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ガチャ061回目:炎の剣

 イリスが掲げる炎の剣に、俺もキングも目を奪われていた。なんだアレは!?


 名称:炎を纏う磨かれた鉄の剣

 品格:≪希少≫レア

 種別:剣

 武器レベル:10(+2)

 説明:特殊な手段で磨き上げられた鉄の剣に、可燃性の液体を塗りたくることで炎を纏わせている。刃こぼれ一つなく美しく磨かれており、その輝きは人を惹きつけ、本来以上の切れ味を誇る。

 ★この剣で斬りつけると、対象は高い確率で火傷を負い、低確率で炎上する。


 可燃性の液体? そんなものがこの砦にはあったのか?

 いや、それがあるからこそ、ここまで砦に火を付けることができたのか。何にせよ、能力としては文字通り付け焼き刃程度の威力しかなさそうだが、オプション効果が確率とは言え高性能だ。アレで攻撃されればキングもタダでは済むまい。


『プル~ン! プル~ン!』

『グオオッ!!』


 イリスが器用に剣を振り回し。キングの気を引いている。今の内に数歩下がって……。


「っでええい!」


 全力で槍を投擲した。


『グオオアッ!?』


 槍は見事にキングの右目に突き刺ささり、重傷を負わせることに成功する。相手は3メートルを超す巨体なのだ。普通にやっても俺の攻撃は首元にすら届くかも怪しいから、こうするのが一番いいと踏んでいたのだが、中々チャンスが無かった。

 イリスのおかげで、その機会が得られた。ナイスだイリス。


『グオオオ……!!』

「イリス!」

『プル!』


 イリスから燃え盛る剣を受け取り、亜銀の剣を抜く。奴はまだ顔を抑えているし、槍は刺さったままだ。

 ここから畳みかける!


「うおおお!」

『ガアッ!』


 突撃を仕掛けると、キングは空いた手で剣を振り下ろして来るが、それはもうさっき見た。俺は横に避けると同時に亜銀の剣を振るう事で、頭上で揺れる槍をガツンと叩いてやる。


『グオアッ!?』


 傷口を広げられる痛みは相当な物のはずだ。

 更なる激痛に悶え苦しむ隙をついて、燃え盛る剣で奴の軸足を斬り裂いてやった。


『ガアッ!!?』


 斬り裂かれた足には傷口よりも黒い火傷の痕が付き、出血よりも鈍い痛みが走っていそうだ。だが、その痛みを想像して手加減をしてやる余裕など俺には無い。このまま攻勢を続けるしかない!


『プルル!』

「ん?」


『ビシャッ!』


 イリスがキングの右腰辺りに何かの液体をぶつけた。透明なその液体は一見して水のように見えたが、やたらと粘性があるのか奴の腰にへばりついていた。


『プル! プルプル!』


 イリスが何か必死に伝えようとしている。相変わらず彼の言葉は言語として聞き取れない物ではあったが、何となく理解できない事も無かった。


「そこを斬ればいいんだな!」

『プル~!』

「うおらっ!!」


 もう1度頭上の槍を亜銀の剣で殴打してやる。すると、勢いが良すぎたのか槍はすっぽ抜けてしまったが、ここまで来たら関係ない。俺は身体を回転させつつ、炎の剣で奴の腰を斬り裂いた。


『斬ッ!』

『ボンッ!!』


 斬撃が決まると同時に、奴の腰が大きく爆ぜた。


「うおっ!?」

『プル~!!』


 その衝撃に俺は勢いよく吹き飛ばされるが、幸いにもイリスが飛び出してきてくれたようだ。彼がクッションになってくれたおかげで大怪我を負う事はなかった。


『プルリュ~』

「すまんイリス。助かった」


 急いで起き上がり、半ば潰れるようにペチャンコになっていたイリスを抱え上げる。そして改めてキングの方を見ると、奴も仰向けに倒れ込んでいた。


『グ、オ……』


 生きてはいるようだが、動く事はままならないらしい。

 このままトドメを刺してやる。


「念のため……」


 奴の手足には近づかないようにちょっと遠回りしながら頭の方へと回り込む。そこで奴と視線が合ったが、互いに何も言わずに俺は剣を振り下ろした。


『斬ッ!!』


【レベルアップ】

【レベルが17から22に上昇しました】


【スキルの獲得条件を満たしました】

【スキル:炎耐性Lv1を取得】


「おおー、めっちゃ上がったな。それに『炎耐性』か。……ま、こんな火事場のど真ん中で戦った上に、爆発まで目の前で起きたんだからな。そりゃそうなるか」

『プル~~!!』

「せっかくだ、スキルチェックするか」


*****

名前:天地 翔太

年齢:17

レベル:22

腕力:25

器用:25

頑丈:25

俊敏:25

魔力:23

知力:23

運:42


(ユニーク)スキル】レベルガチャEX、特殊鑑定Lv1、異世界言語理解Lv2

(パッシブ)スキル】炎耐性Lv1、体術Lv2、剣の心得Lv2、槍の心得Lv2、投擲Lv2、暗殺術Lv3

(アーツ)スキル】暗視

(スペシャル)スキル】次元跳躍


称号:%#$£の###、ダンジョンの解放者

*****

名前:イリス

存在位格:『普通(ノーマル)

コア:極小魔石


レベル:22

腕力:135

器用:135

頑丈:135

俊敏:135

魔力:135

知力:135

運:なし


(パッシブ)スキル】炎耐性Lv1、暗殺術Lv4

(アーツ)スキル】暗視、チャージアタック、悪食Lv1

(マジック)スキル】魔力回復Lv2

(スペシャル)スキル】形状変化Lv4、性質変化Lv2

*****


「おお、イリスもスキルが色々と強くなってるぞ!」

『プル~? プルプルル!!』


 『形状変化』と『性質変化』のレベルが上がっている上に、『魔力回復』まで強化されてるってことは、きっと色々と頑張ったんだろう。あと暗殺も。

 やはりさっき爆発したあの液体が『性質変化』によるものなのか?

 気になる所だが、ひとまずアイテムをできるだけ回収して、この場から離れなきゃな。そろそろ息苦しくなってきたし。ああそれと、魔石の回収もあったな。忘れないようにしないと。

読者の皆様へ


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