ミニスカセーラー服?それともミニスカ巫女服?
「なかなか面白かったぞ、長秀!」
「アイドルたちもご苦労だった」
公開練習も終わり、くつろいでいた楓や鈴、雛、彩佳たちの前に信長が現れた。
俺は信長の背後に回り、ヒザをつき、警護と服従を表した。
何が起こったのか直ぐに理解出来ていなかったガールズバンドの美少女たちは、俺の行動に戸惑っていた。
楓、鈴、雛、彩佳は信長の顔を知っていたのでその場で正座し手をつき頭を下げた。
何も分からず他の者たちも少し遅れて頭を下げた。
「聴き慣れぬ音楽と最後の馬鹿騒ぎ」
「なかなか面白かった」
「最後の唄にはいささか驚いたが」
「長秀が考えていた事はこれなのか?」
「尾張は天国、極楽か?は、は、は、は」
大声で笑いながら振り向き、後ろにいた俺に聞いてきた。
聴き慣れぬ音楽?嘘でしょう。まぁいいけど。
「はい、天国、極楽ですよ」
「まだ練習不足ですが、この形で犬山、津島、岡崎でやりたいと考えています」
「岡崎では最後の踊りの歌詞は変えるつもりですが」
岡崎で「尾張は天国極楽」と歌ったなら元康に怒られるだろうな。
先ず直ぐに犬山だな。
「犬山で美濃の奴らがアイドルたちを観て虜になれば、美濃はすぐに落ちるな」
「期待するぞ」
「よくやった長秀、何か褒美を与えてないといけないな」
「何が欲しい?」
褒美か?
彩佳を貰って十分なのに、お金もあるし。
どうしよう?
「俸給を充分に頂いておりますので、残念ながら直ぐに思い浮かびません」
「そうですね、頑張ったこの娘たちに舞台で使う衣装でも頂けると皆が喜ぶと思いますが」
俺は深々と頭を下げた。
信長は俺の考えを理解してニヤリと笑った。
「わかった、考えておこう」
「皆、楽しみに待っておれ」
信長もアイドル好きだから楽しんでいろいろ衣装を考えるんだろうな。
ミニスカセーラー服?それとも落ち着いたブレザー服?
信長から貰った衣装だとみんな舞台で着ない選択肢は無いな。
頭を下げていた鈴と雛の背中がピクリと動くのを俺は見逃さなかった。
「信長様は怖いと聞いていたけど、お優しいお方でしたね」
「長秀様には優しいのよ。喜べる結果を出しているから」
「なら、ドンドン俸給が上がるのね」
「直ぐに城持ちになれるのかしら、それなら」
俺は信長を転移で清洲の屋敷に送り、熱田に戻ると玉恵たちが騒いでいた。
「旦那様、信長様になんで衣装なんか頼むのですか?」
鈴が俺を見つけると近づき、怒って言ってきた。
「どんなに恥ずかしい衣装でも着ないといけないでしょう」
やっぱり、さっきの反応はそれか。
まぁ天女の衣装より恥ずかしい服を探すのは難しいだろうけど。
「信長様のあの言い方は鈴と雛だけの衣装とは言ってないな」
「楓の衣装も変わるかもしれないが」
「もちろん彩佳や玉恵たちの衣装も」
俺の言葉に彩佳たちが「私たちも?」という反応をした。
「巫女舞の衣装が変わったなら、お囃子をしている彩佳たちも変わるだろう」
「まぁ鈴や雛ほどビックリな衣装にはならないと思うけど」
楓の巫女服がビックリな衣装になったら神格化が落ちるから俺は止めるけど。
彩佳たちガールズバンドがミニスカ巫女服になっても………。
いいかも!
美玖が何故かニコニコしていた。
「どうした美玖、嬉しそうじゃないか?」
美玖は鈴と雛の衣装を見ながら俺に答えた。
「鈴さんと雛さんの衣装、凄く可愛いじゃないですか」
「私もこんな可愛い衣装が着れるんでしょう」
「そうすれば長秀様が私をたくさん見てくれますよね」
やべぇ、俺が鈴と雛の踊りを熱く見つめていたのを気づいたみたいだ。
確かに俺は鈴と雛の太ももに釘づけだったからな。
ここは誤魔化さないと楓と彩佳が誤解する!
「そりゃ、お前たちがさらに可愛くなれば、な」
「誰だって綺麗なもの、可愛いものは好きだろ?」
「俺も大好きだし、欲しいと思ってしまう」
どうだ、何とか誤魔化せたか?
俺の言葉に騒がしかった玉恵たちが黙ってしまった。
急にガールズバンドの美少女たちの雰囲気が変わった。
ん?俺何か変な事を言ったか?
「ご主人様は信長様からのご褒美が無いので、はい!私からのご褒美です」
彩佳が俺に何かを差し出した。
「何ですか?ご褒美?」
楓、鈴、雛たちが何かと集まって来た。
「ん?十字架の首飾りか」
もう日本にキリスト教が入っているんだな。
京に行ったなら宣教師に会ってみたな。
元の世界の英語で通じるかやってみたいな。
「彩佳、ありがとう。でも何故?」
彩佳は俺を見つめ
「感謝の気持ちです」
「そして、これは悪霊除けの御守りなのです」
「ご主人様がいかに強くても幽霊には勝てないでしょう」
「ご主人様は誰にも負けないご主人様でいて欲しいのです」
何と優しいやつなんだ。
惚れ直してしまうじゃないか。
まぁ、今でもベタ惚れしているが。
あ!楓も大好きだからね!
幽霊か。うん、幽霊には多分勝てないな。
魔法が幽霊に通用するとは思えないし、刀を使っても素通りするんだろうな。
「て?え?彩佳!幽霊なんて居るのか?」
コクコク。全員が頷く。
五作、お前までも!
嘘でしょう?
ここはVRの世界なんですが!数字が並んだ。
俺は驚きを引きづって公開練習を終了させた。




