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ガチャ051回目:示されたリザルト

「さて坊主。冒険者証の裏を確認する前に、ギルドマスターとしていくつか聞いておきたいことがある」


 先ほどまでの和やかな雰囲気から一転して、戦場で遭遇すれば命の危険がありそうな強者のオーラを発して来た。警戒する相手に圧を掛けてボロを出さないか注視してくるところは、向こうでもコッチでも変わらないんだなー。


「どうぞどうぞ」

「……けっ、マジで効いてねえな。まあいい。坊主、お前、聖国や帝国の人間じゃねえよな?」

「せいこく??」


 ってどこだよ。何かの組織名か? 帝国はまあ文字通りだろうけど。

 けどこの雰囲気、ちゃんと答えないといけないっぽいな。


「……どっちも違うけど」

「……やっぱり、嘘はついてません」


 横を見れば、ミランダさんの顔が目と鼻の先にあった。その顔には、安堵の表情が浮かんでいた。おっさんも気が抜けたのか、圧も消え去っていた。

 ……この反応、やっぱり何かウソ発見器的なスキルかアイテムと見ていいな。まあ「この世界の人間じゃないな」なんてダイレクトな質問が飛んでこない限りは、俺の正体が露見する事はないだろう。


「ぽっと出の期待の新人か……。じゃあ最後にもう1つだ。お前、お伽噺に出てくるような、神か魔王にでも目を付けられて『巻き戻しの呪い』を掛けられたとかじゃないよな?」

「……なんだそれ?」


 仕業といえばあの『シンボルマン』のせいだろうけど、あいつが何なのかわかんないんだよな。神なのか魔王なのか、それともまた違う存在なのか。『巻き戻しの呪い』ってのは心当たりがないこともないが……。

 だから正直に答えるとするなら……。


「分からない事は分からないとしか言いようがないな」

「……はい、嘘ではないみたいですね」

「そうかよ。俺としてはそっちの方が濃厚だったんだけどな」


 まあ、当たらずも遠からずといったところか。言わないけども。


「んじゃ本題だ。昨日ミランダ・レイチェル両名からの申告もあり、今朝うちは複数パーティまで受けられる合同のクエストを発行した。目的は坊主が壊したと報告していたダンジョンの事実確認だ」

「壊したというか、元凶を持ち帰ったら機能停止したというかですね」

「どっちも同じ様なもんだろ。それはともかく、この手の仕事はギルドとしちゃ有難いからな。依頼として回させてもらった訳だ。結果、3つのパーティが参加を志願した訳だ」

「ふむ」

「そしたら案の定ゴブリンの集団と接敵して、敗走。ダンジョンに辿り着く前に上位種と接敵して、おめおめと逃げ帰って来た訳だな」

「情けなさすぎる」

「そう言ってやるな。ギルドに所属している奴らの大半は、坊主と違ってずっと格下の奴らとばかり戦って来たんだ。格上や同列の存在が出て来たら、命惜しさに撤退するのも仕方がねえのさ」

「情けなさすぎる」


 大事なことなので2度言うと、おっさんは諦めたかのように肩をすくめるジェスチャーを取った。


「誰もが坊主みてえに毎日が死線を越える戦いができる訳じゃねえんだ。特に、ダンジョンが無くなって弱いモンスターしかいなくなったこの国周辺じゃな」


 日常的にモンスターがいる世界でも、平和が長続きしてしまうと、自然とそうなっちまうか。


「だが、逃げ帰ったとしてもだ。ちゃんと交戦して何体かはきっちりと倒したみたいだし、重い怪我を負ったやつもいなかったんだ。ちゃんと情報を持って帰って来たんだし、褒めてやるべきじゃないか?」

「なるほど、おっさんが甘やかして来た結果だな」

「うぐ」

「安全策も大事だが、現にダンジョンがあったことは確かなんだ。それなりの数のモンスターは集落にいるみたいだし、俺が動かなかったらどう対処するつもりだったんだ?」

「今回の連中は新入り同士で徒党を組んだパーティばかりだったからな。この結果もまあ、読めてはいたんだ。だから、こうなった以上当然ベテランの冒険者を回す。最悪俺が動けば解決はするだろうが、それじゃ後続は育たんからな。何事も経験させてやらなきゃな」

「ふうん……」


 まあ一応考えはあったのか。


「それで、そんなデカい口を叩く坊主は一体どれだけ倒したんだ? 確認しても良いよな?」

「どうぞどうぞ」


 俺は冒険者証を裏返し、タップした。


*****

【討伐モンスター】

ゴブリンLv2:4体

ゴブリンLv3:3体

ゴブリンLv4:5体

ゴブリンLv5:7体

ファイターゴブリンLv5:2体

ファイターゴブリンLv6:7体

ファイターゴブリンLv7:6体

ファイターゴブリンLv8:8体

レンジャーゴブリンLv5:3体

レンジャーゴブリンLv6:7体

レンジャーゴブリンLv7:6体

レンジャーゴブリンLv8:11体

スピアゴブリンLv5:4体

スピアゴブリンLv6:4体

スピアゴブリンLv7:3体

スピアゴブリンLv8:8体

ナイトゴブリンLv5:3体

ナイトゴブリンLv6:7体

ナイトゴブリンLv7:4体

ナイトゴブリンLv8:8体

ホブゴブリンLv8:4体


【精算済みモンスター】

ゴブリンLv2:10体

ゴブリンLv3:11体

ゴブリンLv4:3体

レンジャーゴブリンLv5:1体

レンジャーゴブリンLv6:1体

ファイターゴブリンLv4:1体

ファイターゴブリンLv5:2体

ファイターゴブリンLv6:1体

スピアゴブリンLv5:2体

スピアゴブリンLv7:1体

ナイトゴブリンLv6:1体

ホブゴブリンLv8:2体

ジェネラルゴブリンLv12:1体

*****


「マジかよ……。これだけやっても、FFFなのかよ……」

「ショウタくん、凄い……」

「いやー、いっぱい倒したな~」

『(プルル~……)』


 2人は驚き、俺は暢気に感嘆し、イリスはお腹空いたと嘆いた。

読者の皆様へ


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