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029 ニセ令嬢、モノホン令嬢の根性を叩き直す鬼になります!

 


「白雪お嬢。いい? この動画、流出させられたくなかったら、私の言う事、ちゃんと聞くって約束しな」



 翌日の事。私は中松さんが撮影し、白雪お嬢が私を閉じ込め、ゲロった所や彼が血相変えて私を蔵から救出してくれた所とか、ぜーんぶ貰った切り札を手に、白雪お嬢の屋敷へ乗り込んだの。

 そして動画・音声データのコピーに決定的瞬間の写真を武器に、脅しをかけている所。


 もう、丁寧口調とか全部とっぱらって、姐さん化してやった。別にどう思われようが、もういいやーって思った。知ったこっちゃない。


「ひ・・・・卑怯者!」


「卑怯はどっち? アンタみたいな性格と根性が曲がったブス、性根を叩き直してやるから覚悟しなよ! 私は怒ったら怖いんだからね」


「・・・・ひっく、もう中松さんに、昨日・・・・怒られたもん!」


 泣きながらジロリと睨まれた。気が強いお嬢ですこと。


「知ってる。アンタが怒られているとこの動画見たもん。中松さんって鬼みたいでしょ?」


 まあ、相当手加減してたけどね。私の時とは大違いだ。


「うん・・・・でもカッコイイ・・・・」


「だよねー。解るー」


 へえー。あれだけ怒られたのに、まだ中松さんの事カッコイイとか言うんだ。結構根性あるじゃん。見直した!

 

「とにかく、お嬢は大人をナメすぎだよ。小学一年生の癖に超生意気だし、ちやほやされすぎだっつーの! だから今日は徹底的にその腐った根性を叩き直してやるから、しっかりと覚悟して、汚れてもいい服に着替えて来な。今日は私が上下関係も何もない所で、みっちりお嬢を修業させてやるから」


 今日は土曜日だから、小学校は休み。だから大丈夫。

 そして今日の計画――白雪お嬢の根性叩き直し大作戦――は、明菜とその友人に協力をお願いしてある。報酬は、ジュース一本とおやつ一袋で。


「修業? ふざけないでよ! どうして私が修業なんか!」


「つべこべ言わずに、さっさと着替えてきて。着替えたら出かけるから。九時に待ち合わせになっているから、早く行かなきゃ! 相手を待たせるんじゃないよ。ホラ。着替えないなら、そのドレスで行かせるよ。大負けしてもいいなら、その恰好でも構わないけど」


「くっ・・・・負けるのは嫌」


 お嬢は相当な負けず嫌いとみた。私といい勝負になりそうだ。ガチのタイマン勝負したら、互角かもしれない!?


「だったらさっさと行ってきな! アンタの親父にこれまでの私にしてきた数々の仕打ち、動画で見せるよ?」


 ニヤリと笑って言ってやった。をーほほ。

 

「絶対ダメ!!」


「次、もし私に何かしたら、中松さんが黙っちゃいないよ? お嬢の親父にぜぇーんぶ包み隠さず報告してやるからね。お嬢がこんな鬼畜な我儘娘だと知ったら、さぞかし悲しまれることだろうねぇー」


 およよ、と泣く真似をした。お嬢は唇を噛みしめ、「着替えて来るから、お父様には絶対に言わないで。悲しませたくないの」とか細い声で言い残し、部屋を去っていった。


 成程ねぇー。仕事で忙しくしているお父さんの邪魔はしたくないっていう、健気なお嬢の気持ちが溢れている。中松さんに聞いていたから知っているけど、お嬢はずっとこの広い家に一人ぼっちらしい。

 可哀想に。だから性格歪んじゃうんだ。

 こんなに広いお屋敷だったら、友達を呼んで、お泊りパーティーすればいい。きっと楽しいと思う。私も混ぜて欲しい!


 お嬢と一緒に、中松さんトークするんだぁー。ふふっ。


 しかし、そうするには、あの最悪最低な高慢ちき態度と性格を叩き直さにゃ! マジで友達できないよ!!


 今日、実は缶蹴り大会をしようと思っている。いっぱい遊んで、お金持ちとか庶民とか、そんなの全く関係なく楽しく遊べるって事、お嬢に教えてあげたいの。

 お嬢はきっと、イチ君と一緒で愛情に飢えてると思う。


 だから、お昼はみんなで食べる。持ち寄ったお弁当をシェアしあう。うちの家からは、お姉ちゃんの特製洋食弁当を持っていくんだぁー!

 朝からお姉ちゃんをこき使って、たーっくさんのお弁当を作らせているのよ。ヲホホ。

 うちの家の味、最高だから。お嬢にも食べさせてあげたいんだよね。きっと、美味しいって喜んでくれると思うから。


 そして、今日はお姉ちゃんに店を休ませた。グリーンバンブーはお父さんやギンさんに任せて、お姉ちゃんやイチ君も一緒に缶蹴りするのだぁー。

 あのポンコツが居た方が、何かと便利だから。イチ君が一生懸命缶蹴りしてたら、お嬢もやらざるを得ないし、やる気に火がつくでしょう。お姉ちゃんがやってくれたら、ポンコツも自動的にくっついてくるから問題無い、という私の計画は完璧!


 明菜は女子サッカーをやっていて、そのチームのメンバーと友達、姉弟、大勢が参加してくれる。緑の花公園という大きな公園が近所にあるから、そこで缶蹴り大会よ!!



 姐さんである私が、絶 対 優 勝 ――!!



 

数ある作品の中から、この作品を見つけ、お読み下さりありがとうございます。




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