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ガチャ035回目:2対8

 最奥の部屋から2番目の部屋に戻って来た俺達は、部屋を見回して改めてその惨状を確認した。ゴブリンの死体が9つだ。1体は胸の周りが解体され、他の連中は首元から血を流したり骨を折られて死んでいる。

 中々凄惨な殺人現場だ。ゴブリンを人と見るならの話だが。


「よし、イリス」

『プル~?』

「略奪の時間だ!」

『プル~~!』


 感傷に浸っている時間はない。ダンジョンが無くなり新しいモンスターが湧いてこなくなったとはいえ、今まで湧いてきていたモンスターは残っているのだ。いずれ、異変を察知して集落に集まっていたゴブリン共にも知られるだろう。その先発隊が迫ってきているのかもしれないのだ。

 この洞窟で戦うのも悪くはないが、今の俺達はレベルが上がったとはいえ疲労はある。もしも遠距離系の使い手が来たら勝率は格段に下がるし、出口がない以上逃げる事ができない。さっさと金目の物を取って撤収しなければな。


「戦利品は以上か」

『プル~!』


【トレジャー】

・錆びた鉄の短剣:6本。

・鉄の短剣:1本。

・鉄の剣:3本。

・鉄の槍:2本。

・鋼鉄の剣:1本。

・鉄の大槌:1本。

・レザーアーマー:6個。

・鋼鉄の防具一式:1個。

・小魔石1個。

・アイテム小袋1個。


 最後のアイテム袋はジェネラルが隠し持っていたもので、連中が自前で用意したのか他の冒険者から奪ったのかは不明だが、中にはポーションらしきアイテムが2つと、数枚の銀貨が入っていた。


「ゲームによってはモンスターが金を落としたりするけど、あいつら金を使う文化なんてないのに、不思議なんだよな」

『プル~』


 やはり誰かから奪った物なのか、それとも他所の誰かとそういうやりとりをする文化と知力があるのか……。

 まあいいか。


「とりあえず脱出だ」


 俺は無数の装備品を袋に入れ、ガチャガチャと鳴るそれを背負い込む。うーん、どこからか窃盗をして来たみたいだ。これで赤い服だったらサンタだし、唐草模様の袋ならまさにそれだな。

 そんな事を考える俺とは別に、イリスは俺の肩に飛び乗り、いつでも戦えるように前方を警戒している。まあ俺も警戒してない訳じゃないけど、急げばまだ何とかなる気がするんだよな。


「おー、外は眩しい――」

『ゲギャ!?』

『ゲギャギャ!』

『グギャ!』

「そして喧しいな」

『プル~』


 俺達を出迎えたのは、やはりというかゴブリンの群れ。数は全部で8体。


・ゴブリンLv2

・ゴブリンLv3

・ゴブリンLv4

・ゴブリンLv4

・ファイターゴブリンLv5

・スピアゴブリンLv5

・レンジャーゴブリンLv5

・ナイトゴブリンLv6


*****

名前:ナイトゴブリン

レベル:6

腕力:21

器用:12

頑丈:38

俊敏:14

魔力:4

知力:8

運:なし


(ブースト)スキル】鉄壁


装備:鉄の剣、鉄の防具一式、ウッドスモールシールド

*****


 なるほど、ナイトを中心とした野戦部隊か。だが、ホブのような上位種が居ないなら、この程度の数どうってことない。

 俺は背負っていた袋をわきに放り投げ、肩にいたイリスを掴む。当然標的は一番厄介な槍持ちだ。盾持ちなんてしぶといだけで、そう恐れるような相手ではない。

 俺の意図を察したイリスは、すぐさま自らの形状を変化させ、槍のような姿へと変える。


「イリス砲発射!」

『プルー!!』


 槍イリスを投擲した俺はそのまま近くにいたファイターに向けて突撃。剣を避け片手で首を狩り、盾で殴りに来たナイトを足場にして、その背後にいたレンジャーを斬り捨てる。


『斬ッ!』


『ゲギャギャ!?』

『ゲギャ……』


 これで残り5体。今の攻撃を見て、通常のゴブリンは戦意を喪失したらしい。じりじりと後ろへと下がって行く。それを見たイリスは次の獲物としてナイトを選択。そして俺はすぐさまゴブリンを掃討する為連中を追いかけた。


「さすが俺の相棒。優先順位を間違ったりなんてしないな」


 今回の戦いのキモは、連中に情報を持ち帰らせないことだ。そして4体全てのゴブリンを相手するには、イリスは足が遅すぎるし、そもそもまとめて倒す手段は今の彼には無い。だから、一番厄介なナイトを自分が受け持ち、逃げるゴブリンの相手は俺に任せたのだろう。

 イリスはまだ身体が小さいからな。これで体積が増えて、魔法なんかの遠距離手段を兼ね備えてくれたら、もう言う事ないんだが……。


「遅すぎるんだよ!」


『斬ッ!』


 小型であることに加え、奴らの足は遅い。バラバラにではなく、集落に向かって一直線に逃げる彼らを始末するのは容易かった。


「一応持ってくか」


 雑魚ゴブリン連中の死体もダンジョン前に纏めて放置することにした。ここで『炎魔法』の1つでも使えたら痕跡を消すのも楽なんだがなぁ。そもそも、この世界は条件を満たす事でスキルという形で魔法が使えるようになるわけだが、魔法を覚える条件って、なんだ?


「いずれ、魔法学校みたいなところに勉強しに行く必要があるのかな?」


『ゴキンッ!』


【レベルアップ】

【レベルが12から13に上昇しました】


 そんなことを考えていると、イリスの戦いが終わった。ついでにレベルも上がった。

 周囲を見回してみるが、聞こえてくるのは鳥の鳴き声や森の騒めく音くらいのもので、実に静かなものだった。恐らく、もう様子見に来ていた連中はいないのだろう。


「そんじゃイリス、死体の後片付けはいいや。剥ぎ取りだけ済ませちゃおう」

『プル~ン!』


 んじゃ、装備を集めるついでにステータスのチェックでもしておくか。


*****

名前:天地 翔太

年齢:17

レベル:13

腕力:16

器用:16

頑丈:16

俊敏:16

魔力:14

知力:14

運:24


(ユニーク)スキル】レベルガチャEX、特殊鑑定Lv1、異世界言語理解Lv2

(パッシブ)スキル】体術Lv1、剣の心得Lv1、投擲Lv1

(アーツ)スキル】暗視

(スペシャル)スキル】次元跳躍


称号:%#$£の###、ダンジョンの解放者

*****

名前:イリス

存在位格:『普通(ノーマル)

コア:極小魔石


レベル:13

腕力:90

器用:90

頑丈:90

俊敏:90

魔力:90

知力:90

運:なし


(アーツ)スキル】チャージアタック、悪食Lv1

(アーツ)スキル】暗視

(マジック)スキル】魔力回復Lv1

(スペシャル)スキル】形状変化Lv3

*****


 うん、順調順調。

 あ、そういえば、今のイリスって魔石食えるのかな?

 いやでも、ダンジョンをぶっ壊した報告の義務はあるよな~。その時の証明に使えるかもしれないし、今は確保しとくか。あの機械ならまだしも、魔石まで無理やり回収されるような事はないだろうし、とりあえずお預けだな。

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