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ガチャ068回目:マナの基礎理論

「ふむふむ?」

『プル~?』


 俺達は引き続き本を読み進めていた。


「マナは身体の全身を駆け巡る小マナと、その中心となる大マナに別れていると。これはまあ何となくわかるな」

『プル』

「そして魔法を使う為には大マナに直接アクセスしてマナを抽出する方法と、魔法行使のために小マナの通り道を1本作製してそこから徐々に汲み取る方法があると」

『プルル~?』

「前者は行使し続けると命の危険があり、後者は作成が大変だがセーフティが発生し、必要以上にマナの抽出ができないようになっていると。……地球での魔法運用は後者っぽいな。気分が悪くなるアレだ」

『プルル~ン』


 となれば、俺達が覚えるべきは慣れ親しんだ後者だな。

 幸い、この本にも前者は非推奨とされており詳しいやり方は載ってないみたいだし。限界以上の魔力を扱うような場面なんて想像したくはない上に、そんな手法を覚えようものなら『次元跳躍』であっさり魔力超過を起こして死にかねない。

 うん、この技法は身に着けてはいけないな。


「……お、あった。マナの知覚方法と小マナの作り方」

『プル~!』

「ん?」


 記載されていたマナの知覚方法として代表的な物は以下。

・マナの伝道者にマナを視てもらう。

・マナを対価に発動する魔導具を使用する。

・魔導書を用いて、魔導書経由で魔法を発動させプロセスを身体で覚える。


「……どれもあの魔法具店で解決しそうではあるな」

『プル~』

「けど、3つ目の例。これは所謂、魔法を発動する事でマナの何たるかを理解しろって奴だろ。なら、俺達はもうあっちの世界でバンバン魔法を使って来たし、行けるんじゃないか?」

『プル? プルル~?』

「とりあえず、魔法を使っていた時の感覚を思い出してみよう」

『プル!』


 俺が過去に使用して来た魔法の数々。あれらはスキルという確定された結果を導く概念的存在により、俺達の技量なんて関係なしに魔法という結果を生み出していた。けど、何十何百という魔法発動のプロセスには、間違いなく魔力が行使されていた。俺達の自覚無しに、強制的にそいつらは使用され続けていた。

 イリスの場合はそれに加え、『魔石操作』による魔力供給が食事と同じくらい好きだった。おやつ代わりに魔石を食べる事でも魔力を取り込んでいたはずだ。

 そして何も特別な事をしていたのはイリスだけではない。

 俺も『魔石操作』によるゴーレム維持によって常に魔力が消耗し続け、『魔力回復』のスキルレベルが低い時なんかは、『(ブースト)スキル』の使用時に維持費と合わせて回復より消費が上回り、魔力がガリガリと削られるなんてこともあった。

 あの時に何か大事な物が喪われて行った感覚。あれこそが魔力でありマナであるはずだ。それを思い出す。思い出すんだ……!


「……」

『……』

「……」


【スキルの獲得条件を満たしました】

【スキル:基礎マナ理論、魔力操作Lv1を取得】


 おお! スキルを覚えたぞ!!


「よしっ!」

「わぁっ!」

「え?」


 ガッツポーズをすると、目の前には驚いているカリンちゃんがいた。

 え、なんで? いつの間に??


「びっくりしたよ~。お兄さん、すごい集中してたよね。そのご本でお勉強してたの?」

「あ、ああ。魔法についてね」

「魔法! やっぱりお兄さんはすごいなー」


 カリンちゃんは目をキラキラさせている。


「それで、なんでここに?」

「あ、そうだった。えっとね、お昼の時間だから呼びに来たんだよ。けどノックしても反応ないし、寝てるのかなって思ったら座って動かないし、声かけてもぶつぶつ言ってたから、待ってたの」

「そ、そうか」


 集中してたら周りが見えなくなるのはよくある事だが、深く考え込み過ぎてたか。


「それでねお兄さん」

「うん」

「それ……」

「ん? あ……」


 カリンちゃんの指差した先は、俺の右肩。

 プルプルと震えながら未だに思考の海に囚われているイリスの姿があった。今まではイリスも、毎朝起こしに来てくれているカリンちゃんからは上手く立ち回る事で隠れられていたけど、ついに年貢の納め時が来てしまったようだ。まあ、イリスも俺と似たのか、深く入り込むと反応しなくなる時が時折あったんだよな~。


「あ~……そのだな」

『プルン!!』

「わっ!?」

『プル? プル~!?』

「あー……」


 イリスも悟りを得た感じからして、スキルを得たか。そして現状に気付いたようだ。

 ……一応、スキルのチェックをしておくか。


*****

名前:天地 翔太

年齢:17

レベル:22

腕力:25

器用:25

頑丈:25

俊敏:25

魔力:23

知力:23

運:42


(ユニーク)スキル】レベルガチャEX、特殊鑑定Lv1、異世界言語理解Lv2

(パッシブ)スキル】炎耐性Lv1、体術Lv2、剣の心得Lv2、槍の心得Lv2、投擲Lv2、暗殺術Lv3

(アーツ)スキル】暗視

(マジック)スキル】基礎マナ理論、魔力操作Lv1

(スペシャル)スキル】次元跳躍


称号:%#$£の###、ダンジョンの解放者

*****

名前:イリス

存在位格:『普通(ノーマル)

コア:極小魔石


レベル:22

腕力:135

器用:135

頑丈:135

俊敏:135

魔力:135

知力:135

運:なし


(パッシブ)スキル】炎耐性Lv1、暗殺術Lv4

(アーツ)スキル】暗視、チャージアタック、悪食Lv1

(マジック)スキル】基礎マナ理論、魔力操作Lv1、魔力回復Lv2

(スペシャル)スキル】形状変化Lv4、性質変化Lv2

*****


 うん、完璧だな。

 さて、あとはカリンちゃんへの言い訳を考えなきゃな。

読者の皆様へ


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