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俺、盆踊りを命ずる。

鈴と雛の踊りは完成した。

エロい部分を取り除き、可愛さ全開で観客にアピールする。

腰フリは途中で小さく入れ、時々首を(かたむ)け頭に人差し指を立てる。

『ハブ、ネバ、ビー、メロ』手を広げて、伝える感じでここだけは唄う。

そして俺の希望を入れ、踊りのシメに顔の前に両手のこぶしを寄せるぶりっ子ポーズでキメる。

よし!あざと可愛いアイドルが生まれたぞ!

「観ていて幸せになる踊りだ!」

「鈴、雛。最高だ!」

俺は鈴と雛を全力で()めまくった。

鈴と雛が喜んでいる。

彩佳も。

「さて次は、観ているみんなが踊れる踊りを考えて欲しい」

あの盆踊りを完成させる。

「この前、雛が考えた踊りで良いと思うが、少し注文がある」

「この踊りにはしっかり歌詞を入れたい」

「織田家、信長様を()める言葉を入れて唄いたい」

鈴と雛と彩佳の顔が真剣な表情に変わった。

「そうだなぁ『織田様、良い方、年貢が安い』とか」

「『尾張よいとこ、極楽天国』なども良いな」

「とにかく信長様と尾張の国を()めまくる歌詞にしてくれ」

俺の注文に彩佳と雛が頭を押さえて考え出した。

「凄い!」

「旦那様が考えていたのはコレだったのですね!」

鈴が急に大きな声を上げた。

さすが鈴だな。

俺がやろうとしている事が分かったみたいだ。

「鈴さん、何なの?」

彩佳が鈴に聞いた。

雛は何も分からず首を(かし)げていた。

「鈴、分かるなら彩佳と雛に説明してやってくれ」

鈴は俺の考えに気づいた事が(うれ)しいのか、目一杯に目を広げ何回も(うなず)く。

「このまま私たちが舞を見せていけば人が集まり、いつか観客が私たちに()られて信長様を()めて踊り出すの」

「その為にみんなが踊れる簡単な踊りを作るの」

「幸せだ!極楽だ!と歌って踊っている信長様の領地で一向宗が一揆を起こすの?」

「一向宗の宗徒が幸せ、極楽を壊すの?」

「変じゃない?普通ならしないよね」

鈴が早口で彩佳と雛に説明していた。

「え?楓神子が一向一揆を(つぶ)すじゃないの?」

雛が鈴に聞いてきた。

「旦那様は楓神子だけでは弱いと思っているのよ」

「楓神子がいて、領民が尾張を極楽と歌って踊っているなら雛ならどう思う?」

鈴が雛に聞き返した。

「それは来世に極楽に行けるより、今極楽に行けるならみんな尾張に行きたい思う」

「そして楓さんが本当に怪我や病気の苦しみを取ってくれるのだから」

雛はそう言いながら俺を見つめた。

「旦那様、凄い!」

まぁ、それだけじゃないんだけれど。

「分かったなら鈴、雛、彩佳。お囃子、踊り、歌詞を考えてくれ」

俺は3人に命じた。


その夜、楓が鈴を連れて俺のところに来た。

「旦那様、鈴さんが旦那様にお話しがしたいと」

鈴は楓の後ろでもぞもぞしていた。

「何だ鈴、急に。俺に用か?」

特に急用の感じはしないな。

「私、何か言ってはいけない事を言ってしまった様で」

あ!昼間の盆踊りの件か。

もしかして秀隆の屋敷で怒った事が鈴のトラウマになっているのか?

「鈴は余計な事を言っていないよ」

「と言うか、それ以上の事に気づいているんだろう?」

しおらしく(うず)く鈴はメチャクチャ可愛いかった。

「なら雛や彩佳に言わない鈴はやっぱり凄いな」

俺は鈴を近くに呼び寄せ、頭を()でた。

そして俺の行動に楓が(ほほ)(ふく)らませ()ねた。

「鈴は俺のことを心配しているんだ。斎藤に暗殺されると」

多分、斎藤にも楓神子の(うわさ)が届いていて、斎藤の忍びが俺たちを監視しているだろう。

もし、この歌詞、踊りを半兵衛辺りが知れば俺の危険さに気づくだろう。

美濃の領民が反乱を起こすかもしれない。

今の領主から信長様に領主を変わってもらいたいと考えるのではと。

「大丈夫だ、鈴」

「というか、成政にお札を2枚持たせて斎藤との戦さに行かせた時点で俺はやり過ぎているよ」

鈴は俺の言葉を聞いて驚き、俺に抱きついてきた。

「鈴、お前。頭の回転が早すぎるよ!」

鈴を離し、顔をじっと見つめた。

「心配するな。俺はそんな弱い男か?」

鈴は首を横に振った

「お前たちも俺が守る。大丈夫だ!」

鈴は(うなず)き、楓と一緒に部屋を出て行った。

暗殺か。確かに危ないな。

索敵(さくてき)魔法を常に使っていた方がいいか?

俺はひらめいた。

ん!そうか!その手を使おう!

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