その14 ◉ ◉
私だけテキストチャットでの参加ですいません あまり人前で話すのが得意じゃなくて
私の話は極めて個人的な感覚の話なので、わかってもらえなくても全然いいんですけど
みんな、何かしら恐怖症って持ってるじゃないですか 高所恐怖症とか、閉所恐怖症とか
私、"まる"恐怖症なんですよ 文字で打つと"○"とか"●"とか
すいません、いま自分で打ったのもちょっと怖くて、指が止まっちゃいました
たぶんきっかけは子供のころのできごとだったと思います
これも大したことじゃないんですけど……手にできものができたんですよね
普通のにきびです ただちょっと大きくなって、しかも膿んでしまって
はっきり思い出せます、4ミリくらいの、黄色いにきび……
そのにきびを親が見つけて、潰そうって話になったんです
親の指が私の皮膚を掴んで、ぐっと力をこめると、皮膚が破れて、中の膿が押し出されました
そのときの穴がけっこう大きくて、ティッシュで拭いたあとが、クレーターみたいに大きくえぐれてました
穴のかたちはおおきなまるでした
私、そのことがすごく心に刻まれて……
皮膚におおきなまるい穴が空いていて、その下に赤い肉が見えてるイメージを、日常で他のまるを見るたびに連想しちゃうようになったんですね
蛇口の先とか 排水口の穴とか シャワーとか
見るたびにその穴の向こうに赤い肉を連想して、バルブをひねれば黄色い膿がどくどく出てくるんじゃないかという想像がよぎってこわくてたまらないんてす
もちろん実際にそんなことはないんですけど
それで、そんなふうに1日中まるのことについて考えてたら、ある日気づいちゃって
人体って、口から肛門までの大きな筒じゃないですか
それって ○ ってことじゃないですか
気づいた瞬間、私、耐えがたくって
くちを閉じちゃいました
針と糸で
だからひと前で話すの苦手なんです
最近は ◉ もこわくなってきました
このままじゃ、私、やってしまいます
誰か助けてください




