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闘う。安倍晴親

「俺が丹羽長秀だと知っていて、ここに居るのか?」

奴は格好からして刀を抜いて闘いに来る様な服を着ていない。

ぶかぶかして動きづらい服を着ている。

どう見ても単なる陰陽師だ。

昔にドラマで観た安倍晴明と同じ服を着ている。

だとしても安倍晴明の呪術などドラマとしての脚色された作り話。

陰陽師などは、ただ風水を使った占い師。

しかし、俺の中にある『危険』という警戒の表示が消えない。

奴はあぶない!


「そうだ!」

「尾張に奇跡を起こす神子様が現れたと聞いて調べている」

「そして丹羽長秀という貴殿も」

落ち着いた口調で答えてきた。

晴親のにこやかな表情も変わらない。

「楓は、神子様は今清洲の屋敷にいる」

「神子様を調べるのなら何故、お前がここにいる」

「そして何故、俺を調べている?」

俺の問いに晴親はフーッとため息を吐いた。

「私たちも甘く見られた様ですね」

「おかしいでしょう?」

「神子である貴殿の奥方が貴殿の命令に絶対的な服従で行動しますね」

「舞えと言われれば、何一つ不満を言わず舞う」

「まぁ奥方であるならと思えば、それも分かりますが」

「では丹羽の家中の者たちが何故楓様を神子としてではなく、丹羽長秀の奥方として接しているのですか?」

「神子である楓様より貴殿に絶対的な忠義を見せるのか?」

「少しも不満の声も出ず」

「そして何故、信長公は楓様が貴殿の奥方である事を許すのか?」

「普通であれば神子様が現れたなら、自分の手元に置きたいはず」

「おかしな事が多すぎますね」

晴親は少し間を空けてニヤリと笑う。

「これらを考えれば、貴殿が特別な者であるという結論に達するのですよ」

「間違ってます?」

なるほど!

注意が足りなかった!

「で、先ほどの奇跡?奇術?を見れば貴殿が神子張本人になりますね」

「丹羽殿、何故謀(たばか)るのですか?」

晴親の笑みが消え、身構え、俺を睨んできた。


晴親は俺を敵視しているのか?

困ったな。

陰陽師であるなら敵ではない。

どちらかと言えば味方なのだが。

俺は晴親に対し、刀から手を離し身構えを緩めた。

争う気は無いと分からせるために。

「俺はお前の味方のつもりなのだが」

「闘うつもりはない」

俺はゆっくり両手を上げ、無抵抗の意志を晴親に見せた。

「しかし、お前が言った『私たち』とは、どういう意味なんだ?」

「晴親、俺を調べているのは、お前の意志でやっているのか?」

「それとも『八咫烏』に命じられて調べているのか?」

多分、『八咫烏』に命じられているのだろう。

『八咫烏』の名を聞いて急に晴親は敵意を強めた。

「黙れ!」

晴親は強く俺を睨んだ。

そして右手の2本の指を立て、印を結び呪文を唱え出した。


「まずい!」

「創造魔法 プロテクト発動!」

麻痺、睡眠、魅惑などの精神攻撃を防御するバリアを身体全体に展開した。

石化、即死魔法にも有効た。

前のファンタジー異世界で、魔物相手によく使っていた。

俺は当然に無詠唱、無呪文で魔法を使う。

なら晴親の攻撃に先に防御出来る。

晴親の呪文が終わる前にバリアが張れる………。


え?身体が動かない。

縄で縛られた様に両腕が身体から離れない。

プロテクトの魔法が効かない??

俺の魔法が晴親に通用しない?

動け!動け!

両足も縛られた様に閉じられてしまった。

逃げられない!

このままでは俺は晴親にやすやすと斬り殺されてしまうのか?

「晴親、何をした!?」

俺は絞り出す様に言葉を発した。

胸も圧迫され、大声も出せない。

印を解き、呪文を終えた晴親はゆっくり俺に向かって歩いて来た。

表情も笑みをもらして。

「ほぉ、神子である貴殿も動けないか」

「わが呪術の方が貴殿の術より上だったようだな」

「身体を拘束させてもらった」

「安心しろ、今は殺すつもりはない」

「われと一緒に京の…………」





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