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右手に剣を左手に恋を  作者: 28号
■騎士の初恋編■
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Episode04-2 男よりも漢らしく

 隊員達が落ち着いたのと、隊服に着替えたレナスが駆け込んできたのはほぼ同時だった。

 事情を説明した文はすでに読んでいると思われたが、お世辞にも彼女の機嫌は良いとは言えず、

「ボートをひっくり返した言い訳はわかった。だが、人様のデートをぶち壊しておいて、ただで済むとは思うなよ」

 キアラとヴィンセントに対する第一声はそれだった。

「アルベールには、後で俺からちゃんとフォローしておくよ」

「何があっても、私の本性はばらすなよ。王子だからとか、恋する女の前ではそう言うの関係ないから。本気でぶっ殺すから」

 その本気が、嘘でないのがレナスの怖いところだ。

「それで、これからどうするつもりだご両人? 貴族に喧嘩を売るそうだが、どんな作戦で行く?」

 けんかを売りに行くとわかっていながら、止めに入らないのが第4小隊である。レナスはもちろん、他の隊士達も説明する前からやる気満々だ。たぶん、盗賊退治が不発に終わったことでストレスもたまっているのだろう。そのはけ口があるとわかれば、のらない手はない。

「ワインをダシに強制捜査をかけたい。場所はヴィッチーニ家の本邸、その地下に奴らの研究所があるはずだ。それさえ見つかれば、言い逃れが出来ないほどの証拠になる」

「捜査権の発動は、私が上に掛け合う。あんたからの情報だと言えば、うちの団長は喜んで出動許可を出すぞ」

「貴族からの圧力が合ったらどうする?」

 まだ少し不安そうなヴィンセントに、キアラが笑った。

「かかる前に、敵をつぶします」

 あまりに男らしい発言に、ヴィンセントは舌を巻くしかない。

どこまでもまっすぐに、彼女たちは悪と立ち向かうのだ。それはヴィンセントにとって、少しうらやましいものだった。

「作戦は今夜。昨日の騒ぎで、私達が共闘する可能性を敵も考えているだろうし、なるべく早く乗り込みたい」

 レナスの言葉に、キアラが素早く指示を飛ばす。

「ガブリエッラとアドーレは、屋敷の見取り図入手に尽力しろ」

「ドーラは屋敷の周辺をはって、現状を逐一報告」

「ロベルタは、第5小隊に応援要請」

「そのほかの隊士は一六○○(ひとろくまるまる)まで本部にて待機。ただし出来る限りの準備はすませておけ」

 キアラの指示に、隊士達は素早く部屋を出て行く。

「早いな」

 それがヴィンセントの感想だった。ガラハド騎士団は元々、貴族出身のボンボンの集まりで、正直命に関わるような危険な任務はあまり回ってこない。それを騎士達も重々承知なので、任務に対しての危機感ややる気があまり無いのだ。

 もともとそこまで治安が悪い国ではないが、率先して盗賊退治に行くような度胸のある騎士はいないし、そもそもそのような依頼は自分で受けず、ガリレオ騎士団に回している節もある。それをヴィンセントは快く思っていなかったが、なるほど、この行動力ならば下手にガラハドの騎士達に任せるよりも効率が良いかもしれない。

「女性に頼ってばかりで、申し訳ないとは思うのだが」

「とかいって、私達のこと自分の部下より男らしいとか思ったんでしょ?」

 レナスの言葉は図星で、ヴィンセントは苦笑で誤魔化した。


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