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036 鬼頭、黒塗りベンツでデートへ登場!?

 待ちに待った翌日。興奮して眠れないかと思いきや、缶蹴りで疲れたせいでぐっすり眠ったメンタル最強女子は、私でーす。


 さーて。今日のデート、何着て行こうかな?


 男を堕とすには、やっぱりピンクでしょー! ピンクの水玉ワンピース・・・・って、ダメ! 水玉はNGだった! 子供っぽいって前に言われてから、着用を止めたんだ!

 くうぅー。好きなのに!


 フン。今日はセクシー路線で行っちゃおう。私だってやればできるのよ。


 白雪お嬢が着ているような、清楚チェック系はどうかしら?

 おしとやかにしていたら、それなりに見える?


 うーん。

 セレクトショップで全身コーデ一万円以下のアイテムしか持っていない。

 上下で五千円とか。高くても七、八千円とか。

 あー。イチ君に頼んで、令嬢ワンピ借りときゃよかったかなぁー。一着ン万円するようなイイヤツ。でも、三成家にあるものは、金銭感覚おかしいから、ン万円どころかン十万円するようなものが多そう。


 そんなの、万が一デートで缶蹴りして、汚したら大変だからやっぱりいいや。


 着て行く洋服の色は黒がいいかと思ったけれど、やっぱり女子らしくしたいから、ゆるふわのラベンダーピンクのパフスリーブニットに、ダークピンクのプリーツスカートをチョイスした。

 キャメルと悩んだんだけど、やっぱりピンクは外したくないのよねー。秋らしく、ピンクのワントーンで攻めた。ネイルもピンク。メイクもダークピンク系にしよーっと。


 全部落ち着いたピンクだけれど、ピンクで纏めたら子供っぽいかな?


 想像してみた。中松さんが連れていそうな女性って大人っぽそう。黒や赤のセクシーミニワンピなんか着ても、多分私は似合わない。お姉ちゃんが好きだったのなら、中松さんは清純派が好みなんだと推測した。黒より白とかピンク。女子っぽい方が好きなんじゃないかなーって思うワケよ。でも、セクシーな下着好きって言ってたもんね。やっぱり解らない。


 だから下着は、この前イチ君に買ってもらったセクシー下着を身に着けた。

色は黒!

 これでどーだっ。(ばばばーん)

 万が一の情事にも備えて完璧よぉっ!


 そーいういい雰囲気に、私が持っていく!

 ちょっと予行練習しておこう。


 (↓以下想像)

 雰囲気のいい夜景でも見ながら――帰りたくない、って目を潤ませて言うの。


――美緒。でももう帰る時間だろ。早く帰らねえと、家族が心配するぞ。


――大丈夫。今日は遅くなるってちゃんと言ってきたから。


――でも。


――でもじゃない。ここまで来て、女の口からこれ以上言わせる気?


――だな。そんな野暮な事はしねえよ。


 二人見つめ合う距離が近づき、そっと触れる唇。燃え上がる情熱。胸に置かれた手が私のニットにかかり・・・・。


――中松さん。


――美緒。本当に俺でいいのか?


――当然でしょ。野暮な事聞かないで・・・・。



 そして二人は――



 その後、ずぎゃーん、ってなるワケね!

 これよ、これ!

 こうしてゴールイン!

 きゃーっ。そういう雰囲気にならなかったら、こっちから押し倒して強引に攻めてやるわっ!



 腹が減っては戦はできぬ精神で、朝からモリモリ食べた。お姉ちゃんに作ってもらいたかったけど、お姉ちゃんはイチ君の屋敷に嫁に行ったから、実家にはもういない。結構淋しいからもっと頻繁に帰って来て欲しいって思う。私の家族は、大勢で固まっている事が当たり前だから、一人抜けるだけでも淋しい。

 今日はお父さんにチキンカツ作って貰ったんだぁー。美味しかったぁー。

 好きな男とのデート、勝ちに行かなきゃね。ってことで、カツ系は食べないと。


 お財布、よし!

 スマホ、よし!

 お洋服、よし!

 メイク、よし!(今日もカワイイ!)

 セクシー下着、完璧!!(これ一番重要!!)



 よーし。準備完了よ。

 やる事無くなって店の前で待機していると、すーっと近くに高級車が止まったの。何と黒塗りベンツ!

 ひゃーカッコイイ、や〇ざだわー、って思っていたら、中から出てきたのはモノホンの元や〇ざ・・・・じゃなくて鬼!!(違うか)


 アップバングスタイルっていうの? なんか、二枚目俳優なんかがするような爽やかな髪型の筈なのに、サングラスかけてシンプルな黒のカットソー着ているから、超イカツイの!!

 どこからどうみてもヤー・・・・。



 でも、中松さんカッコイイ!!

 素敵!


 

「待ったか?」


「ううん。全然。それよりあの・・・・このベンツは?」


「ああ、これな。一矢様が用意してくれた」


「えーっ。任侠映画っぽいじゃん! 乗ってみたかったんだぁー! 嬉しいー!!」


「やっぱりお前は喜ぶんだな。一矢様の言った通りだ」


「へ? 組長が何て?」


「こういうセダン風のベンツに乗ってサングラスかけて行ったら、美緒が喜ぶからやってやれと言われたんだ。昨日の白雪お嬢の事は、一矢様も感謝されていたから」


 やーんっ。ポンコツもたまには役に立つのね!!


「乗ってもいい?」


「ああ。開けてやるから」


 わざわざ扉を開けてくれた。「どうぞ、お嬢様」


「お嬢じゃないわよ。姐さんだからね」


「ぷっ。全身ピンクの姐さんなんかいないって。お嬢でいいだろ」


 そういえば今日のコーデは全身ピンクだった。


「・・・・ま、今日の所はそれで勘弁してあげるわ」


 こうしてベンツに乗り込んだ。やっぱりパリっとしたボディコンみたいなスーツの方が、姐さんぽくてよかったのかな!?

 中松さんの好みの服装もリサーチしなきゃ! 忙しいわぁー。

数ある作品の中から、この作品を見つけ、お読み下さりありがとうございます。




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定期更新は、毎日16時の時間帯&ゲリラ更新となります。


固定は毎日16時の時間帯間で更新を必ず行います! よろしくお願いいたします。

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