9. ギガント・アピス
でけぇ、この世界に来てから見た魔物の中で一番。
テラよ、なぜ伝え忘れていたのだ。責める気はないが、高性能というイメージは多少薄れてしまったぞ。
〈おかしいですね、この森にはギガント・アピスは生息していないはずですが〉
「……は?」
〈おそらく、上位種にランクアップしたと思われます〉
「ありえるのか?」
〈簡単ではないですが、可能です〉
「倒せるのか?」
〈大丈夫だと思います、強さはゴブリンキングくらいなので〉
それでもこの疲れた状態で倒すのはちょっときついだろ。でもまあ逃げるのももったいないし、どれくらいなのか挑んでみようか。ゴブリンキングと同じくらいならなんとかいけるような気もするが。
油断は良くないよな。
普通にこっちの体力も限界なんだ、一気にかかるぞ。
「グルルル……」
「どうしようか……」
〈頭が弱点だと思われます〉
「わかった、やってみる」
ギガント・アピスの頭目掛けて一気に飛ぶ。そして剣を振り下ろす!
「グルアァァー!」
良いダメージはいってそうだな。
「このまま一気に……」
〈その必要はありません〉
「え?」
〈素材になる魔物相手にオーバーキルはオススメしません〉
「あれ、いまので死んだのか?」
〈はい、生命力を感じられません〉
結局あっけなかった。俺が強いのか、さっきのが弱かったのかはわからないが。ただ、かなりの量の肉が手に入った。十分だろう。
「調理開始だ!」
ただ、調理と言っても火がない。なにか火が起こせる道具ないかなぁ。
〈それでしたら、泉に丁度いいものがおいてありましたよ〉
「え、心読めるの?」
〈はい、あなたの心だけですが〉
「そうか、じゃあその道具ってのは」
〈一旦泉に戻りましょう〉
まあなんやかんやあって泉についたんだが。
「これか?」
〈はい、おそらく女神様が置いていったものだと思われます〉
俺が見たのは、現実世界でよく見たチャッ○マンのようなものが………
ていうか本物だ、使い方も全く同じだ。
「使って大丈夫なのか?」
〈問題ありません、どうやらわざと置いていったみたいですので〉
「何で異世界にこんな物があるんだ?」
〈どうやら女神様があなたのいた世界から持ってきたようです〉
「あー、なるほどな」
まあ馴染みは結構あるし、これで十分だろう。
さっさと元の場所に戻って肉の調理を始めよう。
鳴き声が適当とか言うなよ?
そういうの、書き方知らないから…()