな一撃じゃ、俺たちは殺せないぜ」

 騎士はなおも立っていた。不気味で邪悪な笑顔をたたえて。

「不死者…か」

「気づいたところで遅いぜ、王子様」

 にやりと笑い、剣を振り上げる騎士。だがその腕に、レナスが投げつけたナイフが突き刺さった。

 絶叫する騎士。続けざまに、レナスは隠し持っていた投げナイフを更に放る。

 それは騎士の額に深々と突き刺さり、絶叫はさらに大きくなった。

 手持ちのナイフを騎士達に投げ終ると同時に、レナスは駆ける。

 その腕に剣はない。だが、彼女にはためらいもなかった。

 絶叫し剣を振り回す騎士達。

 しかしレナスはそれを軽い身のかわしでよけていく。

 見たところ不死者と化している騎士はアルベールの側にいる1人のみのようだった。

 人ならば拳でいけると判断し、レナスは手前の騎士の股間蹴り上げる。

 激痛で腰を折った騎士の首に手刀をたたき込んで昏倒させ、同様の攻撃でもう1人をたおす。

 残りは不死者一人。

 最後の騎士が落とした剣を拾い上げ、ナイフが刺さったままうずくまっている不死者の首にそれを突きつける。

「首を切りとばせば、不死者も死ぬのよ? おわかり?」

 レナスの言葉に、不死者は悲鳴を上げて後ずさった。

 そしてそのまま彼は別の車両に逃げようとする。

 だがそこに二つの影が立ちはだかった。

「逃がすとでも?」

 剣を構えたヴィンセントとキアラに、不死者は再び情けない叫び声を上げる。

「前の車両の敵は制圧しました」

「ご苦労」

 そう言うと同時に、レナスは不死者の肩に手を置く。

「安心しなさい。ウチの騎士団じゃ、罪人の扱いは生者も死者も同じ。抵抗しなきゃちゃーんと牢屋に入れてあげる」

 レナスの言葉に不死者は泣きながら頷いた。

「キアラ、拘束しろ」

「はい、隊長」

 敬礼してから、キアラはアルベールの姿に気がついた。

 しまったと思い、腕をおろそうとするキアラの腕をレナスが止める。

 いいんだと苦笑してから、レナスはアルベールを振り返った。

「身分を偽っていたことをお許し下さい。私はガリレオ騎士団第四小隊隊長レナス=マクスウェル。第4王子アルベール様の護衛を命じられた騎士です」

 


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