ガチャ093回目:ウルフの精算
ルミア姉さんのところでの用事はさっくりと済ませ、俺達は冒険者ギルドへと向かう。そしていつものようにカウンター付近でレイチェルさんに声をかけて、いつもの奥の部屋へと案内された。
こうも毎日のようにギルマスの部屋を訪れるDランクなんて、俺くらいのもんだよな。
「おう、戻ったか。どうだったフォレストウルフの様子は」
「やっぱりダンジョン化してたので、ボスを倒して機能停止して来ました」
テーブルに『魔素転送装置』と冒険者証を置いてさっくりと説明する。
「まるで散歩して来たみたいにケロリとしやがって。詳しく話せ」
そして俺はイリスの事を伏せた状態で、原住民のボスウルフことフォボスと協力して、ダンジョンから出現したフォレストウルフと『フォレストボスウルフ』を撃滅した事を伝えた。
「おまえ、テイムのスキルもあるのか?」
「テイムは持ってないですよ。まあ経験はありますけど」
「スキルなしの経験ってなんなんだよ……。まあ、冒険者証は嘘をつけねえからな。信じるしかないか」
こういう時、冒険者証の討伐情報自動書き込み機能は助かるよなー。それ見れば何して来たか一目瞭然だもんな。
「あ、レイチェルさん。これ確認お願いします」
「あ、薬草類だね。任せてー」
「で、この『フォレストボスウルフ』もそうだが、フォレストウルフも未解体ってことで良いんだな?」
「はい。今日もお願いします」
「しゃあねえな~」
おっさんはちょっと嬉しそうに言った。多分、昨日の肉が想定よりも美味かったのと、売り上げに貢献したのが大きかったんだろう。
「ただ、ボスに関しては周囲に通常のウルフが大量にいる中での戦闘だったので、素材よりも即殺を優先しました。なのでまあ……割とひどい事になってます」
「そうなのか……。残念だが、そればかりは仕方がないな。坊主は金稼ぎに全力なのかと思いきや、ちゃんと自分の命を大事にしてくれてるようで安心だよ」
「自分にできる事とできないことの線引きはできてるつもりですから」
素材は大事だが、命ほどじゃないからな。
「ショウタさん、査定終わりましたよー」
「ショウタくん、こっちもチェック終わったわ」
「ありがとうございます」
彼女達からいつものようにリザルト表を受け取る。
・リーフ草 判定S 13本×(120G+特別報酬80G)=2600G
・リフレス草 判定A 11本×150G=1650G
・解毒草 判定S 15本×400G=6000G
・シビレ花 判定A 3本×600G=1800G
・シビレ花 判定B 5本×400G=2000G
・ドクテング 判定A 2本×800G=1600G
・ドクテング 判定B 5本×500G=2500G
累計:1万8150G
・フォレストウルフLv8:28体×150G=4200G
・フォレストウルフLv9:28体×200G=5600G
・フォレストウルフLv10:36体×300G=10800G
・フォレストボスウルフLv20:1体 40000G
・フォレストボスウルフ特別報酬:30000G
累計:9万600G
合計:10万8750G
残高:49万0960G
うんうん、良い感じだな。この後肉の処理か~。
「しっかし、残るは2つか」
「フォレストラムとオークでしたっけ?」
「ああそうだ。どっちも食用として人気だが、前者は敵対行動を取るまでは大人しいのに対して、後者は人間に敵対的だ。だからできる事ならラムの方は残してほしいところだが……」
「じゃあ、明日はラムの所に行きますよ。もしもボスが人に対して平和的に動いてくれる相手なら無視しますね」
「おう、助かる。一応ダンジョンの位置はこの辺りだ」
地図を見せて貰ったが、まずフォレストラムの出現地帯はかなり広く、辺り一帯が牧草地帯となっており、時折森が混在したりするエリアのようだ。
そして肝心のダンジョンの位置はその中心部にある森だそうな。
「キラーラビットやフォレストウルフの時もそうだったけど、なんでダンジョンの位置が曖昧なんだ……?」
「いやぁ、俺の前任がかなり杜撰な奴でな。その辺りの管理が全然できて無くて、俺が引き継いだ時には既にこんな感じだったんだよ」
今以上に杜撰だったのか……。
「まあ無いなら仕方ないか。とりあえず、今はウルフの解体ですね」
そうして昨日と同様解体場まで足を運び、全員でウルフの解体を進めた。
と言っても、持ち帰った数は昨日のキラーラビットよりも多い82体+ボスだ。その全てがデカい体躯をしていた為、一気にすべてを放出する事は叶わず、半分ずつ解体する羽目になってしまった。
通常のウルフから採取できたのは皮、牙と爪、それから肉だ。ウルフの肉は全体的に硬い為スープ用としては売れるがそこまで価値がある訳でもないらしい。ただ逆に、他の素材はキラーラビットよりも高値で取引されているそうだ。
そしてボスは全体的にボロボロではあったものの、無事だった部分の素材を採取し、魔石を貰い受ける。これで『中魔石』は3つ目か。
・フォレストウルフの皮 判定S 66枚×300G=19800G
・フォレストウルフの皮 判定A 16枚×150G=2400G
・フォレストウルフの爪 判定S 228本×400G=91200G
・フォレストウルフの爪 判定A 146本×200G=29200G
・フォレストウルフの牙 判定S 184本×500G=92000G
・フォレストウルフの牙 判定A 132本×250G=33000G
・フォレストウルフの肉 判定S 640kg×200G=128000G
・フォレストウルフの肉 判定A 180kg×100G=18000G
・フォレストボスウルフの皮 判定A 2枚×8000G=16000G
・フォレストボスウルフの爪 判定A 6本×4000G=24000G
・フォレストボスウルフの牙 判定A 4本×4000G=16000G
・フォレストボスウルフの肉 判定A 50kg×1000G=50000G
・解体費用 中個体82体×100G=8200G
・解体費用 大個体1体×300G=300G
合計:51万1100G
残高:100万2060G
あー、確かにこれは素材の方が美味しいな。もう100万になっちゃった。
けど、S判定の肉が多すぎて結局安価と言われてた肉も美味しい扱いになっちゃってるけど。そして上記の物とは別に、通常の肉Sを5kgと、ボスの肉Aを3kg、別途貰って置いた。これで今日も肉パーティー決定だな。
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