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俺、勇太に模擬戦をやらせる。

『ボス、今大丈夫ですか?』

『ドッグラン』のリーダー『ファースト』から脳内通信が急に入った。

「どうした『ファースト』」

『エイトとナインからの報告で境内に5人の不審者を見つけたとの事です』

俺は野犬グループ『ドッグラン』を家来兼番犬として熱田神宮の床下に住まわせ、夜間の見廻りをさせていた。

不審者が5人?

俺は索敵魔法を使い5人の不審者を調べた。

1人1人が距離を離しているから、5組の忍びが居るのか?

織田に松平と竹中半兵衛か美濃の斎藤か?

たぶん半兵衛から報告を受けた斎藤だろうな。

丹羽長秀は危険人物だから調べる必要があると。

それなら目的は俺のはずだから楓たちは大丈夫だ。

残りの2組はどこだ?

「『ファースト』5人について何か追加の報告はあるか?」

『他の者より上手く隠れていた者が1人、あと抹香臭い者が1人居たそうです』

どんなに上手く隠れていても、犬の臭覚は誤魔化せない。

抹香臭い者は一向宗か?

もう1人は?

「ありがとう『ファースト』」

「観察か?調査か?すぐの危険は無いだろう」

「心配せずに休んでくれ」

予想していたよりも多いな。

しかし、あと1人は何処から来たんだ?」


勇太が10人の男たちを連れて熱田神宮に帰ってきた。

「ただ今戻りました」

「長秀様の許し無しに男たちを連れて来たこと、申し訳ございません」

10人の男たちを背にして勇太は地面に手をつき頭を下げていた。

「おい、どうなっているんだよ」

「許し無し?」「だましたのか?」

男たちのざわつきに勇太は頭を下げたまま何も言葉を発しない。

俺は静かにゆっくりと

「勇太、自分が何をやったか分かっているのか?」

独断先行(どくたんせんこう)など死罪もしくは追放に(あたい)する事をしたのだぞ」

「幸いにも俺もそろそろ兵を集めようと考えていたから、そこまでするつもりはない」

「さりとて簡単に許す訳にはいかないな」

「勇太がその男たちの面倒をみろ。そして結果を出せ」

俺は後ろを振り返り。

「勇太を止めなかった四郎にも責任は多いにある」

「俺は今日、予定があるから、この者たちを宿に泊めて明日、力を見せてもらう」

「この者たちが不甲斐(ふがい)ない結果を出すのなら、それなりの責任をお前と勇太に取らせる」

「宿に案内しろ!」

俺は勇太に背を向けたまま社殿に入った。

すぐに楓が俺の後を追いかけて来た。

「旦那様、四郎さんと勇太さんをどうするつもりですか?」

「追放するのですか?」

「お願いします。何とか許してもらえないでしょうか?」

楓が床に手をついて頭を下げてきた。

「俺は今から『ドッグラン』を狩りに連れて行き、能力を上げてくる」

「四郎に伝えろ」

「明日、『ドッグラン』と勇太の男たちで戦闘模擬戦をさせる」

「四郎と勇太は、その結果しだいだ」

楓に泣きつかれても、この悪い状態を(なお)しておかないと。

四郎と勇太は何も考えていない。

このままでは戦さで勇太は死ぬぞ。

「楓、明日犬たちと戦わせる事は伝えた」

「普通に戦えば勇太たちは間違いなく負けるだろう」

「だが勝てないが負けない方法がある」

「考えてくれ。分からないなら鈴に相談しても良い」

「しかし、答えが分かっても勇太には教えるな」

「勇太には!」

「四郎が勇太に教えるのは止めないから」

床で頭を下げていた楓の手を取り、立ち上がらせた。

俺は優しく楓を抱きしめ

「俺は四郎も勇太も好きだ」

「だからこのまま戦さで死ぬかもしれん状態をそのままには出来ない」

「死なせるよりは追放の方が良いと思っている」

「わかって欲しい」

楓は俺に抱かれたまま何も言わず(うなず)いた。


「旦那様はそう言ったけど、どうすればいいの?」

楓は鈴を捕まえて助けてを求めた。

『盆踊り』の歌詞、振り付けも決まって彩佳とのお囃子の細かい()めしていた鈴は雛と五作に後を任せた。

「四郎さんには教えて良いということだけど、負けない方法ですか?」

鈴は考えだした。

「しかし、旦那様は犬たちを戦さに使うつもりですよね」

「負けない方法は敵に知られると困るのでは?」

鈴はまた考えだした。

「『私が気づく事は敵も気づく』ですか」

「旦那様は承知で模擬戦を行うのですね」

「旦那様の考えはさらに深いところに有るのかも」

「たぶんこれで良いと思うけど」

鈴は楓に答えを教えた。

答えを聞いた楓は手を叩いて喜んだ。

「ああ、四郎さんに考えさせて、すぐに答えを教えない方が良いですよ」

四郎さんがすぐに答えが見つかるとは思えないけど」

「脳筋戦さバカ男たちは少し()りた方が良いです」

「四郎さんが勇太さんに伝えてどうなるか?」

「四郎さんと勇太さんの両方を(ため)しているんだ」

「やっぱり旦那様は凄いなぁ」

鈴はさっきから(うなず)きながら、ぶつぶつ独り言を(つぶや)いていた。

途中から何も分からない楓も

「旦那様は凄い」の鈴の言葉に同じ様に(うなず)ていた。




「もう1人の忍び」は美濃攻略後に起こるイベントの伏線になっています。

まだ先の事ですが『裏の天下統一』の『裏』に関わってきます。

予想するのも面白いですよ。

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