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楓という美少女

「楓さんを俺の嫁に欲しい」

俺は信長との会食で開口一番にそう言い放った。

楓さんはビックリしているんだろうな。

「今更、伽も命じているし、楓はユージ殿のものだ」

信長は驚きもせず、静かに答えた。

はい!言質頂きました

「信長様は俺のステータスをどこまで知っているのですか?」

「ユージ殿は魔法使いで、ほぼ全ての魔法が出来ることは知っている」

信長は俺の能力の全てを知っている訳ではないんだな。

「俺の能力に経験値取得200倍と経験値パーティー内分与の2つがあります」

信長は驚きもせず、首を捻っていた。

俺が言った意味が理解出来ないらしい。

「経験値取得200倍とは、通常の200倍の早さで能力がアップする事で」

「経験値パーティー内分与とは、楓さんがその200倍の早さで成長出来るって事です」

まだ、よく解らないかな?

「つまり、ここ10日の間に楓さんは戦場で充分な活躍が出来る力を得たという事です」

「ほー!ユージ殿に預けると織田軍も強力な軍になると?」

「いくら200倍で成長出来るといっても、1000人の兵を強くすることは無理です」

「俺は少数精鋭の忍びの集団を作ろうと考えています」

「忍びは河野が束ねているが、それが欲しいと?」

「河野様の忍びは諜報員の集まりですから、要りません」

「俺は5人ぐらいで敵の諜報、かく乱、敵将の暗殺が出来る忍びを作ります」

「上杉謙信、武田信玄は史実では病死ですが、実は暗殺されたとすれば」

信長はニヤリと笑った。

「信長は楽して天下が取れるな」

「楓さんを俺の嫁として、忍びの集団の頭として頂きたい」

「ユージ殿は忍びの頭にならないと?」

「俺にはここの知識や、忍びの経験は無いから」

「また俺の魔法はその気になれば、一瞬で敵軍の500人や1000人は潰せますよ」

「俺は忍びのような狭い場所より、戦場のような広い場所にいた方が向いているじゃかいかな?」

「わかった。楓はくれてやる!」

楓さんゲットだぜ!

「あと、1つ2つ希望があるのだが」

「ユージ殿はなかなか図々しいな」

「忍びの訓練の為、目立たない場所にそれなりの家が欲しい」

「なるほど、もっともな要求だな」

「半月ほど旅に出たいので、路銀が欲しい」

「チョット会ってみたい人物がいるものでね」

信長は少し考えて。

「ユージ殿には丹羽の姓を与える」

「織田家配下の武将と名乗る事も許す」

「え?丹羽長秀?長秀の名を使っていいのか?」

「ユージ殿の登場で何故か丹羽家が消えてしまった」

どういう事だ?

VR世界で歴史の修正が起こったのか?


俺の家を新築する事になり、その間に楓さんと旅をする事にした。

「楓さんは旅には行った事は有るのですか」

「え?あの〜、ないです」

俺が信長に楓さんを嫁にすると言ってから、2人の会話がぎこちない。

「明日から2人で歩いて行きますが、楓さんは俺が命がけで守ります!」

「楓さんが居ないと生きていけないのです」

まだ俺はお金は無いし、この時代のことは何も知らない。

楓さんだけが頼りなのです。

ん?楓さん、顔から湯気が出てますけど大丈夫ですか?

「信長様には了解が得られたけど」

「嫁にする事を楓さんのご両親とお話ししたいのですが」

「母は私が3歳の時病で、父は5歳の時戦さで亡くなりました」

「私には身内はいません」

戦乱の続くこの時代、楓さんの様な孤児は領内にたくさんいるんだろうな。

「お館様に拾ってもらい、河野様の下、今まで忍びの訓練を受けてきました」

「拾ってもらうなんて」

「お館様の騎馬武者をしていた父だったから、私は見捨てられず生かしてもらっていたのです」

戦さで何百という人間が死に、怪我をする。

全ての家族の面倒は見きれないな。

拾ってもらえただけ幸せなのかもしれない。

「楓さんは俺の嫁でいいですか?」

「1ヶ月前、お館様から急に近習に成るよう言いつかりました」

なるほど、俺を美少女を使って懐柔しようと考えたな。

信長、正解です!ありがとう!

「いずれ忍びとして、この領地から出て行かされる事になります」

「ここで、この領地で強きユージ様に守って頂けるのは女子としてこれ程の幸せはありません」

身を守る訓練を受けているとはいえ、1人知らない土地へ行かされる。

心細いよなー。解ります。

今の俺と同じですから。

「俺は強い!決して死なない!楓をいつまででも守ってみせる!」

俺は楓を引き寄せ、優しく抱きしめた。

楓は俺の胸に顔を埋めた。

その夜、俺と楓は夫婦になった。





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