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右手に剣を左手に恋を  作者: 28号
■騎士の初恋編■
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Episode04-1 秘密の園の現実

 ヴィンセントが、ガリレオ騎士団の本部に足を踏み入れたのは、これがはじめてだった。

 ガラハド騎士団本部より一回り小さいその建物は、没落した貴族の屋敷を改装して作られたらしい。本部内に訓練所や武道場はないそうだが、裏手にある騎士学校と提携しているので訓練場所には事欠かず、本部と騎士達が使う事務室及びロッカールームやシャワー室のみが本部内には置かれているらしい。

「見ても、絶望しないでくださいね」

 そう言ってキアラが案内したのは第4小隊の隊員室で。中を見てようやく、ヴィンセントは言葉の意味を悟った。

 女だけの小隊だから、綺麗に整頓されているのかと思いきや、現実はそう甘くない。

 更衣室が並列しているので、隊室は仄かに汗くさく、部屋のあちこちに制服や書類が散乱している。

「異性の目を気にしない分、ついつい手抜きしちゃうんですよね。まあ、あなたみたいな男になら、見られても痛くもかゆくもないんですけど」

 との、おきまりのそつない説明を聞きながら部屋に入ってきたヴィンセントに、隊室に残っていた10名ほどの隊士達が、絶叫した。

「何で、よりにもよって男を連れてくるのよばか!」

「せめて事前に連絡しなさいよ!」

 そんな罵声を浴びながら、隊士達は食い散らかしたお菓子や脱いだままの制服を素早く片づける。

「基本的に、部屋にいるときは休憩時間なんでー」

 と誰かが口にしたフォローに、ヴィンセントは笑顔で、気にするなと告げる。

 その笑顔に、隊員達はようやく彼の素性を見抜き、2度目の絶叫を上げた。


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