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右手に剣を左手に恋を  作者: 28号
■隊長達の絆編■
102/139

Episode05-1 勝利の恩恵は困惑の始まり

「みてよほら、僕が一面!」

 自分が一面を飾る新聞を手に、アルベールがレナスの元へとやってきたのは試合の翌日のことであった。

「…聞こえてるから、もう少し小さな声でお願い」

 無駄に元気なアルベールとは対照的に、レナスの顔色は悪い。原因は勿論二日酔いだ。

 ヴィートのおごりだというので調子に乗り、昨日はいつもの3倍も飲んでしまった。

 案の定昨晩の記憶はほとんど無く、気がついたらよりにもよって騎士団の仮眠室で爆睡していた。

 お陰で頭痛はいつもより酷く、アルベールの声は酷くこたえる。

「あとこの雑誌と、これとこれにも写真が載ってるんだ」

 さあ僕を見て!と、子犬のようにまとわりつくアルベールに根負けし、レナスは彼が手にする雑誌を受け取る。

 彼が持っているのは若者向けのゴシップ誌だ。

 ステイツや英国の映画スターを主に取り扱うが、見てくれの良い王子などが紙面を飾る事も多い。

 特にヴィンセントはウケが良いらしく、アルベール以上に取り上げられる事が多かった。

 今回もアルベール以上に紙面を割いているのはヴィンセント。キアラが見たらまたいじけるなと苦笑しつつ眺めていたが、とある写真の前でレナスは唐突に息をのむ。

 理由は、ヴィンセントの写真の横に、最も加わって欲しくない男の姿が写っていたからだ。

「…なんでヒューズがいるのよ」

「それより僕の…」

「なんでだってきいてんの!」

 思わずアルベールを締め上げれば、僕にわかるわけ無いだろうと泣き言が帰ってくる。

「…でもたかだか1ページだしさ。ちょっとした気まぐれみたいなもんだよ」

 昨日は3人の連係プレイで勝ったような物だしとアルベールがつげれば、レナスは渋々彼を放す。

「あ、でも誤解しないでよ! この雑誌の所為で僕の所に女の子が沢山来ても、僕の心はレナスさんの物だから」

「…女の子、くるんだ」

 その一言をアルベールは自分への嫉妬だと受け取り上機嫌になる。

 だが彼女が見ていたのは、もちろん彼の写真ではなかった。

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