表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/89

プロローグ

「こんなの、きいてないわよーー!」

 魔王城の魔王陛下の執務室に私の絶叫が響き渡る。

 だがその声は、かつて昔に聞いた懐かしい子供時代の私の声。

「な……」

 魔王様を含め、部屋にいるものたちが、私の『この姿』を見下ろして、ぽかーんと口を開いている。

「あ、……薬の調合間違えた」

 そう言ったのは、魔王陛下の配下の四天王の一人であり、宰相であるアドラメレク。

「……すみません。基本、若返りのエキスを入れるのが定番なので、抜き忘れ……ました」

アドラメレクは、額から冷や汗を垂らしている。

 私は、山のように積み重なるドレスの布地をたくし上げる。サイズが合わない靴は放り投げた。そして、なんとか歩きながら、部屋にある姿見の前に立つ。

「……幼女」

 そこにいたのは、濃いピンクの髪と、赤い瞳、そして、肩がずれ落ちたぶかぶかの豪奢なはずのドレス。

 そして、かつて四歳程度だった頃の私が、くるりと丸いツノを二本生やして立っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ