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五作、美少女たちで悩む。

side 四郎、勇太

「やー!」

四郎が身体を左に動かし、勇太の振り下げた木刀が四郎の肩先をすり抜ける。

身体能力は四郎の方が圧倒的に高い。

「長秀様は。はー、はー」

「はー、はー。迎えに来ませんね」

息が上がった勇太の声がようやく四郎に届く。

「先に戦場に向かわれたのでしょう」

「長秀様が戦場に行っていれば、私たちも直ぐに長秀様の転移で戦場に行けますから」

「もしかしたら戦さがもう終わっているのかも」

四郎はあっさりと答えた。

「稲葉山城で義龍を暗殺した時の事を考えると、時々俺たちの役割は何だろうと思ってしまうね」

「何か雑用ばかりしているような」

四郎は木刀の先を地面に落とし、勇太との立ち合いを止めた。

「私は忍びとして長秀様に仕えたから、敵の諜報(ちょうほう)混乱が役割だと思うが……」

「何故勇太に戦術を学べと言ったのだろうな?」

「長秀様の力を考えたなら、お1人で戦さなど直ぐに終わらせてしまうだろう」

「眠っている武将や逃げ惑う敵兵を仕留めるのに戦術など要らないと思うが」

四郎は(ひたい)の汗を拭いている勇太に向かって問いかけた。

「長秀様の家来なら生命(いのち)の心配も負傷の心配も無く出世が出来ます」

「そんな簡単で良いのでしょうか?」

「俺は敵大将の首を()り、知行(ちぎょう)を頂き、いつか城持ちになりたいです」

「長秀様の後ろにいるだけで城持ちになるのは………」

勇太の息が普通に戻っていた。

「村では俺は仲間の中では(かしら)になっていました」

「ケンカなら誰にも負けない自信も有りました。長秀様の家来になるまでは」

「一度に5人を相手にした事も有ります」

四郎の前ならと勇太は武勇伝を語り始めた。

「なら、勇太はどうするつもりだ?」

「長秀様へ勇太の何を見せる?」

四郎は武勇伝を語る勇太を(あお)った。

「村に帰り仲間を集める」

「俺は丹羽家の家来だと言えば村の男達が10人20人直ぐに集まるだろう」

「仲間を集めて戻って来ます」

どう聞いても丹羽家の名前で人が集まるとしか聞こえないが。

熱田でくすぶっているより、良いかもしれない。

さて、長秀様に何と言おうか?

四郎は悩み始めた。


side アイドルグループ

「まず、玉恵さんと美穂さん以外の人の名前を聞こうかな?」

五作は新たに仲間になるかもしれない巫女たちに声をかけた。

美玖(みく)といいます」

落ち着いた明るい感じの美人顔の少女だ。

長秀様は気付かなかったが楓さんに似ているから、長秀様のお気に入りになるかもしれない。

彼女は気を付けて対応した方が良いな。

(みさを)といいます」

声が小さく、人見知りする少女のようだ。

背も低いから、存在がさらに小さくなる。

小動物の様な可愛い少女だから、長秀様が可愛がるかもしれないな。

この子も気を付けて。

(かおり)といいます」

色黒で南方系の目鼻立ちがハッキリした、大人びた色気が有る少女だ。

舞台では目立つかもしれない。

楓さん、鈴さん、雛さんとは雰囲気が違うから、長秀様が興味を持つかもしれない。

え?なんでこんなに美少女ばかり集まるんだ!

これでは気が抜けないだろう!

「はー!」

と五作はため息をついた。


「さて、どうしましょうか?」

五作は彩佳に(たず)ねた。

「とりあえず玉恵さんは琴で、美穂さんは笛をやってもらって」

「笛と琴は直ぐに覚えるのが難しいので、美玖さんたち3人はそれぞれ琴と笛を試してもらって」

「誰が琴をするか、誰が笛をするか決めましょう」

「もし琴や笛が難しいのであれは、太鼓をやってもらいましょう」

「五作さん、これでどうですか?」

彩佳が五作に答えた。

「長秀様は3人と言っていましたが、長秀様が帰る前に決めて良いのでしょうか?」

五作は直ぐに彩佳に聞いてきた。

「長秀様はお優しいお方ですから、5人全員が頑張れば、5人とも長秀様は認めますよ。

「それにお囃子が(にぎ)やかい方が長秀様も喜ばれますよ」

葵が答えた。

「そうですよ!旦那様は優しいんだから!」

「凄いんだから!カッコいいんだから!」

雛が口を挟む(はさ)む。

新しい巫女たちは呆然と雛を見つめていた。

「私、旦那様の曲を覚えきれなかったから、彩佳さん頼めます?」

鈴が彩佳に声をかけた。

「はい、大丈夫ですけど……」

彩佳は答えたながら葵を見つめた。

「なら五作さんと玉恵さん、美穂さんで巫女舞の曲を練習しましょう」

「合間合間で五作さん、玉恵さん、美穂さんが交互に他の3人を教えるという事にして」

「鈴さんと雛さんと彩佳さんの3人で新しい舞と曲をやって下さい」

「それなら全員が頑張れるでしょう」

葵が彩佳に応えて振り分けを仕切った。

五作、彩佳、鈴、雛が頷く(うなず)く。

「さあ、始めましょう」


「私、どんな感じの舞にするかもう決めているの」

雛が鈴と彩佳に向かって話し始めた。

「彩佳さんに旦那様を盗られて、今私と鈴さんの影が薄くなってしまったみたいですから」

「旦那様に私と鈴さんの存在を気づかせる舞にするの」

「鈴さん、それでいいですね」

雛が(まく)し立てる。

「気づかせる舞って、どんな?」

鈴が興味を(しめ)して雛に聞いてきた。

「こんな感じで踊るの!」

雛が踊り始めた。

「雛さん、それはちょっと……」

雛の踊りを見た彩佳が戸惑いの表情を見せた。









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