【実話怪談】消えた男
※注意※
1ミリも怖くない上にありきたりな話です。
でも不思議で不思議でたまらなかったので考察しました。
私は図書館にいた。
尿意を催したので席を立ち、トイレへ向かった。
沢山並んでいる棚を横目に歩く。
しばらく歩いて、棚と棚の間に入った。ここに入るとトイレの前に出られるのだ。
10メートルくらい先に50代くらいの男性がいた。私と同じ方向に向かって歩いていたので、おそらく彼もトイレだろう。
その予感は的中した。
男性はドアノブを引き、中に入っていった。
その数秒後、私も入った。
男性がいない。
個室か? と思い見てみるも、そこはもぬけの殻だった。
掃除の人か? と用具入れを見てみても、開いている。
消えた。
それ以外の言葉では表せないほど、きれいさっぱり消えてしまったのだ。
意味が分からなかった。
あの道から男子トイレまでは一本道で、男性はドアを開けて先に入った。見間違いようがない。
なのに数秒後私が入った時にはいなかった。
どういうことだ?
ということでここからは考察だ。私なりに2つの可能性を考えた。
まずは、「デジャヴ的なものだったのではないか」という説だ。
トイレに入る前に見た光景は実際は存在しない、または別の日の記憶で、入った後に本来の記憶と置き換えられたのではないか。
つまり、本当は私の前には誰も歩いていなかったのだが、トイレに入った瞬間、さっき私が入る前に男性が入ったという記憶が生まれ、書き換えられたのだ。
訳が分からないが、デジャヴと同じような原理なのでありえない話ではないと思う。
もう1つは「天井に張り付いていた」という説だ。
単純に男性がサービス精神旺盛なスーパーマンだったということだ。
スーパーマンである彼は、トイレに向かう途中、前を向いたまま私の存在を感じ取り、私にパフォーマンスを披露してやろうと考えた。
その結果、彼は「天井に張り付いて消えたように見せかけて私をビックリさせる」ということを思いついた。
それを私が入るまでの数秒の間に実行したというワケだ。
自分もおしっこがしたくてトイレに行っただろうに、私のためにそんなパフォーマンスをしてくれるだなんてパフォーマーの鑑過ぎるのではないか。
ありがとう。
でも、もしそうなら種明かししてほしかった。
いや、天井までちゃんと確認しなかった私も悪いけどさ。