佐々成政、与力になる。
佐々成政が来た。
信長の言う通り成政は最高のタイミングで楓神子のお札を使い、敵重臣を討ち取り組頭になっていた。
「織田の砦が稲葉に攻められて窮地になり、オレが敵兵のど真ん中に突っ込んで行き………」
「信益様が敵兵に囲まれて、もうダメかと思ったよ」
「あのお札を思い出して使ってみればビックリだよなぁ」
ぺらぺらぺらぺら!
成政は戦さでの自分の活躍を長々と俺に話す。
成政がこれほど雄弁だとは思わなかった。
今夜は長い夜になりそうだ。
「とりあえず成政、おめでとう!今夜は飲もう!」
俺は成政のために祝宴を用意していた。
葵はしっかり酒と料理を準備してくれた。
葵は昨夜熱田に戻り、楓から今日の祝宴の話を聞いたと言っていた。
しかし料理が豪華だなぁ。
やっぱり葵は出来るヤツだ。
俺が空間収納から肉、魚を大量に出したから、俺の考えを察したみたいだ。
成政も料理の豪華さに驚いていた。
成政の話は続いていたが、酔いが回らないうちに俺は成政に話を切り出した。
「成政殿、頼みがある」
「俺の与力になってくれぬか?」
成政は先の戦さで証明したように猛将で、そして義理堅いから安心して使える。
河尻の他に俺の戦力にもう1つ駒が欲しい。
酔いが充分回っていたと思ったが、俺の言葉に成政は盃を盆に置き、姿勢を正した。
「これは大変嬉しいお誘い」
「ありがたくお受けします」
「先日の言葉通り成政、長秀殿に一生をかけて恩をお返しします」
成政は深々と頭を下げた。
年下の俺の与力になる事に問題は無いみたいた。
成政が俺の戦力に加わわった。
弥八、河尻、佐々で兵数が百数十人と犬20匹になる。
俺の魔法が有れば小さな城を落とすには充分な戦力だ。
弥八たちだけでもなんとか出来るが、このぐらいの兵でやらないと悪目立ちするからな。
猛将の秀隆と成政が活躍すれば、なんとか形になる。
まだまだ斎藤以外に警戒されたくない。
「ところで長秀殿、美玖は役立っていますか?」
急に成政は美玖の話を切り出した。
「ああ、礼儀正しく、素直な利発な妹さんで助かっているよ」
俺の答えに成政は満面の笑顔になっている。
「そうだろう、そうだろう」
「美玖は器量も良いし、優しいし長秀殿も気にいると思う」
「小さくて可愛かった美玖がもう大人になって」
美玖の話がまた長々続いた。
予想外に成政はシスコンであった。
参ったなー!佐々の妹の美玖の事もよく考える必要があるみたいだ。
成政が何か言ってきたら断れないし………側室が増えるのか?
楓がいるから正室は無理だ。
だが美玖を側室?良いかもしれない。
俺と楓と四郎は清洲城で梅村に会い、加治田城に向かった。
梅村の歩く速さに合わせ、行商人を装い荷車を引いたので加治田城に着くまでに3日かかった。
加治田城は魔法で身体強化して走れば1日で着く距離だった。
極力、人に会わぬよう早朝に加治田城に入ったので、城主佐藤忠能には翌日に会う事になった。
先に梅村が忠能に会い、話をしてからの会談になったためだ。
それなりの根回しが必要なのだろう。
「いかに味方になるという話でここに来ていますが、美濃の城で一夜を過ごすのは緊張しますね」
落ち着きのない四郎が布団の上から俺に話し掛けてくる。
夜間行動をしたのと、俺たちは加治田城でやる事が無いので梅村に早々布団を用意させた。
直ぐに四郎は俺と楓の布団から自分の布団を大きく離し、部屋の隅に移動していた。
四郎、心配するな。
流石にここではやらないよ、ここでは!
俺は索敵魔法で調べると部屋の周りには誰もいないが、城全体に索敵を広げると少なからず敵意があった。
「緊張?こんなとこで眠れるはずがないだろう」
「これから清洲の屋敷に戻って風呂に入り、ゆっくり寝るに決まっているだろう」
「いつ部屋の周りを槍を持った兵に囲まれるか分からないのに」
俺の言葉を四郎は驚き、そしてにこやかに笑う。
楓は俺が考えることを分かっているので、ずっと落ち着いていた。
梅村に俺は旅で疲れているから、忠能との会談の朝まで寝ると伝え、絶対に起こすな、食事も要らないと命じていた。
食事が要らないと聞いた時、梅村は不思議顔をしたが部屋の中で目立たなくしている方が梅村としては有り難かった。
「空間魔法、転移、清洲屋敷!」
俺は楓と一緒に風呂に入るために清洲の屋敷に移転した。
「四郎、何か食べ物を買って来い。夜まで帰ってくるな!」
と強く四郎に命じた。
「はい!」
何が起こるか理解した四郎は逃げるように屋敷から出て行った。
ごめん、四郎。
熱田に帰ったら葵と一緒に休日をあげるから。
この前屋敷で梅村に邪魔されてから楓との2人の時間が無かったから。
俺は楓を連れて風呂に向かい、ゆっくり楓の体を楽しんだ。
丹羽家の美少女たちの中で1人生娘でないせいか、少しづつ楓の色気が増してきた気がする。
相変わらず腰が細く、華奢な身体だが胸は少し大きくなっている。
大きな屋敷に2人だけのせいか、楓の声がいつもより大きい。
俺は楓の声に興奮して2度3度と続けていた。
四郎が夜暗くなって屋敷に戻ってきた。
充分な時間を取ってくれてありがとう、四郎。
俺と楓は四郎が買ってきた食事を軽めに食べ、のんびりといつもの自分の布団に寝た。
四郎も早く葵と屋敷を持てるようにしよう。
信長も鈴たちも梅村も俺たちが加治田城の部屋に居ると思っているだろうな。
そんなに甘くないぞ!




