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右手に剣を左手に恋を  作者: 28号
■隊長達の絆編■
105/139

Episode06-1 異変と相談

 何かがおかしい。

 明らかにおかしい。

 けれどそれを、なぜおかしいと感じるのかがわからない。

 そんな奇妙な異変に、最初に気付いたのはキアラであった。

 異変が始まったのは5日前。 

 しかしその異変はとても形容しがたい物で、それに気付いたきっかけも非常におかしなものだった。

 でも異変は何か悪いことが起きる前触れのようで、異変に気付いてから5日目の今日、キアラの不安は限界に達した。

 もはや一人で背負うには限界だと感じたのだキアラが、相談に相手に選んだのは恋人。

 カルチョ・ストーリコの決勝を明後日に控えた恋人は、騎士団の仕事など色々と忙しいようだったが、彼女の電話にむしろ喜び、すぐさま会ってくれると言う。

 だが外に出ると色々と面倒なそうなので、彼が会う場所に選んだのはアルベールの部屋だった。

「何でアルベール様の部屋なんですか?」

「俺の家は嫌かと思って」

「どこでも気にしませんよ」

「でも使用人も、誰もいないんだぞ」

「別にお茶とかはいりません」

「そう言う問題じゃない」

「あ、別にお菓子もいりませんよ。相談したらすぐ帰るつもりですし」

 お構いなくと言い切れば、受話器の向こうでヴィンセントが大きく息を吐く。

「君は俺を悩ませる天才だな」

「だからお気遣い無くと言ってるじゃありませんか」

「君はアレだろう。キスしたら子どもが出来るとか思ってる口だろう」

「失敬ですね。性交渉で出来ることくらい知っています」

「些細なことで恥じらうくせに、意外とそう言うところは男らしいんだな」

 意味がわかりませんと唸れば、ヴィンセントはため息を苦笑に変えた。

「俺の言葉の意味に気付くまでは、俺の家には上げられないな」

 だからアルベールの部屋でとつげられ、キアラは渋々受話器を置いた。


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