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俺、野犬を家来にする。

「楓、久しぶりに一緒に狩りに行こうか?」

朝早く俺は楓を狩りに誘った。

久しぶりなので楓は(うれ)しそうだった。

「肉の在庫が少なくなったのですか?」

「で今日の獲物(えもの)は野ウサギですか?猪ですか?それとも私?」

と軽口をたたきながら楓は俺の腕に(から)んでくる。

狩りといっても俺と楓には散歩みたいなものだ。

「そうだなぁ少し獲物(えもの)が取れたなら兵の調達をしょうと思っている」

楓が(あゆ)みを止めて俺を見つめてくる。

「へい?(へい)屁意(へい)?」

まぁ分からないだろうな。

「後で分かるから、さあ狩りを始めようか」

俺たちは熱田の東の山に入った。

身体強化魔法をかけて俺と楓は二手に分かれて狩りを始めた。

俺と楓は(またた)く間に野ウサギ12羽、猪2頭を捕まえていた。

「久しぶりに外で動いたので気持ちが良いです」

楓の(ひたい)にうっすら汗がにじんでいた。

汗ばんだ楓はすごくエロかった。

このまま楓を押し倒したい衝動(しょうどう)にかられた。

だが今日の目的はそれではない。

今日の狩りの獲物(えもの)は楓ではないのだ!

「さて今日はこれからが本番だ」

俺は索敵魔法を2kmまで広げ、野犬の群れを探した。

ん?東に20匹の野犬の群れがある。

よし、コイツらにしょう。

「楓、少し危険だから俺の後ろからついてきなさい」

1〜2匹ぐらいの野犬なら楓はそれほど危険ではないが、20匹の野犬の群れでは(あぶ)ない。

楓にそう言って威圧の魔法を全開に放ち、俺は野犬の群れへ走った。

1kmぐらい先に開けた場所があり、俺の威圧の魔法に野犬たちは(おび)えてうずくまり、動けなくなっていた。

よし!(つか)まえたぞ!

少し強引な方法だが魔法を使って野犬20匹をテイムする事にした、かなり一方的なやり方だが。

野犬20匹とのテイムは成功した。

「お腹が空いていないか?」

俺は優しく野犬たちに問いかけた。

『3日何も食べてないからお腹ぺこぺこだよ』

『オレも!』『オレもだ!』

脳内通信で野犬たちの声が次々と入ってくる。

「旦那様、これは何ですか?」

「犬たちの声が聞こえてきます」

楓が犬たちの声を聞いて驚いている。

楓も犬たちとコミュニケーションが取れるみたいだ。

俺は狩ってきた野ウサギを犬たちに与えた。

「食べていいぞ!」

犬たちは(おび)えから立ち直り、一斉に野ウサギを食べ始めた。

「お前たちのリーダーは誰だ?」

1匹の他の犬よりも少し大きめな傷だらけの犬が食べるのを止め、俺に振り返った。

『オレだが?』

コイツが群れのリーダーか。

「お前たちの住む場所と食べ物を約束するから俺の家来になれ!」

威圧の魔法を使い、この命令口調だから拒否出来ないよな。

『分かった。アンタにはオレたちが束になっても勝てそうにないからな』

『アンタの家来になるよ、ボス!』

犬のリーダーは俺の命令を受け入れた。

他の犬たちも食べるのを止め、その場に服従を表してうずくまった。

「ありがとう、続けて食べてくれ」

俺の言葉に犬たちはまた食べ始めた。


食べ終えた犬たちは俺の前に集まった。

「まだ充分な量ではないだろうが、とりあえず今日はこのぐらいで我慢してくれ」

野ウサギ12羽では20匹の犬たちには少ないだろうな。

コイツらがっついていたからな。

犬は雑食だし、米も食べてくれるから楽だよな。

葵たち料理当番は大変だが。

『分かりました。ありがとうございますボス』

野犬のリーダーは俺に感謝の言葉を使った。

お!出来たリーダーだな。

「まだごめん。顔の区別が出来ないから、お前たちに名前を付ける」

「リーダーを先頭に1列に並べ!」

俺は犬たちを1列に並ばせた。

「リーダーからワン、ツー、スリー………ナインティーン、ツゥエンティだ」

かなりいい加減な名付けだな。

「そしてお前たちの群れの名は『ドッグラン』だ!」

「『ドッグラン』内の脳内通信は常時接続にするから、もう()える必要は無いはずだ」

「むやみに()えるな。緊急時以外は」

鈴、雛、彩佳らアイドルたちが怖がったら困る。

脳内通信で意思疎通が出来て、犬たちが従順な姿勢でいれば彼女たちも犬たちを怖がらないだろう。

「後ろにいる女性は俺の妻だ」

「妻に対しても絶対服従だ!」

「神宮に居る俺の仲間にも従え!お前たちのメシを作ってくれる者たちだからな」

『分かりました、ボス。よろしくお願いします、マム』

犬たち全員が楓に服従の姿勢をとった。

「あ!よろしく『ワン』」

楓の言葉を聞いて、つい俺は吹き出してしまった。

可愛い楓の言葉の語尾が犬語になっていたので笑い出してしまったのだ。

リーダーの『ワン』が不満そうな顔をした。

『何かオレ、笑われてないか?』

「すまん『ワン』」

どうしても語尾が犬語になる。

「お前名前を変える」

「お前は特別だから名前を『ファースト』にする」

(かしら)、リーダーという意味だ」

『オレは特別なんだな?』

俺は大きく(うなず)く。

『分かった。オレの名は『ファースト』にする』

「よし!帰るからついて来い!」

俺は『ドッグラン』の犬たちにヒールとクリーニングの魔法をかけた。

傷、汚れ、ノミが無くなった『ドッグラン』たちはもう野犬ではない。立派な番犬になった。

俺は『ドッグラン』たちと熱田神宮に帰る途中でカラス1羽もテイムした。

空にはカラスは数え切れないほどいたが、戦力は『ドッグラン』たちでいい。

敵の情報収集にと1羽だけにした。

カラスも犬並に知力があるので助かるよ、少々自由ではあるが。

俺はテイムしたカラスの名を『じんべぇ』と名付けた。

サラリーマン時代の俺の遊び友達のあだ名をもらった。

そういえば、その友達も自由奔放(じゆうほんぽう)だったなぁ







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