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022 これは世間一般で言う、ヤキモチというやつでしょうか?

 

「すごいな。お姉さんも、美緒も頑張ってるんだ」


「まあね。それより昨日さー、お父さんとギンさんが冷蔵庫の移動するのに無理しちゃったから、ギックリ腰になっちゃったのよ」


「ええっ! それは大変だ!」


「うん、でも大丈夫。ランチが不安だったんだけど、何とか乗り切ったから。それよりやっすんが来てくれて嬉しいよ! ノリちゃんとか元気?」


 一緒に仲良かった同級生の名前を出して聞くと、みんな元気にしているらしい。

 近々同窓会でもやろうか、という話になった。

 お互いの近状報告を語り合っていると、お待たせしました、と中松さんが一番テーブルにオーダーのビフカツを運んできてくれた。


「ありがとうございます」


 野球部の彼は、いちいち丁寧だ。礼儀正しいのは相変わらずだな。


「新しい人、グリーンバンブーに入ったんだ?」


 中松さんを知らないやっすんが、私に聞いてきた。


「あ、うん、彼ね――」


 


「美緒の彼氏の中松と言います。どうぞごゆっくり」



 私が紹介しようと思ったのに、中松さんはなんか・・・・鬼怖い笑顔でさらっと彼氏発言して料理をやっすんの前に並べ、きちんとお辞儀をして再び厨房の方へ去って行った!



 ぎゃをー。なんか・・・・怒ってない!?

 えっ。なんで?

 しかも彼氏とかここで言っちゃうのぉ?




 中松さんの行動、ぜんっぜん読めない――!




「あ・・・・の人、美緒の彼氏なんだ?」


「う、うん、そーなの! 素敵でしょ? 大好きなんだー。あはは」


 中松さんが爆弾投下してしまったので、変な空気になった。

 やっすんが勘違い(堂々と言われたら嘘とは思われないだろうし)してしまったので、それに便乗して誤魔化しておいた。


「そっか」


 複雑そうな表情のまま、やっすんが呟いた。


 

「そ、それにしてもなんかさ」急に小声になり、ちょいちょいと手招きされた。耳を近づけてくれというので言う通りにすると、やっすんの声が耳に響いた。「美緒の彼氏、随分年上なんだな」


「あ、うん。年の差あるけど、気にしてないよ。凄く優しいし、私には勿体ないくらいのハイスペ彼氏だよ」


 背中に鳥の絵が描いてある元ヤ〇ザという事は、黙っておかなきゃね。


「そっか。あー・・・・じゃ、デートとか誘われたら怒られる?」


「デート? うん、怒られたりしないと思うけど、誘われても行かないよ。私が逆の立場だったら嫌だもん。彼、モテるし。今日も常連のお客様(何度も言うが平均年齢七十歳)にモテモテだし、下から上まで幅広くモテるの。困ってる。財閥令嬢にも目を付けられて、無理やり組まされたお見合いが近々あるから、一緒に付いて行って私が阻止するの!」


 そして晴れてホンカノ昇格!

 姐さんにも昇格したい!!

 中松さんをひれ伏せたい。これ、諦めていないわよ。今度こそ抗争に勝利して、言う事聞いてもらう。私と一生契約して貰うの!


「美緒の猪突猛進ぶり、相変わらずだな。でも、綺麗になった」


「ありがと。やっすんも全然変わってない。いいガタイになって、見た目はチョー逞しくなったけどね。その調子で頑張って! 私も頑張るから」


 その後も談笑した。そのうちにお客さんが入って来たので、いらっしゃいませ、と元気な声を掛け、やっすんにバイバイして厨房に入った。



 さあーて。気合入れてディナータイム、頑張りますか!!




数ある作品の中から、この作品を見つけ、お読み下さりありがとうございます。




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