表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

シロちゃんの実際にあった話

シロちゃんの実際にあった幽霊の話

作者: 明日香

 私はシロ。

 もちろん本名では無い。

 これは、私の小学生時代の渾名。

 この話は、私…というか私の母が実際に体験した心霊話。

 実話なので、スッキリしたオチが無いのはご愛敬。


 =========


 それは、私が小学生低学年だった頃の事。

 私の父はいわゆる転勤族で2~3年に1度は転勤し私たちも引っ越しをした。

 小学生時代に二年間の同じ担任だった事がなく毎年担任が違ったのはともかく、中学生時代に毎年制服が違ったのは珍しいだろう。


 それはともかく。

 小学生低学年だった私は父の会社が用意してくれた社宅に引っ越した。

 それまで父の会社の社宅はアパートばかりだったのに、その時だけは一軒家だった。

 産まれて初めての一軒家にテンションが上がったのを覚えている。


 その夜は父が出張で留守で、私と母の2人で過ごしていた。

 当時の私には寝る時間が決められていて午後9時には眠っていたのだが。

 私が9時から面白そうなテレビ番組があるから見たいと我が儘を言った。

 

 当時、転勤族だった我が家に家具は少なくテレビは一台しか無く、それは寝室とは違う家族が食事で使う大きな部屋にあり。

 テレビ番組を見終わったら直ぐに寝る事を条件に、夜にテレビを見る事を許してくれた母は、私と母の布団をテレビの部屋に敷いてくれた。

 それが母の恐怖体験になると知らずに…


 ===========


 テレビ番組が終わり、私と母が眠りについて、しばらくした頃。

 母は何かに脚を強く引っ張られる感覚に目を覚ました。

 最初は隣で寝ているはずの私の仕業と思った母だが、足元を見て驚愕した。

 顔はハッキリとは見えないが老人の霊が母の脚を引いていたからだ。

 母は私に助けを求めようとしたが、身体は金縛りにあい声すら出せない。

 謎の老人の霊に脚を強く引かれる恐怖には母が耐えていると声が聞こえた。


 「塩だ、塩を持ってきなさい」


 それは亡くなっていた私の父方の祖父と母方の祖母の声。

 祖父と祖母の霊が守ってくれたのだろう。

 母は一晩中老人の霊に脚を引かれたが無事に朝を迎え、朝日と共に老人の霊は消えた。

 そして金縛りが解けた母は家中の部屋という部屋に塩を撒いた。


 これは実話なので、特にオチは無い。

 霊能者や拝み屋を呼んで心霊バトルをしたり、悪霊に取り憑かれた私がウェヒヒヒと奇声を発して悪魔祓いされたなんて事もない。


 ただ、心霊体験をした母は社宅の大家に、この体験を話して相談したそうだ。

 そうしたら大家が1つの事を教えてくれた。


 私たち家族がテレビを置いていた大部屋は、前の住人が仏壇を置いていた部屋だったのだと。


 「前の人が引っ越した時に仏壇に居た幽霊だけ部屋に残ってしまったのね」


 そう言った母は、他にも心霊体験を幾つかした幽霊が見えやすい体質の人。

 その霊感は私には全く受け継がれなかったのか幸か不幸か?

 まあ幸運だろう。


 これは、それだけの話。

 特にオチもなければ山場も無い話だが、実話なんだから仕方ない。


 それでは皆様ごきげんよう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] おはようございます! 幽霊に足を引っ張られる場面は、ぞくっとしました。 私は経験がないですけど、 あったら本当に怖いですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ