新しい美少女が、現れました。
「長秀様、次に私の話ですが、よろしいでしょうか?」
葵がひと泣きして話を切り出した。
巫女舞の調査結果だな。
俺は葵に向かって頷いた。
「すみません、長秀様の命である巫女舞の評判調査途中で帰って来ました」
葵が頭を深々と下げた。
葵なら間違った判断で動いていないだろう。
「熱田神宮に遠方からの参拝者が多数、楓たちに憧れた巫女希望者の少女たちも集まってしまって宮司さんたちが大変困っています」
「私たち、宮司さんたちに巫女舞で助けて貰っていますので、どうか宮司さんたちを助けてもらえないでしょうか?」
え?それだけ?
それだけで戻ってきたの?
「長秀様、いいでしょうか?」
急に五作が口を挟んできた。
「せっかくなので巫女舞希望で集まった少女たちに巫女舞のお囃子をやらせてはどうでしょう?」
「そろそろ私と勇太のお囃子の任を終わらせて欲しいと思っていましたので」
そうだよな。
いつまでお囃子をやらせている訳にいかないな。
それにガールズバンド?
面白いかも!
「わかった」
「五作、直ぐに葵と一緒に熱田に行ってお囃子が出来そうな巫女を見つけてくれ」
「間者かどうか調べろ」
「もちろん、どの巫女にするかは俺が決める。1人も選ばないかもしれないが」
「時間を与えるから、葵と一緒に頑張ってみてくれ」
「5日間ぐらいか」
「葵、宮司さんたちに後から全員で向かうと伝えてくれ」
葵と五作が出発した夜に宴会をおこなった。
なぜ宴会なのかみんなに説明していない。
とにかくいい事が続いている気がする。
五作がいないので酒の減りが多くなかった。
葵が居ないせいなのか四郎も大人しくしていた。
次の日、俺は楓と一緒に信長の屋敷に向かった。
少し待たされたが俺は優先されるらしく、ほどなく信長の所に通された。
「ユージ殿、義龍の件の報告かな?」
「忍びから稲葉山城で慌ただしい動きがあると伝えてきた」
「つまり、ユージ殿が義龍をやったという事でいいのかな?」
暗殺から1日で信長の耳に届くとは、さすがだな。
「その通りです。義龍を暗殺してきました」
「今日はその報告です」
俺は落ち着いた声で信長に答えた。
「早いなぁ。まぁユージ殿ならそうなるか」
「これで美濃は揺れるな」
信長は扇子でヒザを叩きながら考え始めた。
ヒザを叩く音がしばらくの間、続いた。
ふと俺がいることを思い出したのか、ヒザを叩くのを止めた。
「あ!すまない。少し考えておった」
「で、ユージ殿は次に何をするのかな?」
信長は美濃攻略を考えていたのだろう。
「アイドルたちの更なる進化のために、熱田で訓練する予定です」
アイドルの言葉にいつも通りに信長の表情が緩んだ。
美濃攻略とアイドル。
信長にとってどちらが重要なのか分からないな。
「あ!そうだ。ユージ殿に伝える事がたくさんあった」
「で、アイドルさんの進化とは?」
信長さん、話が飛んでいるぞ!
俺に伝える事はどうなっているんだ!
うーん、まぁいいか。
「鈴と雛の2人がだいぶ、あの世界のアイドルに近づきますね」
「ヒラヒラの少しエロ可愛いアイドルに」
俺の言葉に信長はにこやかになった。
「それは楽しみだな」
「ところで秀隆がユージ殿の与力になりたいと頼みに来たので了承したが、良かったのかな?」
今日の信長は話が飛ぶな~。
「あ!素晴らしい戦力。ありがとうございます」
「アイドル鈴の父親なので上手くやっていけそうです」
「もう少し戦力が整いましたなら、美濃攻略を始めますので少しお待ちください」
まずアイドルを仕上げてから。
なんとか後3ヶ月でアイドルとガールズバンドを仕上げたいな。
「ところでユージ殿」
え?急に信長が変なニヤつきに変わった。
嫌な予感しかない!
「来月、元康との同盟が決まった」
「20日頃、元康が清洲に来て同盟の話を詰める予定だ」
「それで元康からユージ殿に感謝の意を伝えたいと贈り物が届いているのだけれども」
信長のニヤつきが止まらない!
「おーい!長秀への贈り物を連れてまいれ!」
信長が襖の向こうの従者に大声を上げた。
連れてくる?
物では無い!馬?座敷の中に?
襖が開いて赤い艶やかな着物を着た15〜6歳の美少女が入って来た。
艶やかな着物に負けない美少女が。
「信長様、この女性は?」
俺は美少女から、直ぐに信長に目を移した。
「だから元康殿から長秀への贈り物だ」
「よほどお主を怖がっているのか、ワシより先にお主に人質を送ってこよった」
少女の前なのか信長はユージ殿から長秀に言葉を変えてきた。
え?何??
戸惑っている俺に向かって信長は
「元康殿がお主に側室を贈ってきたみたいだな」
「どうする?突き返すか?」
「たぶん、突き返すとこの娘は自害するぞ!」
「そうなると元康との同盟は拗れるな」
う!俺が脅されている?
しかし、一目見たかぎり、凄く可愛いぞ!
俺の好みのど直球ど真ん中のアイドル美少女!
「で、どうすれば良いのですか?」
俺は信長に問いかけた。
今、俺の背後に楓が座っている。
大変喜んでいます!なんて、それは無理です。
「側室として連れて行ってもらわないとな」
信長から拒否が許されない言葉!
喜びと不安が俺に襲いかかる。
こればかりは鈴、雛のような仮の側室という訳にいかないかもしれない。
遂に俺にも定番の異世界ハーレムが始まりそうだ!




