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信長さん、どうするの?

信長はふーっと息を吐き

「しかし桶狭間で勝ち、ワシは天下統一を成し遂げる!」

信長はニヤリと笑って俺を見つめた。

「そのために、ここにユージ殿がいる」

「魔法使いがこの戦国時代に居たなら、どうなるかな?」

え?知られている?

「俺が魔法使いだと知っているのか?」

俺は後退りして、身構えた。

信長は座ったまま、湯呑みを下げようとしない。

「まぁそんなに緊張しなくても」

「ユージ殿をこの世界にこの世界に呼び寄せたのは、ワシだからな」

信長は戸の方に振り返り

「楓はいるか?入ってきなさい!」

戸が開き、楓が入ってきた。

「戸の側で控えておれ!誰もこの部屋に入れるな」

「今からこの部屋で見たこと、聞いたことの一切の公言を禁ずる!」

信長は強い口調で命令した。

「ユージ殿、魔法を見せてくれないか?」

ここは信長のVR世界だ。

俺はこの世界の住人ではない。出来るか?

「期待に応えられるか分からないが……」

右の手のひらに炎をイメージする。

「ファイヤー」

大きな炎が立ち上がった。

「ひぁー!」

楓は口に手を当て、小さな叫び声を上げた。

大きく目を見開き、立ち竦むだけで大きな反応はしなかった。

普通の女性なら大声を上げ、腰を抜かしているだろう。

「うむ、成功したか」

「うちのスタッフは優秀だな」

同じように楓を見つめていた信長は俺に振り返り、にこやかに笑った。

「何故俺が魔法を使えるんだ!」

「この世界では魔法が使える設定はされていないのだろう」

しかし今、魔法が使えた。

使えなければ俺をこの世界に呼び寄せる意味は無いけどな。

「説明するのに時間がかかりそうだな」

「ユージ殿、まぁ立ってないでゆっくり座って話をしよう」

「楓!」

放心状態で立ち竦んでいた楓が、信長の声で控えの姿勢をとった。

「ゆうげはユージ殿との話が終わった後にする」

「今日は祝いじゃ。ご馳走を用意せよ。ユージ殿の分も忘れるな!」

信長は早口で命令した。

「は!」

楓は頷き、部屋から出ていった。

「楓も居なくなったし、今からの話は誰も聞いておらぬぞ」

俺は信長の前に座ることにした。


信長は桶狭間の戦いでの不利が分かり意識を回復した際、介護スタッフへこの世界に魔法使いを呼び寄せるように指示を出したらしい。

スタッフは魔法使いとしてVR世界に居る者を調べ、俺を選んだ。

そして俺のVR世界と信長のVR世界を同調させ、俺をこの世界に召喚したとの事だ。

「俺の世界はどうなっているんだ」

「ユージ殿の世界はこの世界に取り込み、時間を停止させてある」

「あんたの希望が叶った時、俺は俺の世界に帰らせてもらえるのだな」

「ワシが生きている前提だが、17歳の状態で戻そう」

信長が殺されるわけにはいかないな。

「俺のパーティーは召喚出来ないのか?」

「残念ながら出来ない」

「元の世界からの情報はメッセージとしてワシに伝えられるが、ワシの意志は4年後意識が回復した時にしか伝えられない」

アリス達の召喚は早くて4年後か。

信長の上洛までにアリス達を呼びたい。

浅井、朝倉、武田、本願寺。1人では無理だろう。


目の前にゆうげの膳が置かれた。

鮎の塩焼き、里芋、ステーキ?これは何の肉だ?

うっ!味噌汁の良い匂いがする。

感激だ!この世界もいいかもしれない。

俺の世界では味噌はまだ作れなかったからな。

「ユージ殿の世界にコメや味噌は有るのかな」

「味噌は無い。レベル上げばかりしていて、味噌を作る余裕は無かったな」

「遠慮せず食え!」

「ユージ殿は今日からワシの友であり、兄弟だな」

楓は戸の側に控えていて、食べているのは2人だけだった。

「俺はこれから何をすればいいんだ?」

「魔法で義元を殺してくればいいのか?」

信長はニヤリと笑った。

「ユージ殿は義元が何処に居るか知っているのか?」

知るわけないだろう!

だが、義元を魔法で討つために俺を召喚したのだろう。

「何も分からないなら、今夜はたらふく食って、ゆっくり寝ろ」

「命令は楓を通して伝える」

俺は楓を見つめた。

「楓に命令されるのは不服かな?」

信長は俺の思考が読めるのか。

不服というか、俺の世界では自由にやってきたからな

「自由に出来ない世界は嫌だな」

信長は少しの間考えて

「わかった!」

「楓、今からユージ殿に服従せよ!」

「朝夕のユージ殿の支度から、湯浴みの手伝い、夜の伽までせい!」

湯浴み?伽?

楓さん、反応は?ないの?いいの?

「ユージ殿、分かっていると思うが、NPCといえ感情は有るからな」

VR世界のNPCはファジーな反応をする。

まるで感情が有るかの様に。

「変態行為をして楓に寝首を掻かれぬように」

俺はいたってノーマルです!

あ!ロリコン?

身体は17歳ですから、反応はします。

そこは、ご理解いただきたい!




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