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ガチャ032回目:暗闇での戦い

 俺は正面から堂々と奴の前に姿を現した。そしてイリスは強襲のため、影の濃い場所に移動し壁を這い始める。


「よぉジェネラル」

『ゲギャ? ゲッギャギャギャ!』


 奴は俺を認識すると、声を上げて盛大に笑い始めた。俺の弱さに気付いたのか、それともたった1人で挑んできた蛮勇さに笑い転げているのか。どちらにせよ、奴は俺を舐めている。

 可能なら、舐めているうちにさっさと終わらせておきたいところだ。


『ギャギャ!』

「む!?」


 奴が片手を挙げると、その背後からゴブリンの集団が現れた。その数、全部で5体。


・ゴブリンLv3

・ゴブリンLv4

・ファイターゴブリンLv6

・スピアゴブリンLv7

・ホブゴブリンLv8


*****

名前:ホブゴブリン

レベル:8

腕力:42

器用:29

頑丈:48

俊敏:13

魔力:13

知力:11

運:なし


(ブースト)スキル】剛力


装備:鉄の大槌

*****


 これは、悪い予感が当たったか。

 だが幸いにも先ほど通ってきた道からの強襲はなさそうであり、相手には遠距離持ちもいない。そして何より大きいのは、ジェネラルは観戦する気満々なのか、玉座のようなところから動くつもりはないようだ。これなら勝機はある。逃げる必要性は、ほとんどないな。

 隊列は正面にファイター、その左右に通常ゴブリン2体、そこから一歩下がってスピアに、さらに後ろにホブ。そしてそこから少し離れた奥にジェネラルと。

 イリスの気配を探ってみるが、ゆっくりと天井を這ってるらしく、位置的には俺の直上と言ったところか。……よし。


「イリスは槍を狙え!」


 それだけ叫んで突貫し、驚くゴブリン達の虚を突く形でファイターに挑み掛かる。相手は驚きながらも剣で迎え撃つが、勢いはこちらにあるのだ。


『グギャギャ!』

「おおらっ!」


 鋼鉄と鉄が激突する傍ら、銀の剣が奴の喉元刺し貫く。


『グギッ!?』

「邪魔だ!」


 そのまま死にゆくファイターを蹴飛ばし、奴の首から剣を引っこ抜くと同時に後方のスピアへと押し付ける。そして左右で慌てているゴブリンには、1体ずつ素早く斬り払い、剣の錆にしてやった。


『グオオオッ!』

『ゲギャ!?』


 味方が一気に3体もやられた為か、ホブが怒り狂ったように声を荒げる。そして目の前にいたスピアを押し除け、槌を振り上げながら突っ込んできた。


『ドゴンッ!!』


 奴の怪力により勢いよく振り下ろされた槌が地面を叩き割った。その時生じた破片が周囲に飛び散るが、念のため大きめに離れた事で被弾を免れることができた。


「危ない威力してやがるな」


『ゴキンッ!』


 そしてそんなホブの背後では、静かにスピアの頭部に取り付いていたイリスが、一息に首の骨をへし折っていた。

 これで形成逆転、2対1だ。


『グオッ?』

「そこだ!」


 背後の音に気を取られたホブの首を狙う。


『ザシュッ!』


「ちっ!」


 だが斬撃の入りは浅かった。血を流させることに成功はしたものの、動脈を切断するまでには至らなかった。


『グオオッ!!』

「っぶね!」


 相手の大振りの攻撃を躱して距離を取る。それにしてもこの大槌、厄介すぎるな。昨日の大斧は持ち手の部分が木材だったが、今回は全部が鉄でできている。持ち手が木なら地面を叩いた時に破損する可能性があったかもしれないが……。これでは、あいつの乱暴な扱いによる武器破壊は望めないな。

 というか、俺も『剛力』が欲しいな。取得条件ってなんなんだろうか。


『ゲッギャギャ! ゲギャギャ!』

『グオ、グオオ!』


 奥からジェネラルがヤジを飛ばし、ホブが何か喚いている。向こうでは無かった組み合わせだが、やっぱホブよりジェネラルの方が上か。まあ将軍だもんな。一応。


『プルップル?』


 その隙にイリスがホブを避けるように外周りに転がってきて、俺の足元までやってきた。俺はそれを拾い上げ、肩に乗せる。


「イリスは必要あれば敵に投げ飛ばすけど、一旦そこで待機な」

『プルルン!』


 ジェネラルが参戦するようならイリスを投げるんだが、奴はまだ座って待機をしていた。

 にしてもここまで劣勢になっても動かないなんて。アイツが怠慢なだけなのか、それともこっちが接近しないと動けない仕様なのか。まあ、動けないならそれで良い。新手が来る前にホブを倒しきる!


「うおおおっ!」

『グオオオッ!!』


 振り下ろし攻撃は大きく横に避け、振り回しにはしゃがんで回避する。さしものホブでも、連続で巨大な槌を振り回していれば、息切れするのは必然だ。そうしてスタミナが尽きて精彩な攻撃ができなくなってきたところで、利き手の指を斬り、逆手の腕も斬る。


「イリス、目潰し!」

『プル!』


 肩から飛んだイリスはホブの顔面に張り付き、視界を塞いだ。そしてどうすることもできなくなったホブの首を、今度こそ正確に斬りつける。


『斬ッ!』


『グボッ……!』


【レベルアップ】

【レベルが9から10に上昇しました】


【スキルの獲得条件を満たしました】

【スキル:暗視を取得】


「おっ」


 『暗視』か、ラッキー。真っ暗というほどではないけど暗い空間で戦ってたからかな。おかげでこの洞窟の中がハッキリと見渡せる。


『プルーン! プルプル!』

「ん?」


 イリスも何か喜んでるが、何言ってるか全然分からん。

 とりあえず見てみるか。


*****

名前:イリス

存在位格:『普通(ノーマル)

コア:極小魔石


レベル:10

腕力:75

器用:75

頑丈:75

俊敏:75

魔力:75

知力:75

運:なし


(アーツ)スキル】暗視、チャージアタック、悪食Lv1

(マジック)スキル】魔力回復Lv1

(スペシャル)スキル】形状変化Lv2

*****


 おお、イリスも覚えたのか。それでよく視えるようになったとはしゃいでた訳だ。いやーしかし、この世界は条件さえ整えばスキルを覚えられるから楽で良いよな。

読者の皆様へ


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